11棟目:レーベン新小岩innovia

この記事の画像出典:レーベン新小岩innoviaの公式HP

ご挨拶

こんにちは、餅つき名人です!!

妻の実家の近くに中古マンションを購入した挙句に離婚してしまいました。当然のごとく元妻の実家の近くに住み続けるのは嫌でした。しかし住めば都という言葉は真実だったらしく、しばらく暮らすうちに馴染みの店や知り合いができ、いまではすっかりこの街に馴染んでこの街に愛着がわいています

そんな状況なので住み替えのハードルは以前よりも高くなっています。しかし今住んでいるマンションと街を越える物件を探す旅を止めるつもりはありません。当ブログのマンション購入ノウハウ集のノウハウを活用して新築マンションを評価し、魅力的な分譲マンションが見つかったら住み替えをしたいと思っています。

評価は各項目で0~2を付与し100点満点換算で判断します。現在住んでいるマンションが83点なのでそれを超えるマンションを探しています。この83点を超えるのであれば分譲でも賃貸でもOKです。

前述の通りこの最新マンションレビューは私が現在のマンションから住み替えたいかという個人の趣味嗜好を基準としています。勘違いや誤解や決めつけのままに書き散らしていきますので、道端で拾った他人の日記を覗き見るようなゆるい気持ちでお読みください。

それではしばらくの間よろしくお付き合いください。

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坪単価

本日の物件

本日の物件は「レーベン新小岩」です。「東京駅まで13分と利便性の高い新小岩駅から徒歩17分」という長所なのか短所なのか判断しづらい特徴が際立つ物件です。

新小岩は物件探しで新築・中古ともに集中的に調査した土地ですし、総武線沿線には小さいころからよく遊びに来ていたので土地勘もあります。偶然にも当物件の関係者と知り合ったことから興味を持ちました。さっそくチェックしてみます。

(1)周辺情報チェック

チェック1:最寄り駅に魅力はあるか→1点

最寄り駅はJRの新小岩駅です。交通利便性は東京駅まで13分と文句なしです。しかし治安は当物件が位置する南口に関しては都内屈指の悪さです。住宅地としてはハイリスクと言ってもいいでしょう。

その代わり駅周辺には安くて美味い個人経営のお店が大量にあり多様性を感じさせます。利便性と活気は満点ですが治安は最低なので評価が難しいです。女性目線では治安が優先となり0点になると思いますが独身男である私の目線では交通利便性と活気を優先するので1点とします。

チェック2:駅徒歩時間は本当で妥当→▲2点(例外)

物件概要は駅徒歩17分です。専用のシャトルバスが運行されますがそれでも駅まで8分です。この時点で0点確定です。

さらに当物件は奇妙な特徴があります。東西南の3棟構成の配棟にもかかわらず2台あるエレベーターが南棟にだけしか設置されていないのです。ちなみにメインエントランスは東棟にあります。いち早くエレベーターに乗るにはメインエントランスを利用せず南口の駐輪場にある裏口から出入りすることになります。

当物件は住人専用のシャトルバスが用意されますがその発着は東棟のメインエントランスです。東棟の上階に住む人はメインエントランスからいったん南棟に移動してエレベーターに乗ってそれから東棟に戻るのです。ドリフのコントに出てきそうな斬新な設計に感心します。

そしてこの奇想天外な設計は部屋を出て敷地を出るまでに相当な時間を要することを意味します。部屋によっては相当な時間ロスがあることが推測できます。駅まで徒歩17分のマンションでさらに敷地内で5~7分のロスするのです。部屋を出て電車に乗るまでに30分はかかることを覚悟したほうがいいでしょう。

新小岩駅から下って小岩駅か市川駅の駅近物件を購入した方が交通利便性が高いのですからわざわざ当物件を選ぶ必要がありません。例外的にマイナス2点とします。

チェック3:周辺に空き地やコインパーキングがない→2点

南と西は目の前が親水公園や戸建エリアなので問題ありません。上層階であれば味のある眺望が楽しめそうです。当物件を購入するのであれば南向き一択ですから2点とします。

チェック4:周辺に嫌悪施設がない→1点

物件周辺にはなにもありません。閑静な住宅街で生活する分には申し分はないでしょう。江戸川区ですし子育て中のファミリーであれば望ましい環境だと思います。

しかし新小岩駅の南口は下町の繁華街でラブホテルやキャバクラが山のようにあります。この繁華街を毎日通過することを良しとする女性はいないでしょう。ましてや子供が大きくなり電車通学するようになるならなおさらです。

ただ新小岩の繁華街ですから昔の歌舞伎町のように命の危険にさらされることはないでしょう。ここは間を取って1点とします。

チェック5:周辺道路は広く、駅までの道が安全→2点

物件から駅までは住宅地の細い路地を抜け、小松通り会を抜け、駅に向かいます。車の交通量は少なく、自転車とすれ違ってもそれなりのスペースがあるので歩く分には問題はないです。

この距離を歩きたいかという根本的な問題はありますが当項目の対象外なので2点とします。

チェック6:歩いている人の服装と歩きタバコ率→▲2点(例外)

新小岩は歩きタバコ天国です。老若男女国籍問わず多くの人が歩きタバコをします。この街は歩きタバコやポイ捨てが公に認められているようです。私は新小岩ではじめて若い女性の煙草のポイ捨てを目撃して衝撃を受けました。また自転車やバイクに乗りながらの喫煙も当たり前のように見かけます。もちろんポイ捨て上等です。

そんな大人が育てる子供ももちろん負けていません。当日は自転車に二人乗りをしつつタバコを吸いつつスマホをいじる少年・少女を目撃しました。自分たちの身体能力に相当な自信があるようです。新小岩にはシルク・ドゥ・ソレイユの団員が住んでいるのでしょうか。さらに服装はジャージとスウェットが正装です。

もちろんマナーも超人的でエレベーターを呼ぶボタンを手ではなく足で押します。バシッバシッとエレベーターホールにボタンを蹴る音がこだまします。仕事以外の時間でも芸を磨くことに余念がありません。また彼らは情熱のあまりよく奇声や怒声を発します。特に車の運転をしているときは顕著で街中で天使の歌声を聞くことができます。

サーカスは大好きですが残念ながら日常生活まで非日常空間で送りたいとは思いません。例外として▲2点とします。

チェック7:周辺に大型商業施設があること→1点

生活利便施設は物件周辺にあるので不満はないでしょう。ただ資産価値向上につながる大型商業施設はありません。

新小岩駅周辺は地権者の力が強力なので大型商業施設の建設は不可能な土地です。新小岩駅は総武快速線が停車する駅の中で交通利便性を除けば何もない駅になりそうです。将来性も期待はできないでしょう。

チェック8:地盤など災害に対する危険度→0点

三角州・海岸低地ですから言うまでもありません。地盤を考えると住んではいけない土地です。また大雨による水害も気になる土地でもあります。

(2)間取りチェック

チェック1:アルコーブ・玄関ポーチが確保されている→0点

角部屋でもポーチがない部屋もあります。中住戸は言わずもながです。

チェック2:居住空間に柱が食い込んでいない→2点

モデルルームタイプの間取りはしっかり食い込んでいます。モデルルームで柱の食い込みをアピールしなくてもいいのにと思います。

反対に中住戸は食い込みが少ない間取りもあります。私の候補の間取りには食い込みはありませんので2点とします。

チェック3:パウダールームの入り口はリビングにない→2点

当物件は間取りのパターンが多すぎるので一括の評価はできませんが、私の候補の間取りはリビングインではないです。

チェック4:天井高は確保されているか→0点

いまどき2400mmの天井高です。手を伸ばせば天井に手が届いてしまいます。個人的には駅距離と同じくらい気になる点です。せめて2450mmにできなかったのでしょうか。

2400mmの天井だと圧迫感は相当なものです。モデルルームもこの欠点を隠すために間取り変更して意図的にリビングを広くすることで圧迫感を感じさせないように小細工をしています。残念ながら0点です。

チェック5:二重天井・二重床か→2点

しっかり二重天井・二重床です。その分、天井高が犠牲になっています。

チェック6:ベランダは広いか→2点

ベランダに関しては合格です。中住戸でも一定の広さが確保されています。

チェック7:天井の梁は目立つか→0点

当物件は天井高が2400mmと最低なので少しの梁でも目立ちます。手を伸ばせば天井に手が届きそうなくらいの天井からの下がり天井は厳しいものがあります。

(3)価格チェック

チェック1:坪単価は妥当か→0点

間取りによって坪単価が違いすぎますが、私の候補の部屋の坪単価は210万円です。当物件と同じく南口側にあるジオ新小岩(竣工済・駅徒歩13分)の坪単価は200万円、北口ですが当物件と同じく駅徒歩17分の新小岩パークフロントの坪単価は190万円です。贔屓目に見ても0点です。

チェック2:駅距離単価が妥当か→0点

坪単価の時点でジオ新小岩と新小岩パークフロントより劣るのですから論じる必要はないでしょう。

チェック3:価格の下落率は低いか→0点

築年数 0年 駅距離単価60万円 下落率 0% 価格4400万円
築年数 7年 駅距離単価44万円 下落率27% 価格3200万円
築年数16年 駅距離単価38万円 下落率37% 価格2800万円
築年数20年 駅距離単価27万円 下落率55% 価格2000万円
築年数42年 駅距離単価10万円 下落率83% 価格  750万円

上記が計算結果です。新小岩駅周辺はマンションがたくさんあるので当物件と同じ駅から遠い類似物件での試算が正確に可能です。年間87万円ずつ下落していく結果ですので典型的な近郊物件の動きです。

もちろん当物件は15年以内に売却する場合は残債割れの可能性が濃厚ですので購入するには相当な覚悟が必要となります。中古で購入しても残債割れのリスクが残るのでかなりリスクの高い物件だと判断できます。

チェック4:管理費・修繕費は妥当か→1点

管理費は220円/㎡です。スケールのわりに高いです。基準値の200円/㎡と比較すると少し割高です。これはシャトルバスやたからの水など無駄な共用施設の影響だと推測できます。修繕費は管理組合次第ですがこのスケールであれば高くなることはないでしょう。

チェック5:周辺賃料より月々の支払いが安いか→0点

購入した場合

支払額      13 万円
管理費修繕費     3 万円(35年の平均)
固定資産税      2 万円(月割)
諸経費          1 万円(35年の月割)
ローン控除     ▲0.7 万円
35年後の価値▲3.2万円(月割)
====================
合           計     15.1 万円

賃貸した場合

家賃      13 万円
諸経費         1 万円(敷礼金・更新料・保険料等を35年の月割)
====================
合           計   14 万円

候補の部屋をMUFGの35年固定金利1.22%で計算するとこのような結果になりました。MUFGの35年固定は団信込なので現状では新規で住宅ローンを借りるのであれば最有力候補です。

駅徒歩17分程度の賃貸相場は70㎡以上の部屋でも明らかに安いので賃貸のほうがお得です。ましてや当物件は20年近く残債割れリスクを抱えますのでなおさら賃貸のほうがよいです。

チェック6:個人的な価値観を満たすか→1点

個人的には「近所に個人経営の美味い店がある」「職場までドアtoドアで60分以下」」「リビングの窓が大きい」の3つです。

(4)結果

(1)周辺情報  3/16点
(2)間取り   8/14点
(3)価格    2/12点
===============
合計 13/42点 → 100点満点換算で31点

上記が得点結果です。残念な結果ですが駅距離や環境を考えると妥当な点数だと思います。間取りに関して言えば天井高が低いこと以外は悪くはないので残念です。デベロッパーであるタカラレーベンもこんなことは十二分に承知しているようで販売方法に苦労のあとが見えます。

(5)総評

新小岩駅周辺は安くて美味い個人経営のお店がたくさんあって個人的には魅力的な街です。ふらっと入った居酒屋で隣席の知らない人と何時間も語り合い、そのまま一緒にはしご酒ができる街は滅多にありません。立石や業平橋、小岩も好きです。

また幼少期から総武線沿線はよく遊びに来ていて思い入れのある街でもあります。前向きな表現を使うなら古き良き昭和の雰囲気を残した街です。しかし古き悪しき昭和の雰囲気も残した街でもあります。

そんな独特の魅力を持つ街に住むとしても私が当物件を選ぶことはありません。もし私が新小岩に住むのであれば北口で駅徒歩5分圏内のマンションにします。よくあることですが新小岩駅も北口と南口で大きく雰囲気が異なるからです。

新小岩周辺の新築マンションは竣工後も販売が続く傾向にあります。当物件もほぼ間違いなく竣工後も販売は続くでしょう。どうしても当物件を検討するのであれば竣工後に実際の部屋を見て品質を確認し、できるだけ広い部屋をたっぷりサービスしてもらって購入するのが良いでしょう。竣工後に冷やかしで再訪してサービスの具合を見てきたいと思います。

本日の終わりに

お疲れ様でした。個人の感想ではありますがこの記事がマンション探しをされている方の参考になれたならこれ以上の喜びはありません。

もちろんマンション選びに正解はありませんので最終的にはご自身の判断を大切にしてください。

そして当物件を真剣に検討されている方はぜひプロにご相談いただき、当物件の客観的な本当の価値をご確認ください。くれぐれも私の感想を真に受けないようにお願いします。

それでは今日はここまで。最後までお読みいただき本当にありがとうございました!!

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追記(16.10.23)

最近の新築マンションの販売不振を象徴するかのように当物件の販売は苦戦しているようです。詳しくは書きませんが諸々の状況から推測すると、どうやら竣工を待たずに値引きを期待できるかもしれません。

しかし当物件は間違いなく竣工後も販売が続く苦戦必至の物件です。多少の値引きに満足せず坪170万円以下の妥当な価格まで値切るべきでしょう。