第3章:都心マンション攻防戦

はじめに

大変、大変長らくお待たせしました。別名、愚痴カテゴリである「マンション購入奮闘記」のセカンドシーズンの続きです。仕事もプライベートも手加減なしで忙しくブログの更新が滞っています。。。。

さて、第1章ではブログ開設の真相とブログ運営の大変さを中心に、そして買ってもいいかもしれない新築マンションに出会うまでを書きました。また最後にそう易々とは新築マンションが購入できないことを匂わせつつ終了しました。

次の第2章では中の人からの情報を参考に要望書を提出したにも関わらず、売り手側の都合で他人に販売されて購入できなかったところまでを書きました。今回はその続きとなります。

物件との出会い

抜群の立地

第2章で登場した買えなかったマンションの要望書を出す時期と同じ頃だったでしょうか。読者の方からのレビューの依頼を受け、物件HPで物件概要を確認していた際にふと目に飛び込んできた物件こそが最終的に購入することになる今回の都心マンションです。

出来立てホヤホヤの物件HPを見た第一印象は「いい立地だ、ここに住んだら毎日が楽しくなるな」でした。山手線内側ですから当然といえば当然なのですが、とにかく抜群の立地です。

交通利便性、周辺環境、子育て環境など何をもって素晴らしい立地とするかは人によりますが、○○○好きな私にとってはこの上ない立地です。普段から訪れるたびに心洗われていたあの土地にマンションが建設されるのです。

そして魅力たっぷりの物件住所にも目が釘付けとなりました。住みたい街ランキングの常連であり日本全国で通用する住所なのです。書類に住所を書く時に○区○○○と書く自分を想像すると自然と顔がほころんでしまいます。郊外の狭い地域でしか通用しないプチブランドな住所とは訳が違います。ラグジュアリーな住所なのです。

どうせお高いんでしょ?

しかし当然のごとく価格は未発表です。マンション価格が高騰しているこの時期に山手線内側の都心部で大手デベロッパーが手がける新築マンションがお手頃価格で提供されるわけがありません。

どうせ手の届かない価格なのですから検討するだけ時間の無駄です。物件の存在を早々に頭の中から消し去り、現実的な選択として要望書を出したマンションの購入に突き進むことを決めたのです。

再スタート

しかし、第2章で書いたように現実的な選択だったマンションは購入することができませんでした。そして偶然ではありますが、ちょうどそんな時期にこの都心マンションのモデルルームがオープンするのです。

モデルルーム訪問

オープン初日の午前中

確かモデルルームの公式オープン初日に訪問したはずです。そしてこの初日訪問という先走った行為が後々のケチのつけ始めでもあります。理由は後述しますがモデルルームはオープン直後に訪問してはいけません

担当はもちろん若い女性の営業マン

読者の方からのコメントでも指摘がありましたが、独身男性がモデルルームに行くと若手の女性営業が担当するというジンクス(私だけ?)は今回も健在でした。垢抜けなさが隠せない若手女性営業マンMさんが初々しく挨拶してくるのを前に、「ああデベロッパーから買う気がない客だと思われてるな」と感じたものです。そしてこの若手営業が担当についたこともまたケチのつけ始めでもあります。

室内設備の仕様は高い

「街の説明は不要。シアターも不要。間取りと室内設備の仕様と価格だけを見せてくれれば十分。」という単刀直入な要望に応えて担当営業のMさんが早々にパンフレットを見せてくれました。

パンフレットで室内設備のレベルを確認してすぐに「さすがは都心物件」と納得しました。モデルルームでも室内設備を確認しましたが問題ありません。前回の要望書を提出して購入できなかったタワーマンションも室内設備は上等でしたが、それを上回っています。

別に、蛇口がグローエ製でも、廊下・洗面所・トイレの床がタイルでも、寝室にも床暖房がついていても、キッチン・洗面台・トレイの天板が天然石でも、キッチンにも洗面所にも統一感のある棚が最初から付いていても、窓ガラスがLow-Eガラスでも、生活の質が向上する訳ではありません。追加料金を支払えばオプションで追加可能であり物件の良さを保証するものではないのです。

しかし、これだけの設備を用意できるということは、間取りや躯体などのオプションでは対応できない部分にもしっかりとコストが割かれていることが予想できます。亀戸のスナックでたまに会う不動産会社の役員さん曰く「マンションのコストダウンは室内設備から始まる。その次は間取り、最後は躯体だ。」とのこと。

要するに真っ先に品質が落とされる室内設備が充実しているということは、最終的にマンションの品質が一定程度は確保されると推測できるということです。もちろん酒の席での酔っ払いの発言を信じられるのならではありますが、私はこの役員さんを信じることにしました。

間取りも良い

室内設備に続いて間取りを確認します。柱の食い込みが目立つ以外は特に問題はありません。正直なところ柱の食い込みと天井の梁は気にならないと言えば嘘になります。しかし当ブログで公開している条件のほとんどをクリアしており悩ましいところです。都心で完璧な間取りを買うにはプロ野球選手並みの年収が必要ですからこの点は妥協するしかありません。

ちなみに内覧会の時にやっぱり柱と梁は気になってしまうのですがそれはまだ先のお話です。ただ、平面の間取り図だけで部屋を選ぶことの難しさは想像以上であることは先に述べさせてください。モデルルームとのあまりのギャップに内覧会後に奥さんの機嫌が悪くなってしまったという話は笑い話ではないのです。

>> 理想の間取りについてのはこちらをお読みください。

部屋選びで失敗しないためのポイント(前編:間取り)

2016.10.05

部屋選びで失敗しないためのポイント(中編:階数)

2016.11.03

部屋選びで失敗しないためのポイント(後編:方角)

2016.11.30

狂った価格

室内設備も間取りも合格です。立地も抜群ですから「要望書を提出したのに買えなかったのはこのマンションに出会うための運命のプロセスだったに違いない。これはもう買うしかない。」と早くも買う気満々になりました。

しかし、そんな舞い上がった気持ちも目の前に差し出された価格表によって無残にも打ち砕かれるのです。その衝撃はハンマー投げの室伏広治のような圧倒的なパワーとスピードで殴られたかのようです。目の前に並んだ坪単価様の神々しさはまさに金メダル級です。もはや庶民が検討していいレベルではありません。

当ブログでもたまに坪単価400万円程度のマンションをレビューしますが坪単価400万円程度で震えていた自分を恥じたほどです。坪単価400万円なんてものは離乳食でしかなかったのです。「狂ってる・・・」なんとか絞り出した一言がこれでした。

それでも高い価値

しかし、自分の基準と比較して狂っていると感じた価格でも、世間の基準では常識なのかもしれません。要するに価格は高いが価値も高いということであれば問題ない、とも言えなくはないのです。

そして、このマンションに関しては資産価値(残債割れリスクと周辺の家賃相場)が驚くほど絶妙なバランスで設定されていたのです。このマンションは「価格は高いけれど、価値も高い」マンションだったのです。

得点は90点

そしてモデルルームの商談エリアでこっそり当ブログの評価軸を使って総合評価をした結果、得点は90点になりました。

柱の食い込みこそ残念ですが、資産価値は合格です。それに周辺の圧倒的な賃貸需要の高さは安心材料です。どんなに人口が減少しても賃貸需要が衰えることはない街であり、いつまでも保有する価値のある立地です。

さらに残債割れリスクも10年住めば回避できます。さすがに価格が高すぎるので買ってすぐに売却したら残債割れはしますが、最近マンションを購入する人は誰もがこのリスクは抱えるものです。何よりも私はこの街に住みたいのです。

>> レビューで使っている評価軸はこちら

【最新版】初心者が自宅でできる良質なマンションの見分け方

2017.09.17

法人割引は欠かせない

買う気になったのなら、今後の商談に向けて布石を打つ必要があります。まずは勤先で発行してもらった紹介状の提出です。当物件の公式HPを見た段階で価格次第では買うつもりだったので事前に紹介状を手配しておいたのです。

たった0.5%の割引ですが物件価格が5,000万円でも25万円、1億円だと50万円が諸経費から割引されるのですから使わない理由がありません。ちなみに物件価格から直接割引しないのは住宅ローンを使用した場合に支払い総額が減ってしまうため、諸費用から減額するそうです。

なおデベロッパーと直接関係がある企業に務めている場合は3%の割引もあるようです。その他にも法人割引だけでなくリロクラブなどの福利厚生制度でも割引が適用される紹介状が発行可能です。この法人割引は多くの人が使える特典ですから新築マンションを購入する際は是非ともチェックしてみてください。

手付金は100万円

次は手付金の話です。読者の方から「手付金の減額は商談のどの段階で切り出すのがよいか」とのご質問を多数いただきます。今回の私の場合はモデルルームの初回訪問時に早々に伝えました

しかも100万円という物件価格の1%程度というとんでもない金額で指値をしました。もちろん担当営業のMさん(若葉マーク)は絶句していましたが結局は住宅ローンの審査が通るかどうかなので、営業マンらしく「まずは購入のお気持ちが固まったら改めて相談しましょう」とほとんど無視に近い受け流しをしてくれました。

ほとんどの部屋が1億円を超える都心マンションで手付金を値切るような貧乏人が相手にされるのか大変興味深いところでしたが、この先制ジャブ攻撃が後々効いてきたのです。心理学のアンカー効果のように手付金減額が物件購入の条件になってしまったからです。

なのでまだ購入意思すら固まっていない段階で手付金の減額希望の旨を伝えておくことは有効な作戦の一つだと思います。営業も本気にはしないけれど、意思を伝えている以上、商談が本格化すると無視することができなくなるからです。

>> 手付金の減額方法はこちら

新築マンションの手付金を安くする方法

2017.10.14

住宅ローンは通るのか

心の中で「買いたい」と思うまでに時間はかかりませんでした。残る問題は「住宅ローンの審査が通るのか」ということです。

反対に住宅ローンの審査が通らなければ諦めもつきます。ひとまず一番気に入った2LDKの価格で住宅ローンの事前審査を申し込み、この日のモデルルーム訪問は終了しました。



部屋選び

本命は2LDK

前回の記事でも触れたように再婚することを考えると2LDKの間取りが本命です。2LDKだと住宅ローン控除対象になるのも大きな魅力です。

中でも全部屋の入り口が廊下に面し、キッチンが独立していて、トイレと洗面所とお風呂場の壁が居室に面しておらず、全部屋が南向きという理想的な間取りに心奪われました。

しかし価格表を見るたびに室伏広治がやってきて現実に引き戻されてしまいます。眺めていると吐きそうになってくる価格表はなかなかありません。楽しいはずの部屋選びがため息まじりになるのは本当に切ないものです。

2LDKはフルローンで買えない

モデルルーム訪問から1週間ほどたったある日、住宅ローンの事前審査結果が届きました。予想通り希望の2LDKはフルローンでは購入できないことが判明します。

分かりきっていたことではありますが現実の厳しさをまざまざと見せつけられた形となりました。私の給与所得だけで一定の広さと条件が良い部屋を都心で買おうと考えたこと自体が間違いだったのです。

もちろん頭金を入れれば買えるのですが、頭金を入れるくらいなら金融投資に使いたいので頭金を入れるという選択はありません。あくまで住宅ローンだけで購入できる金額の部屋を選ばなくてはならないのです。

>> 頭金は手元に残すか金融商品に投資するのが正解です。

住宅ローン比較:変動金利と固定金利どっちにする?

2016.03.26

低層階の1LDKが精一杯

事前審査で通知された金額を上限に購入できる部屋を逆算して絞り込む必要があります。嬉しいことに事前審査の金額で購入できる部屋は数えるほどしかありませんでした。低層階の1LDK(非南向き)です。

それでもその価格は1LDKとしては天上界の価格です。郊外のタワーマンションの上層階の角部屋と同等なのです。いくら都心のマンションでもこの価格で1LDKを購入することが正しい行為なのか自信が持てない日々が続きました。

価格変更

やっぱり2LDKが欲しい

暇さえあると無意識のうちに1LDKを購入する正当性を検証する日々が続きます。しかし、どうしても100%の確証が得られません

1LDKだと住宅ローン控除や税金控除がないので、結局のところ10年間の月々の支払額は2LDKと2万円程度しか違わないのです。2万円追加すると2LDKに住めるのであれば、2LDKに住みたくなるのは当然でしょう。

コンサルタントの見解

もはや冷静な判断ができない状況になってきたので、お世話になっている不動産コンサルタントに相談しました。コンサルタントの見解は

「確かに価格は高く、決してお買い得ではない。だが10年後に買値の90%程度で売却できる底堅さもある。餅つき名人さんがこの街に住みたいと強く思うのであれば、資産面でも生活面でも悪くない選択ではないか。」

というものでした。ほとんど私の見立てと同じであったことに胸のつかえが取れたかのように安心しました。

当ブログでも多くの読者の方が私が紹介した不動産コンサルタントに依頼をし納得のいくマンションを購入されていますが、今回の都心の新築マンションを購入してみて「不動産コンサルタントを頼りにせず、自分だけでマンションを決めるのは不可能」との思いをあらためて強くしました。

2017〜18 年は買っていいマンションがほとんどない時代なのですからなおさらです。結果的にではありますがどんなマンションを買っても正解だった2000年代とは違うのです。未開のジャングルを楽しむのならば熟練のレンジャーのガイドが必要です。不動産コンサルタントとはまさに熟練のガイドなのです。

>> 不動産のプロに頼るメリットはたくさんあります。

不動産コンサルタントは頼りになるか?

2015.10.31

要望書の提出

実は記事を読みやすくする都合上、時系列を短縮していますが最初のモデルルーム訪問から数ヶ月が経過しており、その間に何度もモデルルームに行き担当営業のMさんと詳細を詰めてきました。そして上記のコンサルタントの見解が後押しとなり1LDKを購入することを決めめたのです。

そして、ついに要望書の提出時期がやってきます。前回の記事で要望書を出させておきながら、他人に販売するという暴挙を演じられた因縁の要望書です。今回はそのようなことがないことを担当営業のMさんに念入りに確認して初日に要望書を提出しました。

担当営業のMさんの口からは「お守りします」との力強い宣言が飛び出しましたが、心の片隅には未だに2LDKへの未練が残っていました。しかし現実を受け入れなければなりません。2人で1LDKに住む方法を考えるしかないのです。

>> 暴挙の一部始終はこちら

第2章:新築マンションが買えない?

2018.09.02

オプションどうする

要望書の提出と合わせてオプションを決めさせるのは前回のマンションと同じ流れです。ただ前回のマンションに輪をかけて室内設備の充実は凄まじく、選べるオプションも床を天然石にするなど金持ちの道楽みたいなオプションばかりでしたので、今回も後付するとお金がかかるダウンライトだけしかオプションはつけませんでした

実際問題として床を天然石にしても売却時は誰も気づきません。私が前に住んでいた錦糸町のマンションが実は床が天然石だったのです。しかし、私自身も次の買い手の方も全く気づきませんでした。当ブログで何度も指摘しているように、中古検討者が専有部で気にするポイントは「眺望」「日照」「収納」の3点だけです。

強いて言えば、資産価値に直結するとしたら壁紙とフローリングの綺麗さです。つまりオプションは完全な自己満足でしかないということです。売却のことを考えずに浮かれてオプションをつけまくると売却時に後悔することになるでしょう。

2LDKの価格が値下げされている!?

オプションについての打ち合わせをしていた時だったでしょうか。何かの用事で担当者が長時間席を外した瞬間があり、手持ち無沙汰から目の前に積まれていた資料の中から価格表を取り出して眺めていました。要望書が提出された部屋は商談中のマークで隠されていますが、まだまだ部屋が選べる状況です。

「最終的にどのくらい要望書が入るのかな」と無料のミネラルウオーターを飲みながらぼんやりと価格表を眺めていると何か違和感を感じるのです。価格表の右上の日付を見ると1週間前の日付です。

「まさか!?」と瞬時に頭によぎった予感は的中します。欲しかった2LDKの部屋の価格が私の持っている当初の価格表から5%も値下げされていたのです。

担当営業の言い分

あれだけ2LDKが欲しいと言い続け、何度も相談していたのですから担当営業のMさんは私がこの2LDKの部屋が欲しいことを知っているはずです。なのになぜ価格が値下げされたことを教えてくれなかったのでしょうか。

担当営業のMさんにこの値下げについて問い詰めると「確かに予定価格から調整はしましたが、餅つき名人様の与信ではフルローンで購入できる価格ではありませんのでお伝えしませんでした」ともっともらしい返答が返ってきました。

早く言ってよ〜

確かに全くもってその通りですが、株式会社SansanのCMのように「それ、早く言ってよ〜」と思うのは私だけではないはずです。

この値下げで1LDKと2LDKの月々の支払額の差は1万円程度にまで縮まっています。坪単価で比較しても2LDKのお買い得度合いがさらに増しています。つまり誰が見ても2LDKの方が買いの状況なのです。

そんな重要な情報をどうして教えてくれなかったのでしょう。今回、偶然に気づかなければ1LDKで契約まで進んでしまっていたのです。契約後に2LDKが価格調整された事実を聞いたのなら心中穏やかではいられなかったでしょう。

おそらく担当営業のMさんは、1LDKに決めた私が2LDKと悩んで、悩み疲れた果てに1LDKも2LDKも購入しないという判断をするのを恐れたのだと邪推します。要は1LDKで要望書を出させて契約書に押印させて逃げ切る魂胆だったのです。契約さえしてしまえば担当営業のノルマは達成されるからです。新人とはいえ契約ゼロの営業マンに対する風当たりは強いのです。

それにしてもブログの記事でも散々書いてきたのに、前回の要望書の件でもひどい目にあったのに、またしてもモデルルームの営業マンにしてやられたのです。こいつらマジで信用ならない人間です。

こうして冷静に振り返ってみれば分かるのですが、営業マンは買い手の代理人ではなく、売り手の代理人なのです。部屋選びに夢中になっているうちに目の前の営業マンを自分の味方だと錯覚してしまった馬鹿さ加減に怒りが収まりません。モデルルームの営業マンは全員が詐欺師である、そのくらいの用心深さを持たなければならなかったのです。

読者の方は私のこの教訓を生かして、辣腕代理人のスコットボラスのように、国税調査に来た税務署の職員のように、断固たる態度で営業マンに対応することを強くお勧めします。

>> 詐欺師たちの珍言集はこちら。

初心者がモデルルームに行く必要がない6つの理由

2015.11.01

逆転の住宅ローン

ただ現実問題としてフルローンで2LDKを購入することはできないことも忘れてはいません。「頭金入れるか・・・」と方針変更も視野に入れ始めた時、数ヶ月前に実施した住宅ローンの事前審査は最新の源泉徴収票で行っていないことに気づきます。最新の源泉徴収票の年収は前年を上回っているのです。

担当営業のMさんにその旨を伝え、最新の年収でモデルルームの住宅ローンシミュレーターで簡易的に判定すると一部の銀行だとフルローンで2LDKが購入できることが判明します。急いで最新の源泉徴収票を取り寄せ、住宅ローンの事前審査をやり直した結果、ついにフルローンで審査が通ったのです。

無謀ではないのか?

この一連の流れを読んで「借りれる金額と返せる金額は違うだろ。この人、破産確定だな。」と思われた方は正常な判断力をお持ちの方です。ただ私は独身であり、妻も子供もいない寂しさと引き換えに生活コストが異様に低いので実は何とかなったりします。独身な上にミニマリストですからなおさらです。

例えばファミリー世帯のお風呂場の備品の数は相当なものですが、我が家のお風呂場にあるものは石鹸とカミソリとタオルだけです。「え?シャンプーは?」と思う方もいますが短髪であれば石鹸で十分です。スキンケアも石鹸の泡で髭を剃ったら晩酌用のウイスキーで消毒すれば十分です。そんな修行僧みたいな生活をしているので生活費は驚くほど低いのです。

そして、当ブログで公開している早見表でも40代・独身・年収1,000万円・車なしなら9,000万円程度の物件価格であれば返済可能との判定なのです。要するに決して無謀な買い物ではない、ということです。



抽選会そして契約

要望書の変更

初日に要望書を出したことが功を奏しました。まだ残っている2LDKの部屋の中から一番安い部屋を選び、1LDKから2LDKに要望書の変更をその場で行いました。当初のほぼ完璧な間取りの2LDKは諦め、とにかく価格が安い間取りにしました。担当営業のMさんの口から再び「お守りします」との宣言が飛び出しましたが、「その口がよく言うよ」と呆れたことを強く覚えています。詐欺師が「僕を信じて」と言っているようなものです。

これを読んでいる方で新築マンションを初期から検討されている方はお手持ちの価格表が更新されていないか今一度ご確認ください。もしかすると私のように担当営業にはめられている可能性があります。

もちろん担当営業のMさんに悪意はなかったでしょうし、悪事をはたらいたわけでもありません。嘘を言ったわけではなく、ただ黙っていただけなのです。しかし釈然としない気持ちが残ったのも事実です。担当営業は売り手の代理人であることを忘れてはいけません。担当営業は味方ではなく交渉相手なのです。

抽選会

1週間後に早くも抽選会が行われました。一部の部屋は抽選になったのですが、自分の部屋は全くの無風当選となりました。頼りない新米営業マンが唯一取れる契約のために死守してくれたようです。彼女の言った「お守りします」は本当だったのです。

記事が長くなるので端折っていますが、これまでMさんの経験不足ゆえの至らなさに散々苦しめられてきました。呼び出されてモデルルームに行ったら彼女が用意すべき書類に不備があり無駄足に終わったこともありました。またはっきり言って私の方が彼女よりもマンションについて詳しいのです。

しかし、この抽選という最終段階になって若手であることが活きてきたのは不幸中の幸いでした。彼女に華を持たせるために周りのベテランたちが気を使ったのでしょう。(もちろんこれは私の妄想です。実際は営業マンの間でそんな力関係はなく、ただ私の部屋が微妙な部屋だったので抽選にならなかっただけです。)

重要事項説明

抽選結果が出たらすぐに契約です。契約の前に重要事項説明を行うことで顧客の時間を無駄にさせないことを主目的としていると説明を受けましたが、実際は重要事項説明書を事前に渡してしっかりチェックされたら困るから、というのがデベロッパーの本音でしょう。

重要事項説明は契約者を一斉に集めて対応するらしいのですが、スケジュールが合わず担当営業のMさんが個別に対応してくれました。たどたどしい説明と押し寄せる睡魔に耐えて無事に重要事項説明が終了しました。

なお、パークシティLaLa横浜の傾斜問題のほとぼりが冷めない時期だったからでしょう、重要事項説明では杭打ちについて異様なほど丁寧に説明を受けました。実は前の会社の同僚がこのパークシティLaLa横浜に住んでいて色々と興味深い話を聞いていますが、その同僚は「家族の平穏はお金には変えられない」と言い残して建て替えを待たずにさっさと近くの戸建てを購入したのです。

傾斜問題に巻き込まれることで失う時間と平穏の価値がお金に換算できるほどに安いのかということです。同僚は自分と家族の時間と平穏こそが一番価値があることを分かっていたのです。仕事ができる男は違います。仕事ができる男がパークシティLaLa横浜なんて買うか?というツッコミはなしでお願いします。

また、世間では三井不動産レジデンシャルの対応を見て「買うならやっぱり大手が安心ね」などと間抜けなことを言っている人もいますが、「お酒を飲むと私を殴るけど、シラフの時は優しいの」と言っていることとなんら変わりないことを自覚すべきです。

実際、パークシティLaLa横浜の傾斜問題に対して三井の初期対応は「握りつぶし」だったのです。大企業とマンションの管理組合が対決するには膨大な労力がかかります。最終的に保証されたとしても失うものは大きいのです。訴訟を経験した人であれば、訴訟に巻き込まれないことこそが幸せであることを誰もが知っているはずです。

契約

話が脱線したので元に戻します。重要事項説明が終わるや否や流れるように契約手続きに入ります。事前に契約書を入手して不動産コンサルタントにチェックしてもらい内容に問題はありませんでした。これまで散々やられてきたのですっかり不動産関係者不信に陥っているのがよく分かります。

そしてついに判を押す段階になって担当営業のMさんから「手付金はいくらになさいますか?」との一言が飛び出します。そうです手付金の減額は当然のように可能だったのです。

モデルルームの最初の訪問時に100万円と指値していたので「100万円ですよね?」と返答してすんなり手付金は100万円となりましたが、この時に少しゴネてさらに減額を挑戦してみればよかったと今になって少し後悔しています。70万円くらいまでならいけたのかもしれません。

最後に判を押して無事に契約が終了しました。契約の内容で特に気になるところはなかったのですが、興味深かったのはどんなにオプションをつけても手付金放棄だけで解約できるという条項でした。新築マンションを購入するのは初めてなのですが他のデベロッパーだともっと厳しいペナルティがつくようなことを聞いていたので意外に感じたことを覚えています。

マリッジブルー

ついに都心の新築マンションを契約してしまいまし。そして、しばらくの間は月々の支払額を思うたびに「本当に買ってよかったのか」というマリッジブルーのような気持ちになることになるのです。読者の方から契約後の状況で相談をいただくことがありますが、気持ちは大変よく分かります。とにかく不安になるのです。

次回予告

さて、セカンドシーズンの第3章はこれにておしまいです。契約後は家具やカーテン、エコカラットなどのインテリアオプションの検討のフェーズがあるのですが、すでに1万文字を超えてしまったので次々回あたりで触れることにします。

このインテリアオプションの担当者が役立たずで、内覧会時にその見識のなさにまたもや「それ、早く言ってよ〜」と叫んでしまうのです。

というわけで次回は1万文字以上の超大作となることが確定している売却編です。このセカンドシーズンのクライマックスと言っていいでしょう。読者の方からも多数のリクエストをいただいているので、売却の苦労とノウハウをカラオケパセラのハニートースト以上の濃厚さでお届けします。

ただ今回の記事ですら1ヶ月以上かかっているので、次回の更新は年末年始休みあたりになるかもしれません。プラウドシティ東雲キャナルマークスのレビューも、SHINTO CITYのレビューも書きたいのですが時間と体力が足りません。気長にお待ちいただければ幸甚です。

それでは今日はここまで。最後までお付き合いいただきありがとうございました!!









18 件のコメント

  • 更新待ってました!お酒を飲みながら楽しく読ませていただきました。餅つきさんの心の声が迫真かつユーモラスで面白かったです。マンション購入記としても大変参考になります。
    次回も楽しみにしてます!

    • いつもブログをご覧いただきありがとうございます。前回の中古マンション購入も苦労しましたが、今回の新築マンション購入も色々とありました。

      単なる一般人のマンション購入記録ではありますが、中古の購入と売却、新築の購入がリアルに網羅された情報はなかなかないユニークなものだとも自負しています。このブログがこれからマンションを購入される方のお役に少しでも立てたらと願う日々です。

      次回もお酒を飲みながら楽しめる記事になると思いますのでアルコール度数高めのお酒を準備しておいてくださいね^^

  • 第3章の上梓お疲れ様でした。

    都心のかなりの高級物件はテンションがあがる!のがよく伝わりました。

    当方は餅つき名人さんから春にコンサルタントをご紹介いただきました。略儀ながら、本コメントにて近況を報告させていただければと思います。
    その後、何件かコンサルタント様に数件の意見を聞きました。しかし、未だに購入物件定まらずといった状況です。
    新築だけでなく中古も含めて、貴ブログの考え方を胸にして探していますが、物件探しの難しさを感じてます。
    資産価値だとタワマンなのでしょうが、ケチなのでタワマンの維持費の高さも気になり出しました。

    餅つきさんのブログで選球眼が養えたことに感謝です。

    今は、引き渡しがかなり遠くなりそうですが晴海フラッグはどうかなあぐらいの感じです。他にはあまり惹かれるものがありません。

    これからもレビュー楽しみにはしております。

    • コメントありがとうございます。1ヶ月半近く更新がなく、ブログのPVはどんどん下がり、読者の方から愛想をつかされている・・・、と焦りつつもちっとも更新できず、いやはや本当にお待たせしました。都心のマンションはやっぱり郊外とは物が違いますから自然とテンションも高くなります。最後に手渡される価格表をみると氷水をぶっかけられて現実に戻るのも慣れてくると快感になります(笑)

      そして物件探しの途中経過のご報告もありがとうございます。マンション探しは上手に妥協する作業ですが、妥協しきれない項目も多く悩ましいところですよね。今回の記事をご覧いただくと私自身もやっぱり妥協しています。柱や梁に目をつぶりましたし、物件固有の書かなかった欠点も妥協しています。

      タワマンの修繕費は長期修繕計画を見ると驚きますよね。修繕費が低いマンションをお探しでしたら、やはり中古になるかと思います。最初の大規模修繕を終えて財務体質が健全な管理組合のマンションを購入すれば修繕費はそれほど値上がりしないことが多いです。築20年を越えるとその精度はさらに高まります。進捗がありましたらまたご連絡くださいね!!

  • レビューありがとうございますー手付金!減額可能だったんですよね!
    今週モデルルームにはじめて行く予定だが、手付金が10%が普通だと聞いて心配していました。
    本当にいい情報!助かりました。

    • ブログをご覧いただきありがとうございます。住宅ローンの審査が通るなら、手付金は基本的には減額可能です。ただ大人気物件は不可能な場合もありますし、担当者次第のところもあります。読者の方からの報告でも、同じマンションでも手付金の減額が認められた方もいれば、認められなかった方もいます。交渉の巧拙も多少は影響するかもしれません。

      モデルルームに初めて訪問するとのことなので、まさに鴨が葱をしょって来る状態ですから当ブログを入念にお読みいただき「営業マンは詐欺師である」という事実を忘れずに臨んでください。何か気になることがあったら遠慮なくご連絡ください。室伏広治に負けないパワーで現実に引き戻して差し上げます(笑)また遊びにいらしてくれたら嬉しいです^^

  • 待ちに待った更新!2度読みしちゃいました(1度目は先を急いで読んでしまい、2度目は落ち着いて)。
    かなりの力作にして、臨場感があり、とても面白かったです!!

    あまりに面白いので、1万文字overを1回分でエイヤ!ももったいないって思ってしまいました汗。

    首を長くして売却編を楽しみにしております!!!

    • 1万文字以上の記事を2度もお読みいただき感激です。疾走感溢れる臨場感(?)はマンション購入奮闘記の魅力のひとつですのでしっかり読者の方に伝わっていて安心しました。記事の分割はたまに考えもするのですが、自分が読者として読むと物足りないので記事の分割にはまだ踏み切れません。

      ブログとしては短い記事でも定期的に更新した方が人気が出るのは分かっているのですが、作家としてのプライドが邪魔してしまいます(笑)似たような記事を繰り返してるだけのブログにはしたくないのです。

      今回、久しぶりに記事を更新したらたくさんのコメントをいただきまして気を良くしています。売却編の構成を練っているところですが前編・後編の超大作になるかもしれません。ぜひ楽しみにしていてくださいね^^

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