ご挨拶
こんにちは、餅つき名人です!!
妻の実家の近くに中古マンションを購入した挙句に離婚してしまいました。当然のごとく元妻の実家の近くに住み続けるのは嫌でした。しかし住めば都という言葉は真実だったらしく、しばらく暮らすうちに馴染みの店や知り合いができ、いまではすっかりこの街に馴染んでこの街に愛着がわいています。
そんな状況なので住み替えのハードルは以前よりも高くなっています。しかし今住んでいるマンションと街を越える物件を探す旅を止めるつもりはありません。当ブログのマンション購入ノウハウ集のノウハウを活用して新築マンションを評価し、魅力的な分譲マンションが見つかったら住み替えをしたいと思っています。
評価は各項目で0~2を付与し100点満点換算で判断します。現在住んでいるマンションが83点なのでそれを超えるマンションを探しています。この83点を超えるのであれば分譲でも賃貸でもOKです。
前述の通りこの最新マンションレビューは私が現在のマンションから住み替えたいかという個人の趣味嗜好を基準としています。勘違いや誤解や決めつけのままに書き散らしていきますので、道端で拾った他人の日記を覗き見るようなゆるい気持ちでお読みください。
それではしばらくの間よろしくお付き合いください。
>> レビューの評価軸はこちらをご覧ください。
本日の物件
本日の物件は「ザガーデンズ東京王子」です。「都心派家族たちのくらしが、変わりはじめる」という大げさすぎるキャッチコピーが冠されていますが東京都限定で新築マンションを探している一般家庭とっては第一候補になる2016年度下半期で最も熱い物件です。
北区の物件は私が住んでいる総武線沿線と同様に交通利便性と価格のバランスが良い物件が多いので買い替え対象になるのでは期待しています。既に第1期が販売開始となっていますがまだまだ選べる部屋があるようですので、さっそくチェックしてみたいと思います。
>> モデルルームに行く前にこちらをお読みください。
1)周辺情報チェック
チェック1:最寄り駅に魅力はあるか→2点
最寄り駅はJR京浜東北線「東十条」駅です。またJR埼京線「十条」駅や東京メトロ南北線「王子神谷」駅も使えて交通利便性はかなり良いです。山手線の主要駅の全てに30分程度で到着できます。
治安は北区ですから気にはなる人もいるかもしれませんが、気にする必要はありません。高齢化で活気がなくなっているので治安は悪くないです。
街の成熟度と多様性についてです。構成する重要なパーツである個人経営の個性的なお店はそこそこあります。効率一辺倒の無機質なチェーン店が並んだ街ではありません。庶民的なお店しかないのでバリエーション豊かとまでは行きませんが普段使いで困ることはないでしょう。
交通利便性は良い、治安は悪くない、成熟して多様性のある街、以上を総合的に判断して2点とします。
チェック2:駅徒歩時間は本当で妥当→0点
東十条駅から徒歩5分の表記ですがそれは南口までの時間です。活気ある北口には9分強かかります。後述もしますが南口の坂を回避せざるを得ない場合があることには注意が必要です。
また当物件は総戸数864戸の大規模マンションなので敷地内の移動時間を加味する必要があります。少な目に設置されているエレベーターの待ち時間や敷地内の移動時間を考慮すると+3~5分は見る必要があるでしょう。
敷地を出るまで3~5分、駅まで5~9分、と駅までの時間が合計10分程度なのは微妙と言わざるを得ません。
チェック3:周辺に空き地やコインパーキングがない→2点
東側に巨大な団地があります。ただお見合いにならないようにきちんと配棟されているので気になって仕方がないという状況にはならないでしょう。もちろん気にならないということではありません。過大な期待をしなければ我慢ができるという話です。
また周辺には巨大なマンションが建つような空き地はありません。目の前にタワーマンションが建設されるリスクはさそうです。
チェック4:周辺に嫌悪施設がない→2点
物件周辺にはなにもありません。しいて言えば小学校と保育園の騒音ですが病的に神経質な人以外は気にする必要はないでしょう。
なお当物件は敷地内にスーパーマーケットがあります。個人的にはスーパーマーケットが近くにあるのはマイナスポイントです。商業施設が傍にあると騒音・マナーの悪い客・臭いなどメリットよりもデメリットが多いのは何度も指摘しています。
ただ住居棟とスーパーマーケットはかなり距離が離れていますのでそれほど気にする必要はなさそうです。
チェック5:周辺道路は広く、駅までの道が安全→0点
東十条駅南口までの道の大半は歩道と車道が分離されていません。自転車の往来も考慮すると安全とはいいがたい状況です。
また南口直前の坂はかなりの急こう配なのが気になります。当物件の購入層はファミリー層がほとんどだと思いますが、この坂を子供を抱えて進むのは骨が折れるはずです。ベビーカーを押して上るのも大変ですし、反対に下りの時は支えるのに神経を使うでしょう。
永住目的であるなら年を取って足腰が弱くなった時もこの坂は鬼門になるはずです。私がお世話になっているご近所の老夫婦は子供の誘いもあり城東地区から坂の多い城西地区に引っ越したのですが坂の上り下りに難儀してまた城東地区に戻ってきています。若いうちはなんとも思わない坂でも年寄りにはきついのです。
北口でランチを食べた際に初老の客に南口の坂について質問してみました。その返答は「年寄りは北口しか使わないよ」とのことでした。自身の年齢によっては南口が常用できないことは気に留めておくべきでしょう。坂を甘く見てはいけません。
チェック6:歩いている人の服装と歩きタバコ率→1点
北区ですから他の地域からの検討者の淡い期待を裏切ってくれることは想像に難くありません。救いは総武線沿いのヤンキー文化とは異なりおっさん文化なので意外におとなしい点でしょうか。
もちろんおとなしいの基準は総武線沿線と比較しての話ではあります。駅前や横路地にはタバコの吸い殻が散乱しており物件周辺の道路でも路上喫煙の紳士をお見掛けしました。
なお現地を歩いて気になったのはタバコでも住民の服装でもなく体型でした。妙に肥満体の住民が多いのです。病気ならしかたありませんが肥満は日々の生活習慣の結果です。肥満になる生活習慣の住民が住む街に自分が住みたいかということは考える必要があります。
また街の雰囲気がよく言えば穏や、素直に言えば活気がない印象を受けました。北区は高齢者が極端に多い区なので当然といえば当然なのですが、それにしても街に元気がありません。
ただ上記の欠点は裏を返せば静かで穏やかであることでもあります。物件周辺を歩けば分かりますが東京駅まで20分程度の交通利便性からは想像できないほど田舎っぽく静かです。出張が多い方や旅行好きの方には伝わるもしれませんが地方都市に似た雰囲気です。夏休み遊びに行くばあちゃんの住む街そのものです。
チェック7:周辺に大型商業施設があること→2点
敷地内にスーパーマーケットがあるので十分です。当物件の交通利便性であれば周辺にAEONやイトーヨーカドーのような安っぽい商業施設は不要でしょう。電車に乗って丸の内でも新宿にでも行けばよいのです。
チェック8:地盤など災害に対する危険度→1点
後背湿地系のようであまり強い地盤ではないようです。湾岸や城東地区と比較すればまともでしょうが練馬区あたりと比較すると少々不安のある地盤です。
(2)間取りチェック
チェック1:アルコーブ・玄関ポーチが確保されている→2点
長谷工色の強い物件ですがしっかりとアルコーブが確保されています。素晴らしいです。
チェック2:居住空間に柱が食い込んでいない→2点
これまた素晴らしいです。反対に長谷工もやればできるのに普段は顧客よりもコストダウンを優先しているということの証明でもあります。
チェック3:パウダールームの入り口はリビングにない→0点
多くの部屋でパウダールームの入り口がリビングにあります。この点はやはり長谷工という品質です。
チェック4:天井高は確保されているか→2点
天井高は2500~2600mmと幅があります。2500mmだと1点、2600mmだと2点ですが、後述のフラットな天井を加味すると2点でよいと思います。
チェック5:二重天井・二重床か→0点
残念ながら直床です。直床の採用はコストダウンが目的なのは間違いありません。
チェック6:ベランダは広いか→2点
多くの部屋のベランダが12㎡以上確保されています。当物件のベランダは総じて十二分な広さがありベランダにベンチを置いて夜風にあたりながら美味い酒が飲めそうです。部屋によっては桜の花見も楽しめるのは魅力的です。
桜なんて365日のうち7日くらいしか楽しめないのだから物件の評価に影響はないという考え方もあるでしょう。私もそういう考え方を持つ無粋な人間ですが桜は別格です。ベランダからも部屋からも四季が感じられるのは最高です。
チェック7:天井の梁は目立たないか→2点
モデルルームを見学した人はこの見事なフラットな天井に感心するはずです。2.2mのハイサッシ窓と完全アウトフレームされた柱のおかげで圧迫感は全くありません。ミスター味っ子のようにブラボーと叫びたいほどに開放的な居住空間です。
(3)価格チェック
チェック1:坪単価は妥当か→1点
候補の部屋(西向き・角部屋・75㎡)の坪単価は270万円程度です。ライバル物件はすぐ隣にあるザ・パークハウス 東十条フレシアでしょうか。当時の角部屋の分譲価格が坪単価240万円程度ですから10%ほど割高です。
これを10%も高いと判断するか、10%程度で収まっていると判断するかは難しいところです。個人的には昨今の建築費の高さを考えれば後者であり、望ましくはないがやむを得ないと判断します。
チェック2:駅距離単価が妥当か→2点
当物件の駅距離単価は坪単価270万円×(5/60分)=22.5万円です。ザ・パークハウス 東十条フレシアが坪単価240万円×(7/60分)=28万円ですから駅距離を考慮すると妥当な価格と判断できそうです。
ただ当物件の敷地の広さとエレベーター待ちを考慮するとこの比較が妥当かは少し眉唾で考えた方がよさそうです。
チェック3:価格の下落率は低いか→1点
築年数 0年 270万円 下落率 0% 価格6100万円
築年数 5年 240万円 下落率11% 価格5430万円
築年数10年 216万円 下落率20% 価格4880万円
築年数15年 189万円 下落率30% 価格4270万円
築年数35年 116万円 下落率57% 価格2600万円
東十条は中古データが少ないのですが概して年間100万円ずつ下落していく物件だといえます。典型的な近郊物件の値動きですが、不動産価格が高騰している現在でこの状況であることには注意が必要です。不動産価格の下落が始まった場合はもう少し下落幅は大きくなるはずです。
また当初の10年間は残債割れが濃厚です。特に当初5年間で11%の値下がりはキツイです。ただ10年目以降は残債割れのリスクがない優良物件に変身しますので判断に迷うところではあります。ここは10年間は住み続けられることを条件に1点とします。
>> 無理のない予算を知りたい方はこちらをどうぞ。
チェック4:管理費・修繕費は妥当か→1点
インターネット代や給湯器リース料など込々で管理費は224円/㎡です。基準値の200円/㎡と比較すると少々高めな単価です。総戸数が800戸を超えるスケールメリットが生かされているとはいえません。
修繕費は戸数の多ささを考えると㎡単価は100円台で収まりそうだと思うのですが、当初計画だと㎡単価200円を越えてきそうです。スケールメリットとは無縁のようです。
長谷工のマンションは刑務所と揶揄されるほどに味気ない退屈なマンションですがその反面、管理費・修繕費の安さがメリットです。しかし当物件はそのメリットはありません。管理費・修繕費は管理組合次第ではあるのですがやる気のない管理組合だと改善は期待できませんので現状では1点とします。
チェック5:周辺賃料より月々の支払いが安いか→2点
購入した場合
支払額 17.5 万円
管理費修繕費 3.2 万円(35年の平均)
固定資産税 1.5 万円(月割)
諸経費 1.0 万円(月割)
ローン控除 ▲1.0 万円(月割)
35年後の価値▲6.2 万円(月割)
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合 計 16.0 万円
賃貸した場合
家賃 19.0 万円(徒歩5分・築9年・61㎡→75㎡換算)
諸経費 1.0 万円(敷礼金・更新料・保険料等を35年の月割)
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合 計 20.0 万円
候補の部屋をMUFGの35年固定金利1.09%で計算するとこのような結果になりました。結果は購入したほうがお得です。
また東十条で70㎡強の角部屋に住みたいのであれば当物件を購入するしかありません。東十条は分譲も賃貸も物件が少ないので間取りや眺望を選べる当物件の価値はなおさら高くなります。
>> マンションを購入しないという選択もあります。
>> 金利は固定金利の方が安心です。
>> 手付金は満額払ってはいけません。
チェック6:個人的な価値観を満たすか→1点
個人的な評価ポイントは「近所に個人経営の美味い店がある」「職場までドアtoドアで60分以下」」「リビングの窓が大きい」「田の字の間取りではない」「最新の設備」の5つです。
多くの項目で合格なのですが最後の最新設備については不満があります。当物件は設備の部分でコストダウンを図っておりオプションを付けない場合、新築マンションとは思えないほど貧相な設備で生活することになります。
この点はとても気になっています。新築プレミアが上乗せされた価格にさらにオプション費用が必要となると取得価格が上昇し資産価値の点でさらに不利になりますから大きなマイナス点だと感じます。
(4)結果
(1)周辺環境 10/16点
(2)間取り 10/14点
(3)価格 8/12点
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合 計 29/42点 → 100点満点換算で67点
上記が得点結果です。3項目でバランスよく加点されましたがあと一歩が足りないと感じました。モデルルームの人出からも相当な人気物件と思われますが、こうして冷静に評価をしてみると素晴らしい物件というより悪くはない物件という評価に落ち着きそうです。
(5)総評
現地を歩いてみて東十条駅は私が利用している総武線で例えると新小岩駅の交通利便性と平井駅の地味さを備えた駅だと感じました。そして、もし総武線沿線の住民に新小岩か平井で6000万円のマンションを買いますか?と質問したらほぼ全員が「ありえない」と答えるでしょう。
私も同意見です。ゆえに東十条駅のマンションに6000万円も出して新築マンションを購入する気にはなれません。2.2mのハイサッシやフラットな天井は素晴らしいですがそれでも価格がかなり割高です。
また、いま住んでいる部屋が当物件で候補にした角部屋の上位版(サッシ高は同じ、天井高は高い、面積も広い、しかも最上階角部屋)なこともあり、新築であること以外は今のマンションより劣る当物件を残債割れのリスクを抱えてまで購入する理由が見当たらないのです。
反対に当物件が最初の不動産で新築マンションしか興味がないというのであれば多少無理をしてでも購入してもいいと感じました。これから市場に出てくるマンションの多くは当物件と同じように長谷工施工の低仕様な割に価格は高いことが予想されます。
どうせ待っても低仕様で割高な物件しかないのであれば、時間が節約できる分いますぐ購入してしまうほうがいいと思います。幸いにも前述のとおり当物件は素晴らしい物件ではありませんが悪くはない物件なので大やけどをすることはありません。ただしすり傷程度の損失はあるかもしれません。
個人的には当物件を買える予算があるのであれば広さと新築へのこだわりを捨てて、さらに東十条よりも都心寄りの物件にしたほうがいいと感じます。それでも交通利便性・広さ・価格のバランスが限界ぎりぎりのラインで取れている当物件は早々に完売しそうです。
終わりに
いかがでしたか?素人の独り言ではありますが、この記事がマンション探しをされている方の参考になれたならこれ以上の喜びはありません。
もちろんマンション選びに正解はありませんので、もし当物件を真剣に検討されている方はプロにご相談いただき当物件の客観的な本当の価値をご確認ください。プロが評価すると当物件は100点満点の最高の物件の可能性があるからです。
それでは今日はここまで、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!!
坂はきついですよね。左内町に物件借りてますが、(トランクルーム)そこにつくまででいやになります。やっぱフラットがいいですね。次の住宅ローンはフラット35s。いまのマンションを去る理由は、マンションから改札口につくまでの階段がきついからも大きかったです。
坂は年齢が上になればなるほど辛いと聞きます。坂がない城東の駅近マンションが高齢者に人気なのも納得がいきます。