第7章:仲介業者の変更

はじめに(おさらい)

約4ヶ月ぶりに愚痴カテゴリの異名を持つ「マンション購入奮闘記」2ndシーズンを更新します。前回が1年ぶりの更新でしたので大いなる進歩です。

第1章ではブログ開設の真相とブログ運営の大変さを中心に、そして買ってもいいかもしれない新築マンションに出会うまでを書きました。

次の第2章では業界内部の人からの情報を参考に新築マンションを絞り込み、要望書を提出したにも関わらず売主側の都合で他人に販売されて購入できなかったところまでを書きました。

第3章では担当営業の悪意なきやらかしで危うく騙されそうになりながらも待望の都心マンションを契約するまでの経緯を書きました。

第4章では無能な詐欺師であるゴリラ不動産と専任媒介契約を結ぶという、どう見てもお先真っ暗な選択をした経緯を、第5章ではゴリラ不動産が想像以上の無能であることを書きました。

前作の第6章ではゴリラ不動産の無能さが止まるところを知らずに加速しているにも関わらず、そんなゴリラ不動産に情けをかけたばかりにドツボにハマっていく様子を書きました。

そして、今回はゴリラ不動産の無能さが臨界点に到達し、そして崩壊していくお話です。セカンドシーズンのハイライトになるお話になるはずです。

それではアイスコーヒーとバスチーをお供にごゆっくりお楽しみください。

4ヶ月目(前回からの続き)

金持ち夫婦アゲイン

玄関扉を開けるとそこには見覚えのある夫婦が立っていました。そうです前回登場したあの世帯年収5,000万円と噂される金持ち夫婦です。もちろん彼らを見た瞬間、心の中でガッツポーズをしたことは言うまでもありません。

また、夫婦揃って見学にきたという点にもますます期待が持てます。何しろ夫婦の家探しの最終決定者は奥さんであることがほとんどだからです。奥さんがその気になれば我が家は成約したも同然です。

一方で気になった点もあります。金持ち夫婦側の仲介業者が以前に案内していたハイエナ不動産ではなく地場の不動産屋だったからです。

どういう経緯があったのかは分かりませんが、ハイエナ不動産が太い客を逃したのは間違いありません。売れない我が家の状況を見透かすかのように揺さぶりをかけて強引に自社に乗り換えさせようとしている割にはお粗末な営業力です。

まるで自分の家のように室内を物色する不躾な旦那さんを横目に見ながらハイエナ不動産の営業力のなさについて「これでは乗り換えても無意味だな」とぼんやり思考を巡らせていると、ダブルのスーツを着たゴリラが人の言葉で話しかけてきます。

以前もあったごりね。再見学する見学者の気持ちはほとんど固まってるごりよ。この見学者で決まりごり(•̀ᴗ•́)و ̑̑ぐっ

ゴリラ珍言集 その11

私はゴリラをペットにした覚えはないのですが、このゴリラは勝手に私に懐いてくるので困ったものです。ゴリラは絶滅危惧種ですから早くジャングルに送り返さないといけません。

相変わらずの要求水準

しかし、期待に胸を膨らませた私をよそに金持ち夫婦から怒涛の質問攻めが始まりました。もちろん、無能なゴリラ不動産はご夫婦からの質問に適切な回答ができずタジタジです。ご夫婦の間で「この部屋ではないかもしれない・・・」という空気がどんどん強くなっていきます。

特に旦那のキャンピングカーに対する執着心は異様なものがありました。錦糸町駅徒歩圏でキャンピングカーを駐車できる駐車場を備えたマンションがあったら教えて欲しいくらいです。

この世間知らずの旦那を懐柔させなければ我が家が売れないにも関わらずゴリラ不動産は頓珍漢な回答ばかりを繰り返します。

キャンピングカーを身障者用の駐車場に停められるか管理会社に確認してみるごり(•̀ᴗ•́)و ̑̑ぐっ

ゴリラ珍言集 その12

そんな暴挙が許されるわけがありません。出来もしないことを見学者に伝えてその場をしのいで何になるというのでしょうか。

もし手元に麻酔銃があったのなら間違いなくゴリラ不動産に向けて発砲していたでしょう。どうしてこんな無能に仲介を依頼したのだろうという自己嫌悪の念が湧き上がってきます。

ゴリラ大暴れ

おバカなゴリラの奇行はこれだけではありません。金持ち夫婦側の仲介業者が旧知の仲だと分かるや否や客そっちのけで昔話に花を咲かせています。

「シャチョー、シャチョー」と相手を持ち上げるゴリラ不動産に対して恐る恐るゴリラ語で「ムダバナシシテテ、ダイジョブデスカ?」と尋ねるとこんな返答がありました。

見学者を放っておくのが社長の営業スタイルごり。さすが社長、見学者が生き生きと見学してるごり。俺がその邪魔をしたらいけないごり(•̀ᴗ•́)و ̑̑ぐっ

ゴリラ珍言集 その13

いやいや、あんたの間抜けな対応とダンマリ社長のせいで見学者の買いたい気持ちがみるみる減退してるよね。このままだと間違いなく買付申し込みはないよ。

なんとかしろよこのクソゴリラ!!目の前に金持ちがいてみすみす返す気かよ!!大の大人が雁首揃えて、見学者一人やれねぇってのはどういうわけだ、この野郎!!

0:37あたりの加瀬亮のトーンで上記のセリフを声に出してみましょう

当然のように辞退

金持ち夫婦から購入辞退の連絡が届いたのは言うまでもありません。動画の最後のビートたけしみたいに無能なゴリラ不動産をタコ殴りにしたい衝動を抑えるのに必死でした。

ただ、冷静に判断すれば我が家の魅力が不足していたのも事実です。都心のハイグレードマンションと比較されたら、錦糸町という郊外駅の築20年の中古マンションが金持ちを満足させるのは難しいものです。

そして、また見学者が途絶える日々がやってきます。ゴリラ不動産の起死回生の作戦「再登録&値下げ」が全く無意味であることは明白です。無能な仲介業者との契約を更新するという愚かな選択をした報いは想像以上に厳しいものでした。

ゴリラの不倫

もちろん自宅売却だけが人生の全てではありません。自宅売却に苦労していた期間もよく働き、よく食べ、よく遊んでいました。

そんなある日、行きつけの寿司屋でよく顔を合わせていた夜遊び好きのおじさまが離婚してから彼女も作らずフラフラしている私を見かねて、行きつけのお店の女性を紹介してくれることになりました。当日のメンバーは以下の通りです。

  1. 餅つき名人(独身)
  2. おじさま(既婚)
  3. 女性(独身・元銀座の夜の蝶・超美人)
  4. 女性のお母さん(独身・おじさまと幼なじみ)
  5. お母さんの友達(既婚)
  6. お母さんの友達の彼氏(既婚)

いろいろと突っ込みどころはありますが掘り下げることはしません。人間関係の相関図を書くといろいろと楽しいものが見えてきます。錦糸町は本当に面白い街です。

さて、当日に寿司屋の座敷で顔合わせをするとそこにゴリラ不動産がいました

なんと「⑥お母さんの友達の彼氏」がゴリラ不動産だったのです。ゴリラ不動産は我が家の売却そっちのけで不倫に精を出していたのです。

無神経そのものであるゴリラ不動産もさすがにバツの悪さを感じたらしく気持ち悪い愛想笑いを浮かべてその場を取り繕っています。

会合の主旨だった私と女性の引き合わせは完了したので後はただの飲み会です。飲めや食えやで宴もたけなわになったあたりでゴリラ不動産が酒に潰れて浮気相手の人妻の膝を枕にして寝始めます

スヤスヤと眠るゴリラ不動産の額にマジックで「無能」の二文字を書いてやりたい気持ちをひたすら船中八策(日本酒)を飲むことで紛らわしていたことをここに告白します。

5ヶ月目

社長から平社員へ

そんな錦糸町らしい日々を過ごしながらも自宅売却の状況は全く改善しません。売却開始から5ヶ月目に突入しましたがゴリラ不動産からの連絡も途絶え、虚しく日にちだけが過ぎていきます。

そんなある日、久しぶりの見学者が来ることになりました。ゴリラ不動産との契約を延長して2組目の見学者です。淡い期待を胸に部屋を綺麗にして見学者をお迎えします。見学者の様子を横目で見るとそれなりに気に入ってくれているようです。

すでに新築マンションの引き渡しが4ヶ月後に控えているので悠長に売却活動を続けるわけにはいきません。やきもきした祈るような気持ちで見学者を眺めているとお約束の物件ディスりを終えたゴリラ不動産が話しかけてきました。

オーナーとトラブルになって社長をクビにされ平社員に降格になったごり。オーナーに復讐したいから、仲介手数料をこっそりおまけするごり(•̀ᴗ•́)و ̑̑ぐっ

ゴリラ珍言集 その14

私はただ自宅を売却したいだけです。ゴリラ同士の内ゲバに巻き込まれて何の得があると言うのでしょうか。絶望で涙が出たのは離婚が決まった時以来です。

行方不明のゴリラ

いつもなら見学の翌日に届くゴリラ不動産からの結果報告が一向にありません。おそらく買付申込はなされていないのでしょうが万が一の希望を捨てることはできません。

翌々日にこちらからゴリラ不動産に連絡しても返信がありません。その後も何度か連絡をしましたが一向に返信がありません。なんとゴリラ不動産が行方不明になったのです。

6ヶ月目

引き渡しまで残り3ヶ月

とんでもないことになりました。購入した新築マンションの引き渡しを3ヶ月後に控え、売却担当の仲介業者が行方不明になってしまったのです。結婚式前夜に花嫁がいなくなるくらい最悪の状況です。とにかく早急に新しい売却担当を探さなくてはいけません。

私が中古マンションを購入した際の記録からも分かるように、売買契約を締結して引き渡しまでに1ヶ月程度の期間がかかります。売主はこの1ヶ月の間に引っ越しをしたり各種事務手続きを行います。つまり実質2ヶ月以内に売却しなくてはならないのです。

なお、私はこの1ヶ月の間に離婚することになったのは記憶に新しいところです。

新しい売却担当

第一候補

新しい売却担当の第一候補は何度も見学客を連れてきてくれたハイエナ不動産です。折を見てはゴリラ不動産から乗り換えさせようとする狡猾な営業スタイルは気に食わないのですが、我が家に対しての圧倒的な送客実績は事実です。売買手数料の両手どりができるのなら真剣に営業してくれるはずです。

しかし、1つ気になる点があります。我が家に大量の送客をしていながら誰一人として買付申し込みを出していないことです。来店者数は多いけれど購入者はゼロのお店のようなものです。

私がいま必要としているのはたった1件の成約です。これまでの経緯からこのハイエナ不動産に無条件で依頼するわけにはいきません。

第二候補

第二候補は知り合いが働いている大手仲介業者です。

しかし、ゴリラ不動産で知り合いに依頼するデメリットを痛感した以上、いくら大手仲介業者といえども依頼するには気が引けてきます。3ヶ月以内に売却するという厳しい条件で請け負って達成できなかった後の人間関係を考えると、とても依頼する気にはなりません。

今となってはたらればの話ですが、最初からゴリラ不動産ではなくこの大手仲介業者に依頼すべきだったのかもしれません。

第三候補

第三候補は第5章で登場した唯一買付申し込みを出させてくれた大手仲介業者です。たった1組しか見学者を連れてきていませんが、その1組に買付申し込みを出させた実力はまさに今の私が必要としているものです。

また、この大手仲介業者の評判を頼りにしている不動産コンサルタントに確認したところ「伝統的にチームで営業活動をする文化があり、営業マン個人の実力によるムラがないのでオススメ」とのこと。こういう内部情報に等しいアドバイスをしてくれる不動産コンサルタントと繋がりがあって本当によかったと感じた瞬間です。

>> 買付申し込みの詳細はこちらをご覧ください。

手数料が20%OFF

さらに、会社のイントラネットで福利厚生ページを確認するとなんとこの第三候補の仲介業者の手数料が20%OFFになることが判明します。成約時の手数料は売却価格の3%+6万円が上限です。もし8,000万円で売却できた場合、49.2万円もの金額が手数料から減額されるのです。

これはとても大きなメリットです。不動産コンサルタントお墨付きの仲介業者を割安の手数料で依頼できるのであれば相談しないわけにはいきません。仕事そっちのけで仲介業者にメールを送ったところ5分後から携帯の着信が止まりません。

仕事中で対応できないにもかかわらず諦めることを知らない貪欲な営業姿勢の片鱗は頼もしさと同時に鬱陶しさも感じさせるものでもありました。

オオカミ不動産との攻防

誇示される営業力

室内確認

週末に第三候補の仲介業者が物件確認と説明のため我が家を訪ねてきました。営業チームの主任だという50歳前後のいかにも歴戦の不動産業者という中年男性です。穏やかで丁寧な口調とは裏腹に目が全く笑っていません。以後、この仲介業者をオオカミ不動産と呼びます

オオカミ不動産はさっそく現況確認を行いますが、軽く全部屋を確認してすぐに終了してしまいます。もっと入念に確認しなくてよいのかと尋ねるとこんな返答がありました。

現在登録されている物件情報でいい部屋なのは分かっています。立地・眺望・日照・間取り・広さなど全てにおいて申し分ありません。私たちのグループ会社が手掛けたマンションですし品質にも疑いはありません。

確認したかったのは築20年になる室内状態です。室内の綺麗さが売却時にはとても重要だからです。特に絨毯や畳の部屋は築年数が経過すると汚らしくなり見学者から嫌がられるのですが、フルリフォームに近いリフォームがされている現状を確認できたのでもう十分です。

オオカミ強気発言集 その1

オオカミ不動産の手元を見てみると私も見たことがない分譲時の資料一式が揃っており、間取り図には赤ペンでいろいろと書き込みがなされています。事前準備をきちんとしてきた証拠です。二日酔いで我が家に上がり込んだゴリラ不動産とはやる気が違います。

見学は3組あれば十分

そして、雑談もかねてこれまでのゴリラ不動産の無能さと私の忸怩たる思いを洗いざらいぶちまけ、何組も送客しておきながら一向に成約に至らない大手仲介業者をはじめとした仲介業者の営業力のなさを訴えました。

以下はオオカミ不動産からの返答です。

この部屋を売れない仲介業者は全て無能です。私なら3組の見学があれば成約させてみせますよ

オオカミ強気発言集 その2

なんと力強い返答でしょう。無能な仲介業者に振り回されてきたこの半年間ですっかり意気消沈した私の気持ちを奮い立たせてくれます。上野のキャバクラでシャンパンを入れたらキャバ嬢から「もっちーさん、大好き☆」と抱きつかれてキスされた時のような気分です。

SUUMOへの掲載

SUUMOだけで90%以上の集客

ゴリラ不動産が集客に苦労しているのはSUUMOに物件情報を掲載しないことが原因であることは明白です。なぜなら私はその筋の仕事をしていた経験があり、中古の不動産はほぼSUUMOに掲載されることを知っていたからです。

次点はHOME’Sですが送客実績や客の質を見るとSUUMOだけで足りると言ってよく、頼りにしている不動産コンサルタントも「中古マンションはSUUMOだけチェックしていれば十分」と断言するほどです。

SUUMOへの掲載が絶対条件だったにも関わらずSUUMOに物件情報を掲載しないゴリラ不動産の愚行に対してあえて目を瞑ったのには理由があります。本当にSUUMOが集客に効果があるのか実験してみたかったからです。そしてこの実験の結果は想像以上に散々な結果になったのは皆さんが知るとおりです。

ですから、今回は絶対にSUUMOに掲載してもらわなければなりません。オオカミ不動産にその旨を確認した際の返答がこちらです。

やっぱりそうでしたか。SUUMOで物件を検索しても物件情報が出てこないので不思議に思っていたのです。こんなにいい条件の部屋が半年も売れない理由がやっと分かりました。

当社の成約実績の90%以上がSUUMO経由での集客です。今の時代でSUUMOに掲載しないで不動産を売却しようなんて正気の沙汰ではありませんよ。

売買手数料の両手取りができますから仲介業者としてもSUUMOを使わないのは自殺行為でしかありません。SUUMOへの掲載は売主様にとっても私たち仲介業者にとっても必須なのです。

オオカミ強気発言集 その3

街の不動産屋ではSUUMO対応は無理

前述の通りSUUMOが圧倒的なシェアを握っているのは知っていましたが、集客の90%以上がSUUMO経由だとは知りませんでした。オオカミ不動産は全国に支店を持つ大手仲介業者にもかかわらずもはや集客はSUUMO頼りだったのです。売買手数料の両手取りができるのですからなおさらでしょう。

そして、オオカミ不動産の力強い説明が続きます。

小規模の仲介業者にとってはSUUMOの掲載料と掲載にかかる手間は大きな負担になります。金もITリテラシーもない街の不動産屋がSUUMOに物件情報を掲載することなどできるわけがありません

私たちはSUUMO専用の予算をとって写真が最も多く掲載できる最高グレードの物件ページの枠を持っていますし、SUUMO掲載に特化した部門部隊もあります。私たちにお任せいただければSUUMOで一番見栄えの良い物件ページで売却ができますよ

オオカミ強気発言集 その4

一言一句に頷くしかありません。時代はもう変わっていたのです。にも関わらずゴリラ不動産はチラシと仲介業者間のネットワークという旧石器時代の営業ツールだけで売却活動をしていたのですから呆れるほかありません。

実は私が買ったこの錦糸町の中古マンションの売主も付き合いのある地元の不動産屋に依頼した結果、SUUMOに掲載されず売却に苦労し値下げを繰り返し、その挙句に私にさらに値切られて売却することになったのです。

購入希望者が行列している超人気マンションならまだしも、なんの変哲もない普通のマンションを売却する場合にはSUUMOの掲載は必須事項です。SUUMOに掲載しないで自宅を売却する行為はパスポートを持たずに海外旅行に行く行為と同じくらい愚かな行為なのです。

勝手に専属専任媒介契約

「用意周到な事前準備をしてきた熱意」「我が家に買付申し込みを入れさせた営業力」「SUUMOへの掲載による集客力」とあらゆる面でゴリラ不動産とは比較にならないレベルです。特に我が家に対して唯一の買付申し込み入れさせた実績は揺るぎないものがあります。

もう迷うことはありませんし、新築マンションの引き渡しが3ヶ月後に迫っているのですから悠長に構えている時間もありません。オオカミ不動産に任せることに決めました。「それでは一般媒介契約でお願いしたいと思います」と伝えると奇妙な返答がありました。

ありがとうございます。専属専任媒介契約での契約書を作成してきましたのでこちらに押印していただければ大丈夫です。あとは私たちにお任せください。

オオカミ強気発言集 その5

出ました不動産屋の常套手段である後出しジャンケンです。私は一般媒介契約を希望しているのに、勝手に事前作成した専属専任媒介契約の契約書で話を進めようとしてきたのです。

状況は新築マンション引き渡しまでに3ヶ月しかない待ったなしの状況です。オオカミ不動産の1社にしか売却を依頼できない専属専任媒介契約を締結したらどうなるのでしょう。売却が進まず1ヶ月でオオカミ不動産に見切りをつけたくてもオオカミ不動産に任せ続けるしかなくなるのです。

そして、もし自宅が売れなくて新築マンションの引き渡しがなされなくてもオオカミ不動産は何の責任も負わないのです。あまりにも私にとって不利な条件です。

一般媒介契約ではダメなのか?

こんな危ない橋を渡るわけにはいきません。一般媒介契約にしたい旨を伝えると、作り笑いの目の奥が危険な光を放ちながらこんな返答が返ってきました。

一般媒介媒介ならまともな営業活動はできません。SUUMOに掲載するにはお金も労力もかかるのです。売れなかったら私たちの持ち出しになってしまいます。

私たちが安心してお手伝いするためにも専属専任媒介契約でお願いします。

オオカミ強気発言集 その6

ここが勝負どころだとオオカミの本能が感じたのでしょうか。相手も必死です。売買手数料の両手取りを確実にするには専属専任媒介契約が必要なのです。

オオカミ不動産側の事情は理解できますがこちらの意向を無視して勝手に専属専任媒介契約の契約書を用意してきたのは気に入りません。私が渋っているとオオカミ不動産が怒涛のダメ押しをしてきます。

一般媒介契約で複数社に依頼しても結局はSUUMOに物件情報が乱立するだけです。同じ部屋がいくつもSUUMOに掲載されているのを見たことがあるはずです。あれを見たら事情を知らない普通の人は迷いますし、疑念を抱くことになります。

また、掲載される物件ページの品質も千差万別になってしまいます。やっつけ仕事の室内写真を掲載して逆に部屋のイメージが悪くなったりもします。

こんないい部屋を粗末に扱ってはいけません。私たちなら一番高いグレードの物件ページで掲載することができますし、1社だけが取り扱うことで探している人にとっては安心感につながります。

それにお忘れのようですが私たちなら仲介手数料が20%OFFですよ。そして一般媒介契約にしたらこれから何社もの仲介業者とこんな手間をかけて同じやりとりをすることになるのです。面倒ではありませんか?

オオカミ強気発言集 その7

勝手に契約書を作成してくる失礼な行為に感情的になっていましたが、冷静に状況を考えるとオオカミ不動産の言うとおりです。仲介手数料20%OFFは他の仲介業者も受け入れてくれるはずですが、一般媒介契約にしてこれから複数の仲介業者と同じやりとりをするのは面倒でしかありません。

オオカミに頼る

それでもゴリラ不動産だけに売却を任せてここまで状況が悪化してしまったトラウマはそう易々とは消えません。煮え切らない私に対しオオカミ不動産が最後の一押しをしてきます。

私たちの営業力ではご不満ですか?このお部屋に買付申し込みを入れさせた私たちにぜひお任せください

オオカミ強気発言集 その8

見事な営業トークです。これだけしっかりと相手を口説けるから買付申し込みを入れさせられたのでしょう。オオカミ不動産の営業力の一端を実際に体験してみて、これなら任せてもいいのではないかと言う気持ちになってきました。

また、SUUMOに掲載する写真はモデルルームの写真も手がける知り合いのカメラマンに撮影してもらう予定であり、一般媒介契約で複数の業者がSUUMOに掲載しても全て同じ写真を使うことになるのです。SUUMOの物件ページが検討者へのアピール材料の全てであり、複数業者を採用することでほぼ差別化が図れないのであれば、1社だけに任せてもそれほど違いはありません。

長い長い押し問答になりましたが、ゴリラ不動産との専任媒介契約を解約することを停止条件にオオカミ不動産と専属専任媒介契約を締結することを伝えると、オオカミ不動産は契約書を置いてSUUMO掲載用の写真を撮影して退出していきました。

雑な室内写真

なお、持参した一眼レフカメラで室内を撮影しているオオカミ不動産にSUUMO掲載用の写真は知り合いのプロが撮影した写真にして欲しいと伝えると「プロの写真が届くまでのつなぎとして使います」とのこと。

つなぎとはいえ検討者が一番参考にする室内写真をこうも雑に撮影されたのではたまったものではありません。SUUMOに掲載されている素人くさい薄汚い写真はこうして仲介業者が室内確認のついでに撮影されているのです。

次回に記しますが平凡なマンションを売却する際の室内写真はきちんとプロに任せるべきです。仲介業者は売るプロであって撮るプロではないのです。

さらばゴリラ不動産

離婚のゴリラ

新しい売却担当をオオカミ不動産にすることは決まりましたが、問題はゴリラ不動産との間で契約した専任媒介契約です。この契約を解約する必要があります。

しかし、ゴリラ不動産は行方不明で連絡が取れません。どうしたものかと悩んでいると、なんと2週間ぶりにゴリラ不動産から電話がありました。

不倫が妻にバレて修羅場になって、挙げ句の果てに離婚することになったごり。離婚のドタバタで連絡する余裕がなかったけどもう大丈夫ごり。

今は茨城の実家に身を寄せてるけど錦糸町には来れるから見学者対応はできるごりよ。心機一転これから頑張っていくごり(•̀ᴗ•́)و ̑̑ぐっ

ゴリラ珍言集 その15

こんな報告を受けた私の気持ちを想像してみてください。口を開けば血迷いごとを口走る無能なゴリラ不動産ですが、これは極め付けです。

この間抜けなゴリラはこの後に及んでまだ我が家の売却を担当するつもりでいるのです。開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。この絶望感を表現する文才を持ち得ていないのが残念でなりません。

ご機嫌なゴリラ不動産に対して新築マンションの引き渡しが目前に迫っていること、見学者が全く来ないことを理由に解約を検討している旨を伝えると急に焦りはじめました。

ちょっと待つごり。チラシを巻いたりマイソクを作ったりこっちも営業活動を頑張ってるごり。

ここで契約を切られたら費用の持ち出しごりよ。勘弁して欲しいごりo(`ω´ )o

ゴリラ珍言集 その16

逆ギレのゴリラ

この6ヶ月の間でゴリラ不動産が連れてきた見学者はたった1組だけです。営業活動とは1組の客を連れてくることを指しているとしたらバカも休み休みに言わなければなりません。

そして、ここで情けをかけるわけにもいきません。何しろあと3ヶ月で新築マンションの引き渡しなのです。6ヶ月も担当物件を売却できないゴリラに優しくできるほど私は動物愛護主義者ではありません

しかもこのゴリラはオーナーとトラブルを起こし平社員に降格させられ、不倫の挙句に離婚して行方をくらますトラブルメーカーです。もし買い手が現れたとしても決まりかけた契約が間抜けなゴリラのせいで破談になるかもしれません。

こんな荒唐無稽な想像を否定できないだけのやらかしをゴリラ不動産はしてきたのです。かなり冷たいトーンで今月はあと何人連れて来れるのかと問いただすと今度は逆ギレをはじめました。

集客、集客ってうるさいごりね。この部屋が売れないのは単純に値段が高いからごり。値段を下げればすぐ売れるのに粘るお前が悪いごり。

そんなに見学者が欲しいならまたチラシを巻いてやるごり。どうせ効果なんてなく捨て金になるけどお前の自己満足のためなら仕方ないごりね。

そうだ、さらに大サービスでこれまで見学者を連れてきてくれた仲介業者に自分が頭を下げに行ってきてやるごり。買う気もない見学者が押し寄せてくるだけで満足するなら安いものごり( ´Д`)y━・~~

ゴリラ珍言集 その17(完)

清々しく解約

このゴリラ不動産の発言を聞いて私の中で不思議な感情が湧き上がってきました。冬の網走のような怒りの感情ではなく、富士山の山頂で御来光を迎えた時のような清々しい感情が湧き上がってきたのです。

もう人の情けをかける必要がなくなったからでしょう。気持ちよく、なんのためらいもなく、解約を告げることができました。錦糸町は人間が住む都会のジャングルであり、野生動物が住む自然のジャングルではないのです。

あとがき

仲介業者の人材レベル

マンション購入奮闘記2ndシーズンのハイライトとなる章だったこともあり12,000文字を超える大作となりました。本来であれば知り合いのプロカメラマンによる室内写真のくだりまで書きたかったのですが流石にこれ以上長くなると読んでくれている方の集中力がもたないだろうと判断しここで一区切りを入れます。

それにしてもゴリラ不動産の無能ぶりはまるでコントに出てくるキャラクターのようでした。次から次へとやらかしてくれますし、そのやらかしの度合いが次第にエスカレートしてくるのですからたちが悪いとしか言いようがありません。間抜けという言葉がこれほど似合う生き物に私は出会ったことがありません。

そして、これが仲介業者になる人材のスタンダードだとしたら読者から寄せられる仲介業者への罵詈雑言も納得がいきますし、私自身が出会ってきた仲介業者やマンションギャラリーにいる営業マンの頓珍漢ぶりにも納得がいきます。

とてもではありませんが何千万円、何億円の取引を任せられるレベルの人材ではありませんし、何百万円もの手数料をもらっていい人材でもありません。

しかし、何よりも知り合いに花を持たせてやりたいという人情だけでゴリラ不動産を選び、更に契約を更新までした自分自身の甘さには自己嫌悪しかありません。

前妻を結婚相手に選んだ時から何一つ成長していないことにもうんざりします。私の悪い癖としてこうなって欲しいという理想のイメージを頑なに追い求めてしまうのです。自分自身が損をしてもです。

金が絡む話に知り合いを巻き込むな

6ヶ月も自宅が売却できなかった原因を考えるとゴリラ不動産と契約更新をしてしまったことがターニングポイントだったと感じます。売却時に仲介業者を見分ける術がない以上、誰でもハズレの仲介業者を選んでしまう確率はゼロではありません。

ただし、媒介契約を更新するかどうかは完全な自己責任の選択です。私は知り合いに頼んだが故に契約を切るに切れませんでした。

そうです、金が絡むことに知り合いを巻き込んではいけないのです。金が絡む話はいい方向に転がれば皆が幸せになれますが、私のように悪い方向に転がると目も当てられません。

実際、このあとゴリラ不動産とは連絡を取っていませんし、行きつけの飲み屋にもゴリラ不動産が現れることは無くなりました。

利害関係も年齢も性別の差もない飲み屋での純粋な雑談が大好きな私にとって、雑談相手を一人失ったことは自宅が売れないこと以上に大きな損失になりました。

次回予告

さて、長くなりましたのでそろそろ終わりにします。

次回からは半沢直樹も真っ青の倍返しの展開が始まります。愚痴で埋め尽くされた2ndシーズンですが、最後は秋晴れのように爽やかに終えたいと文章構成を練っています。終わりよければ全てよし、怒涛の大団円までもうしばらくお付き合いください。

それでは、今日はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました!!

14件のコメント

ゴリラ不動産続編、楽しみに待っていました!
今回もたくさん笑わせていただきました。ゴリラ不動産と無事に離婚できてよかったです!

以前、賃貸か購入か迷っているとコメントさせていただいたのですが
沢山の協議の結果マンション購入に踏み出すことに決めました。
そこで不躾なお願いになるのですが、餅つき名人さんがいつも頼りにされている
不動産コンサルタントの方をご紹介いただけないでしょうか。
すでにお一方にご相談させていただいているのですが、もうお一方の後押しが
ほしいところです。どうぞよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。コンサルタントの意見を複数聞くことに対しては以前に別のコメントで触れていますのでそちらを転載いたします。ご納得のいく決断ができることを祈っています^^

以下、転載文

複数のコンサルタントを併用する件ですが初心者にはオススメしません。理由は簡単でコンサルタントの評価が分かれた時に判断ができないからです。私は複数のコンサルタントを併用しますが、それは各コンサルタント毎の癖(大規模に甘い、地盤にこだわる、滅多に合格を出さない、等)を把握しているので迷う原因にはなりません。また、私自身もそれなりの知識と経験を積んでいるのでコンサルタントの意見が割れても最終的に自分なりの結論を出せることも併用している理由です。

また、これまでの経験から誰か一人のコンサルタントが合格を出したマンションは他のコンサルタントも大なり小なりいい評価をすることを知っています。つまり一人のコンサルタントが合格を出したらそれで十分な評価だということです。「いいマンションは誰が見てもいいマンション」なのです。大学受験をするのに複数の予備校を併用するのは受験マニアがやることです。普通の受験生は一つの予備校のテキストをマスターする方が重要なはずです。

相談予定のコンサルタントが信用できる方であればその方を頼ってください。そして最後は自分で決断してください。いいご決断ができることを祈っています!!

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