第九章:リフォーム業者選び

これまでのお話

こんにちは、餅つき名人です!!

妻の夢をかなえるために家を買うことになりました。家を買うならモデルルームだと地元である千葉県のモデルルーム行脚を開始します。ところが千葉県の新築マンションが想像以上に価格が高く、これなら都内のほうがいいと都内のモデルルーム行脚に切り替えました。

しかし都心のマンション価格のあまりの高さに打ちのめされます。そして東京23区の東側に活路を求めていくのですが、それでも我が家の収入では買えない価格帯ばかりでした。こうして物件の絶対額を抑えるために中古マンションを、ランニング費用を抑えるために一戸建てを視野に入れて物件選びを仕切り直していきますが、一戸建ては夫婦二人には時期尚早と判断し中古マンションに狙いを定め物件探しを続けます。

並行して不動産コンサルタントへの相談やインターネットでの情報収集、関連書籍の購読も開始し徐々に知見を深めていきました。

ただ夫婦仲は既に崩壊しており、妻のために始めた家探しの理由がなくなっていました。なぜ家探しを続けているのか?そう思いながら物件探しをしていました。もしかしたらこの家探しの旅が終わるときが夫婦関係が終わることになることを無意識に悟っていたのかもしれません。

そしてなんとか妻の実家近くの中古マンションを購入することが決まりましたが一安心とはなりません。マンション購入は事務手続きが山のようにあるのです。そして運命の日がやってきます。ついに離婚してしまったのです。

しかしマンションを購入してしまった以上、そこに住むしかありません。すぐに売却すると手数料の分だけ手元の現金が減ってしまうからです。住む以上は快適な住空間にしたいのでリフォームを決心しました。

1.リフォームの条件

元妻の実家近くのマンションですから売却も念頭に置いていますし、男の一人暮らしなので寝るだけに帰る部屋ですからリフォームなどせず現状のままで使用するのが賢い選択なのは理解していました。

しかし購入したマンションは築年数が15年とそこそこ経過し売主さんの生活感がたっぷり染み込んでいて現状のまま住むのはどうしても躊躇してしまいます。特に寝室・子供部屋の床は絨毯のためそのまま使用するのは生理的に無理でした。

また一度住んでしまうと大規模なリフォームは不可能ですし、どうせなら気持ちよく住める部屋にしたいと考えリフォームすることにしました。リフォームするにあたって以下の条件を設定しました。

 ① 照明は全て調光調色可能なダウンライト
 ② 床は全てフローリング
 ③ 和室を洋室にして25畳のLDKにする
 ④ 壁紙は総張り替え
 ⑤ まだ使える設備は流用する
 ⑥ トイレの便座や風呂の扉など生理的に気になるものは取り替える
 ⑦ ハウスクリーニングをする
 ⑧ 予算は300万円

予算は以前にコンサルタントから「300万円程度かければ新築同様になる」と聞いていたのでなんとなく300万円としました。

2.見積もり作業

リフォームの相場が分からないので見積金額から相場観をつかむしかありません。しかし今回が人生初のリフォームなのでどこに連絡したらよいかも分かりません。仕事は忙しく毎日0時過ぎの帰宅で正直言って業者選びをする余裕もありません。

そこで仲介業者のAさんに相談したところ「お任せください。リフォーム業者はピンキリですからしっかり選定しましょう。」と頼もしいお返事をいただきました。そこで「候補選び」「業者が現地確認をする際の立ち合い」をAさんにお願いし、見積もりが出揃ったら連絡してくれるよう頼みました。

Aさんに丸投げして申し訳ないので激励のため立ち合い現場にお邪魔したのですが驚きました。私に対する丁寧な対応とは一変して業者に対してはとてもシビアに接していたのです。業者が「見積書の完成は1週間後になります」と弱気なことを言うと「他社さんは3日で完成させています。3日後にしてください。」と有無を言わせません。

いまなら分かります。この業者に対するシビアな姿勢は絶対に必要なのです。リフォーム業者が依頼主を軽視すると様々な手を抜き始めます。この「依頼主は違うぞ。手は抜けないぞ。」と緊張感を持って仕事をしてもらうためにも交渉は厳しく進める必要があるのです。

2週間程度で6社の見積書が揃いましたが、その値段はまさにピンキリで最安値は250万円から最高値は380万円とかなりの差があります。しかも①~⑧の条件を伝えたのに作業内容に違いが発生しています。

これは反省点になるのですが条件は書面にして相手に渡すべきだったのです。口頭でAさんに伝え、Aさんから業者に伝える伝言ゲームの過程でニュアンスが変わっていってしまったのです。

いくつかのリフォーム業者から「依頼主と面談させてほしい」という要望がAさんに届いており、見積書だけを見ても業者を選定することはできないこともあり面談をすることにしました

3.リフォーム業者との面談

A社 270万円

面談時間を先方の都合で前倒ししておきながら、前倒し前の遅い時間にやってくるというマイナススタートから始まり、あれはできないこれもできないとできない理由をひたすらに説明してくるスタイルにうんざりしました。

また見積書も私の条件とは違う内容で作成されており、仲介業者のAさんも「ちょっとレベルが心配ですね」との一言。大手のリフォーム業者なので事務手続きに間違いはないのでしょうが技術力に問題があっては意味がありません。

B社 250万円

仲介業者のAさんが「この値段でできるなんて信じられない。値段優先ならB社で決まり。」と言う最安値の業者でした。しかし染みの付いた折れた名刺を渡す、二重床なのに直床だと言う、二重天井のスペースの測定を間違えダウンライトのサイズを間違える、などプロとして疑問符が付きました。世の中の常ですがリフォーム工事でも値段と品質はイコールのようです。

C社 330万円

A社、B社はガチガチのリフォーム業者でしたがC社はデザイナー系のリフォーム業者で部屋をお洒落にリフォームする提案をしてくれて好印象でした。

しかしデザイナー系ゆえに肝心の施工についての質問に答えられないことが多く、腕のいい大工がいても彼らをコントロールできないのでは?最終的な品質は大丈夫なのか?という一抹の不安が拭えませんでした。

D社 380万円

とにかく値段の正当性ばかりを主張してきて会話になりませんでした。私は予算を300万円と言っているのにどうして380万円の正当性を主張するのか理解に苦しみました。

E社 270万円

仲介業者のAさんが「デベロッパー時代からお世話になっていて最も信頼できる」と言う業者でした。てきぱきとした説明と300万円以下の見積金額に好印象を持ちました。

しかし面談をしていく中で見積書の条件が私の伝えた条件とは異なっていてその結果で値段が下がっていることが判明し最終的には300万円になりそうでした。また見積書の部屋番号を間違えたり名前を間違えたりと事務処理の甘さが気になりました。

事務処理が甘くても工事がしっかりできればそれでいいという考え方もありますが、神は細部に宿るというように細かいところがおろそかになっていると全体も歪んでくることもあります。この点をどう判断するかで悩みました。

F社 380万円

仲介業者のAさんが「本当のプロです」と絶賛する業者でした。面談は一級建築士の社長さんご本人が来てくれました。実力はもちろん権限もあるので質問に対して打てば響く適切な回答をくれ、これまでの業者ではできないと言っていた部分も「これができないならプロ失格。うちならできる」と断言するなど頼もしい限りでした。

しかし1点だけ気になるのが値段が380万円と最高値であること。仲介業者のAさんが「少し高くありませんか?」と指摘しても「追加要望も吸収できるので妥当」と取り付く島もない感じでした。

G社 ???万円

私の会社の系列会社です。見積のための現地調査までしたのに見積書を作成せずに担当者から一切の連絡がありませんでした。こんな業者が存在することに驚きました。

4.リフォーム業者決定

面談の結果、仲介業者のAさんがおススメしてくれた、E社(270万円)かF社(380万円)にすることにしました。

個人的には一級建築士が担当してくれるF社にしたかったのですが値段が高すぎます。仲介業者のAさんも「再度確認してもらいます」と言ってくれ連絡をとってくれました。そして数日後にF社が見積金額を下げてきました。しかしそのやり取りがこのようなものでした。

F社 : 見積金額は妥当。他社が安すぎるだけ。他社の見積根拠が見たい。
Aさん: 見積根拠部分だけを提示
F社 : 見積の計算が間違ってました。380万円ではなく300万円でした。

見積の計算をプロが間違う訳がありません。F社は勝ち目がないと知って金額を下げてきただけなのです。

技術的にはF社が最高です。しっかりとしたリフォームをしてくれるでしょう。しかし中古マンションを購入した以上、小さなリフォームは今後も発生します。実際に住んでみてピクチャーレール、人感センサーライト、鏡、部屋干し装置、給湯器の交換など追加のリフォームが発生しました。

その際に毎回価格交渉をするのは骨が折れます。現金掛け値なしのシンプルな対応をしてくれるリフォーム業者が望ましいことも確かです。

迷いに迷いましたが最終的に消去法でE社にすることを決めました。F社だと今後のお付き合いで金額の妥当性が判断できないからです。もしF社が380万円から値下げしなかったとしたら、30万円の値引きをお願いしてF社にしたと思います。本当に悩ましい選択でした。

本日の終わりに

こうしてE社にリフォーム業者が決まり、リフォーム工事が開始します。しかしリフォーム工事も一筋縄ではいきませんでした。その反省も踏まえつつ次回もリフォーム工事について記事にしていきます。

それでは今日はここまで、本当にお疲れさまでした!!

3件のコメント

早速お返事をいただき、ありがとうございます!
一括発注は可能とのことで、安心しました!
仕事でなかなかまとまった時間もとれないので、
リフォームとハウスクリーニングを一括して
監督業者に任せることにしたいと思います。

お返事、とても参考になりました。
これからも更新楽しみにしています。頑張ってください!

はじめまして。
貴サイトをいつも興味深く、大変参考にさせていただいております。

私も中古購入⇒リフォームの検討をしているのですが、費用を安くするために、リフォームは最小限にし、水回り清掃や床ワックスがけ等のハウスクリーニングをお願いするつもりです。ただ、リフォームとハウスクリーニングをバラバラに発注すると、手続や管理が繁雑になるので、できれば一社に一括発注したいなと思っています。

そこで、お伺いしたいのが、各社からの見積もりの際に、ハウスクリーニングはやれないと言ってきたり、何か条件を提示してきた会社はありましたでしょうか?

お時間のある時でかまいませんので、教えていただけると大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。リフォームに関してはインターネット上でも以外にまとまった情報がないですよね。当ブログでももう少しリフォームに関するノウハウを充実させたいところですが、最近はマンションレビューばかり書いていてなかなか着手できていません^^;

さてご質問に対する回答ですが、リフォームとハウスクリーニングを一括発注はできます。ただし施工業者ではなく監督業者に依頼した場合です。通常リフォームは依頼主ー監督業者ー施工業者という流れになります。なので監督業者にリフォームとハウスクリーニングを一括発注すればOKです。少なくとも私が7社のリフォーム業者に見積もりをとってハウスクリーニングを断られたことはゼロですし、実際にリフォームとハウスクリーニングを一括発注して対応してもらいました。

ただし施工業者と直接やりとりして少しでも価格を安くしたいというのであれば、ハウスクリーニングは別の業者に頼む必要があるかもしれません。個人的には素人が施工業者に直接発注するとカモられるのでやめた方がいいとは思いますがそこはご自身で納得のいくやり方で業者を選んで見てください。

また何かあれば気軽にご連絡くださいね!!

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