部屋選びで失敗しないためのポイント(前編:間取り)

シティタワー武蔵小杉の公式HPより
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本日のご挨拶

こんにちは、餅つき名人です。

当たり前の話ですがマンションを購入すると決めた次は部屋を決めることになります。マンション一棟をまるごと購入する人はほとんどいないはずです。

ところがこのひとつだけ部屋を決めるという行為は想像以上に難しいと私は感じています。1棟のマンションにも複数の間取りと階数と方角が組み合わさり相当数の選択肢になるからです。タワーマンションに至っては選ぶのが嫌になるかもしれません。

マンションの資産価値は立地で決まりますが、居住快適性は立地ではなく部屋で決まります。その部屋選びに失敗すると日々ストレスを受け続けることになり、せっかく購入したマンションがストレスの原因になってしまうのです。

そこで今日は数多の選択肢から快適性の高い部屋を選ぶためのポイントを列挙してみます。そして快適性の高さを追求していくと各自の理想の部屋の形が見えてきます。

なお記事が長くなりそうなので前編と後編に分けて記事にします。前編は間取りについて、後編は階数と方角についてです。間取りについては以前に記事にしていますが今回の記事はさらに細かく掘り下げた記事になります。以前の記事と合わせてチェック項目として活用いただければ幸いです。

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事例をご覧ください

これから下記の2つの間取りを見比べながら話を進めていきます。

両方の間取りとも過去にレビューをした物件です。前者(A)は過去最低点を記録した伝説のマンション「グランセンス越谷レイクタウン」、後者(B)は間取りの項目ではじめて満点を記録した「シティタワー武蔵小杉」です。

(A)残念な間取り

グランセンス越谷レイクタウンの公式HPより

グランセンス越谷レイクタウンの公式HPより

(B)望ましい間取り

シティタワー武蔵小杉の公式HPより

シティタワー武蔵小杉の公式HPより

1.避けるべき間取り

①共用廊下に部屋が面している

まず(A)の間取りでは共用廊下に部屋が面しているのに注目です。反対に(B)の間取りでは共用廊下に面した部屋はありません。

共用廊下はその名の通り共用部分ですので不特定多数が往来することになり共用廊下に面した部屋にいると常に人の気配を感じることになり落ち着くことができません。

また共用廊下側に窓があるため外から部屋の中が伺いしれてしまうことがあるのも問題です。見るつもりはないのに他人の部屋の状況が見えてしまった経験はマンションに住んでいる方であれば一度や二度はあるでしょう。

つまり共用廊下に面している部屋はプライバシーが確保されないのです。もちろん人の気配を感じない図太い神経をお持ちであったり、夫婦や我が子のプライバシーを他人に見せることに快感を感じる人であれば気にすることはありません。

しかし多くの人にとってはプライバシーは絶対に確保したい重要な項目だと思います。コンシェルジュが部屋を特定して侵入するように、巷で発生しているマンション内の犯罪例を見れば自分と家族のプライバシーの確保は絶対条件だと考えています。

また共用廊下に面した部屋は様々な音に悩まされる場合があります。子供の声、ハイヒールの音、配達のカートの音、奥様の立ち話、来訪者の声、ペットの鳴き声など様々な音が部屋の中に入ってきます。

マンションコミュニティの住民板を覗くと共用廊下の騒音についての「こんなはずではなかった。。。」という苦痛と怒りに満ちた書き込みであふれています。共用廊下の騒音について甘く見てはいけません。

共用廊下のあまりの騒音に耐えかねた友人は共用廊下に面した部屋ではノイズキャンセリング機能がついたヘッドホンをして生活しているほどなのです。

もちろん人の気配も部屋の中を覗かれることも騒音も窓とカーテンとルーバー面格子を閉めれば気にならなくなるかもしれません。しかしその代償として日光と風という快適な生活には欠かせないアイテムを失うことになるので根本的な解決策になっていません。

そもそもルーバー面格子ではなく単なる格子であれば遮音にも限界があります。そして日光も風も入らない部屋は江戸時代の牢屋そのものです。娑婆の人間が住む部屋ではありません。

その気になれば牢屋(留置所)にはいつでも無料で住むことができるのです。何千万円という大金を払うのなら牢屋ではなく快適な部屋で暮らしたいと考えるのは私だけではないでしょう。共用廊下に面した部屋がある間取りを選ぶと快適な生活は送れない可能性があるのです。

②部屋が北側にある

①で記述したとおり共用廊下に面した部屋はプライバシーを確保するために窓とカーテンと面格子を閉めると光と風が部屋に入ってきません。

さらに共用廊下に面した部屋が北側にある場合はひどい結露に悩まされる(特に冬)ことがあります。多くのマンションはリビングが南側のため共用廊下は北側に設置されることが多く結露のリスクは多くの人が抱えることになります。

共用廊下が東か西にあっても状況は変わりません。以前に西側に共用廊下がある間取りに住みましたがしっかり結露に悩まされました。光も風も入らず湿気が多い部屋は牢屋以下、ただの洞窟です。

私はコウモリではないので何千万円というお金を払って洞窟に住みたいとは思いません。何度も言いますが共用廊下に面した部屋がある間取りを選ぶと快適な生活は送れない可能性があるのです。できるだけ避けるべき間取りだと思います。

③洗面所の入り口がリビングにある

以前の記事でも触れましたがさらに補足します。リビングに洗面所の入り口を設置するのはコストダウンが目的でデベロッパーの低い意識の象徴ですが、生活するうえで様々な弊害も生じます。一番の弊害はリビングでくつろいでいる最中に不要な人の出入りがあることです。

少し目をつぶって想像してみると分かります。映画、音楽、読書、団らんなどリラックスしつつも集中している最中にガラガラ(扉の音)、バサバサ(バスタオルや洗濯物の音)と騒音をたてながら人が出入りするのです。これではリビングでの安らぎの空間が台無しです。

(A)と(B)の間取りを見比べてみて下さい。

(A)の間取りだと朝の支度、昼の洗濯、夜のお風呂と24時間中でリビングを人が往来します。生活動線をイメージしてみるとリビングが動線で真っ黒になるのが見えてくるはずです。これではリビングルーム(居間)ではなく単なる通用路(廊下)です。

反対に(B)の間取りだとリビングは完全にくつろぎの空間が保たれます。朝の支度、昼の洗濯、夜のお風呂の生活動線をイメージしてみるとリビングを往来する線はキッチンからの動線以外にほとんど存在しません。これこそが本当のリビングルーム(居間)だと感じます。

このように生活動線をイメージすると洗面所の入り口がリビングにあることでリビングの安らぎが破壊されていることがよく分かります。

モデルルームで(A)のような洗面所の入り口について営業マンに質問すると「生活動線がリビングを横切ることで家族が会話をするきっかけになる」と苦しい言い訳をしてきますが、このような世迷言を信じる人はほとんどいないでしょう。この水を飲めば癌が治るというレベルの世迷言です。

家族の会話がはずまないのは間取りの問題ではなく夫婦仲や子育ての問題です。それでは(B)の間取りだと家族の会話がはずまないというのでしょうか?そんなわけがありません。そもそも営業マンですら(A)と(B)の間取りが選べるのであれば多くが(B)を選ぶのです。

洗面所の入り口がリビングにあることで得られるメリットなどないと個人的には思います。

④お風呂・トイレが部屋の隣にある

(A)の間取りのトイレがそうですがお風呂やトイレが部屋に面していると大なり小なり音が漏れてくることがあります。自分の入浴や排せつの音が隣の部屋に漏れることに無頓着な人はほとんどいないはずです。反対にその音を聞かされる方もいい気持ちはしないはずです。

反対に(B)はお風呂とトイレが部屋に面していません。入浴や排せつの音がリビングや寝室に漏れてくることはほとんどないでしょう。どちらが望ましいかは言うまでもないでしょう。

⑤部屋に窓がない

窓がない部屋は単なる物置です。部屋ではありません。サービスルームとか綺麗な単語を用いていますが単なる物置です。何千万円ものお金を出して物置で寝泊まりしたい人はいないはずです。ダイワハウスのCMに出演している竹野内豊は別かもしれませんが。

⑥玄関から廊下が一直線

(A)の間取りは玄関を開けるとリビングまで一気通貫に見渡すことができます。宅配業者をはじめ様々な来訪者に家の中を観察されることになります。他人に家の中をじろじろ見られて気持ちがいいのは露出癖のある人だけです。

反対に(B)の間取りは玄関がクランクしているので玄関から家の中を観察することは不可能です。これもどちらがいいのか言うまでもありません。プライバシーがしっかり守るためにも玄関がクランクしているのは絶対条件です。

⑦バルコニーの戸境壁が薄いボード

(A)と(B)の間取りを見比べるとバルコニーの戸境壁に違いがあります。(A)の間取りは万一の際に隣のバルコニーに避難できるように戸境壁が薄いボードになっています。

そしてこの薄いボードが曲者です。バルコニーの戸境壁が薄いボードだと構造上の関係かなりのすき間が生じることがありプライバシーの面で問題が出てきます。

私が以前に住んでいたマンションでは隣の部屋の子供の騒ぐ声や料理の臭いに悩まされました。換気扇の排気口がバルコニーにあったため料理の匂いが自分の部屋の中に侵入してくるのです。しかもお隣さんは料理が苦手らしく異臭に近い臭いなのです。

またお隣さんはペットを飼っており独特の獣臭や洗濯物の強烈な柔軟剤の臭いも私の部屋に侵入してきて、まるで隣の部屋の住人と一緒に生活しているような錯覚を覚えたほどです。

極め付けは旦那が専有スペースであるリビングでタバコを吸うのですが窓を開けてタバコを吸うためタバコの煙が容赦なく我が家に侵入してくることです。嫌煙家の私にとって強制的に漂って来る副流煙は暴力そのもので大変苦しかったです。

さらに致命的なのが意図せずボードのすき間から隣の部屋の中が見えてしまうことでした。こちらから見えるということは相手からも見えるということです。ボードのすき間から覗いていた隣の部屋の子供と目が合うこともしばしばありました。

隣の住人と顔見知りであればまだ我慢もできるかもしれませんが、隣の部屋が賃貸に出され見知らぬ人が住むようになったらどうでしょうか。覗いているのが子供ではなくシャイニングのジャック・ニコルソンのような狂人だったら・・・。Here’s Johnny!

反対に(B)の間取りは隣の部屋からの音や臭いや覗きの被害が少ないことが想像できます。隣の部屋のバルコニーと接していないのですから当然ですがこのことがどれだけ大きなメリットなのか計り知れません。

バルコニーの戸境壁が薄いボードの部屋は絶対に避けるべき間取りだと思います。

2.選びたい間取り

①内廊下

内廊下は上述した「共用廊下の騒音」「部屋の結露」という問題を解消してくれます。多くの内廊下は絨毯敷であるため音が吸収されますし、内廊下は空調が効いているので結露が軽減されるのです。

また内廊下を採用しているマンションは共用廊下に面した部屋を作らないように設計されていることが多いように感じます。内廊下のマンションを選べば様々な問題を抱えずに済むのですから内廊下のマンションは積極的に選ぶべきでしょう。

なお内廊下の弱点として風通しが悪いことがあげられますが、共用廊下に部屋が面していなければそれほど問題にはなりません。ベランダに面した窓を全開にすれば換気も十分なされるからです。

②洗面所がキッチンからも廊下からも出入りできる(2WAY)

洗面所の入り口がリビングにないのは望ましいのですが、キッチンから洗濯機のある洗面所への移動が大変というデメリットがあります。このデメリットを解消してくれる間取りがキッチンからも洗面所に出入りできる2WAYの間取りです。

まるでキッチンに洗濯機があるような便利さがあり、生活動線がリビングを横切らないのに家事の動線が最短距離で済むこの間取りは一度経験してしまうと次も同じ間取りを求めるほどです。

③キッチン・お風呂・トイレに窓がある

換気が必要なキッチン・お風呂・トイレに窓があることのメリットは語るまでもないでしょう。デメリットが一切ないのも特筆すべきことです。

窓のないトイレに溜まった何とも言えない臭いは耐えがたいものがありますし、お風呂に窓があれば換気能力はさらに高まります。お風呂の窓は日中の室内の換気口としても有用です。

またキッチンとお風呂に窓があると開放感が出るのもメリットの一つです。自然光で料理をするのは想像以上にワクワクするのです。ライオンズマンションが取り入れているL’s KITCHENを竣工後のモデルルームで見ると私の言いたいことが伝わると思います。

この記事のアイキャッチ画像のようにお風呂に窓があるのも最高です。タワーマンションであれば夜は夜景、朝は日の出を見ながら入浴できるのです。お風呂好きにはたまらないでしょう。

3.(B)のような間取りが少ない理由

ここまで書き進めてきましたが、結局のところ「シティタワー武蔵小杉」の間取り(B)が最高ということを強調しただけの感もあります。しかしシティタワー武蔵小杉の間取りは相当に素晴らしいので仕方がありません。

そこで疑問に思うことがあります。なぜシティタワー武蔵小杉や2015年度No.1のパークコート赤坂桧町ザタワーと同じ間取りを採用しないのか、どうして「グランセンス越谷レイクタウン」みたいな間取り(A)ばかりが量産されるのかという疑問です。

理想形に近い間取りのイメージは共有されているのに、巷のマンションはなぜか(A)のような田の字の間取りばかりが採用されているのです。

各モデルルームの営業に質問したところ「理想の間取りを作るにはお金がかかる(原価が高くなる)が、庶民相手の近郊・郊外物件では販売価格に上乗せできず利益が出せなくなるから」だそうです。

新築マンションの価格が高騰しもはやサラリーマンが購入できるレベルを越えてしまっている現状では、5000万円程度のなんとかなる予算内に収まる新築マンションで理想の間取りに出会えることはしばらくないのかもしれません。

4.間取りへのこだわりは資産価値とは無関係

実は私の住んでいるマンションは角部屋なので上記のほとんどの項目をクリアしている間取りです。暮らしていてとても快適で愛着がどんどんわいてきます。しかしすぐ近くの(A)の間取りを採用している長谷工施工の直床マンションと資産価値はほとんど同じなのです。

この現実は間取りは資産価値に影響しないということを意味します。マンションの資産価値は間取りではなく立地で決まるのです。

しかし集合住宅という特殊な住宅であるマンションではこれまで書いたような騒音や臭いなどさまざまな生活トラブルに見舞われます。その生活トラブルの多くはきちんとした間取りを選ぶことで防止できるからです。

5.角部屋のススメ

(C)角部屋の間取り

ファインシティ東松戸の公式HPより

ファインシティ東松戸の公式HPより

①角部屋は理想の間取りに近い

上記は既にレビューをしたTHE長谷工マンションのファインシティ東松戸の角部屋の間取り図です。トイレの位置や共用廊下に面した部屋があるのは残念ですが、それ以外はここまで挙げてきたチェック項目の多くをクリアーしたかなり理想の間取りに近いことが分かります。

プライバシーが守られ、騒音の影響は少なく、日当たりと風通しが確保されているのですから文句のつけようがありません。明るいキッチン、窓のあるお風呂もいいですし、柱の影響がなく綺麗な四角形の部屋の形も素晴らしいです。

無駄に長い廊下やバルコニーの薄い戸境壁が解消されていればさらに良かったとは思いますが価格を考えれば多少は妥協が必要でしょう。

②角部屋はどのマンションにも存在する

(B)のような中住戸の間取りを採用しているマンションは庶民には縁のない高級マンションだけであることは既に述べましたが(C)の間取りは私のように年収1000万円に満たない普通の会社員でも購入できる普通のマンションのものです。

つまり普通のマンションで快適な生活が送れる間取りを追い求めると角部屋しか選択肢がないということです。

そして角部屋はどのマンションにも必ず存在するのです。この必ず存在する角部屋を見逃す手はないと考えます。

③角部屋は高いがその価値はある

角部屋のほうが専有面積が広いこともありますが、角部屋は概して中住戸よりも1000万円ほど高い価格で販売されています。

価格だけを見ると角部屋は第1段階で候補から外れるかもしれませんが、これまで記述した様々なデメリットから私たちを守ってくれる間取りだと考えると決して高くはないと思います。プライバシー、静寂、日照、風通しが約束された日常生活がお金で買えるなら買うべきだと私は考えます。

もちろん1000万円の差は大変に大きな差です。お金を節約するほうを選ぶ人もいるとは思います。ただ新築だと角部屋と中住戸の価格差は1000万円ありますが、中古だと角部屋と中住戸の価格差は一気に縮まります。中古でマンションを探すのであれば角部屋一択であることを付記しておきます。

本日の終わりに

マンションは不動産という投資対象であると同時に生活する場でもあります。その生活の場が快適であることはとても大切だと私は思っています。資産価値と同じくらい間取りにもこだわるべきなのです。よい間取りは毎日の生活に潤いを与えてくれからです。

次回は階数と方角について記事にしてみたいと思います。誰もがアイキャッチ画像のような最上階の角部屋を購入できるわけではありません。角部屋と最上階のどちらを取るか悩む場面もあるはずです。次回の記事も読んでいただければそのあたりの落としどころの参考になれると思います。

今回の間取りについての記事がマンション探しをされている方の参考に少しでもなれたならこれ以上の幸せはありません。

それでは今日はここまで。最後までお読みいただき本当にありがとうございました!!

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