住まいは購入と賃貸どっちがいいのか

購入と賃貸

はじめに

こんにちは、餅つき名人です!!

少し前に「初心者が自宅でできる良質なマンションの見分け方」を公開しました。「第3回:価格」の回で購入する前に周辺の賃貸物件との比較を行うことを提唱しましたので今日はその延長として多くの人が悩む「購入と賃貸どっちがいいのか」という永遠の問題を検証します。

マンション評価
坪単価

序文にして結論

購入と賃貸の比較は検索すると山のように出てきますが結論は3つしかありません。

  1. 購入した方がいい
  2. 賃貸した方がいい
  3. 人それぞれ

「1.購入した方がいい」の意見を主張するのは自分が資産価値が維持される不動産を100%購入できるという自信がある一般消費者と、すでに不動産を購入している一般消費者と、購入してもらった方が手数料収入が増える不動産業者と、その不動産業者からお金をもらっているSUUMOなどのメディアなどです。

つまり「1.購入した方がいい」と主張している人たちは不動産を購入してもらわないと損をしてしまう人たちなのです。必死になって購入の方がいいと主張するのも当然です。自分の行為を正当化する人の性(さが)でもあります。私のように中古マンションを苦労して購入しておきながら、賃貸の方が気楽でよかったとウジウジと後悔しているような人たちではないのです。

対して「2.賃貸した方がいい」を主張する人たちは転勤、家族構成の変化、親の介護、地震、収入減などライフイベント合わせて柔軟に住居を選択したいというライフスタイルを重視している人たちです。

実はこの人たちは資産形成の視点で賃貸の方がいいとは主張していないのです。そのためこの購入か賃貸かの議論をすると購入派と賃貸派で話が噛み合わないことがあります。男女の会話のように。一部の冷静な専門家は購入時の頭金や初期費用によるキャッシュフローの悪化から賃貸を推奨していますがこのような冷静な意見は少数派です。

この記事では購入と賃貸を資産価値の視点で比較します。ライフスタイルは無視します。なぜなら資産価値もライフスタイルも両方考慮すると「3.人それぞれ」という猿でも出せる結論にしかならないからです。

ちなみに私の主張は賃貸派です。要約は以下の通りであり、次項以降は単なる蛇足です。

  • 総支払額に関しては購入と賃貸に優劣はない
  • 資産形成の点では購入時の初期費用や頭金を株式で複利運用できるので、中長期では賃貸の方が資産形成で有利

それでは、ここから長い蛇足の始まりです。暇な人以外は読まなくてもOKです。

人は購入するための理由を探す

購入と賃貸の比較をする多くの人が購入するための理由を探すために賃貸との比較をしています。つまりやっぱり購入の方がお得だと言ってほしいのです。そして、このような買い手側の希望を売り手である業者が見逃すわけがありません。

初期費用どころか管理費・修繕費すら除外し、頭金とボーナス払いも加え、トドメに史上最低金利の変動金利が35年間続くというありえない条件を用いて家賃並みの支払いを演出してきます。

さらにお客の息の根をとめるためにこう囁くのです。「家賃は捨てるお金ですが、住宅ローンは資産になりますよ」と。債務超過のBSでも資産は資産ですから嘘は言っていませんが善意があるとは言えないでしょう。

しかし購入するための理由を探している買い手は業者が提示するこれらの情報に勇気づけられます。不良債権をつかむことになるかもしれない可能性に気づかないまま契約書に判を押すのです。

このような状況を回避するためには賃貸のメリットを再認識するとともに、賃貸にするための理由も真剣に探す必要があります。賃貸でも十分という知識が不動産の買い急ぎを防いでくれるからです。

不動産の購入は株式への投資と同じ

「第3回:価格」の試算結果をご覧いただくと分かるように、不動産を購入するとケースバイケースですが300〜400万円程度の諸経費がかかります。

この諸経費こそが購入した物件の価値を下落させ、購入することが賃貸より不利になる大きな原因になりますさらに諸経費には売却時の手数料(3%)が上乗せされ、最終的に購入金額の10%程度にまで達します。

もし不動産を購入する代わりに、この諸経費400万円を35年間・年利3%で運用したら1,120万円に増えます。債権と株式を組み合わせたインデックスファンドであれば年利3%程度は期待できます。

もちろん運用成績がマイナスになることも考えられます。しかし債権と株式を組み合わせた保守的なインデックスファンドの運用成績がマイナスになるような世界経済の状況であれば不動産価格も間違いなく下落します。世界経済が縮小していて不動産価格だけ上昇する状況などありえないからです。

結局、不動産を購入した人も、賃貸にして諸経費分を運用した人と同じように損をするのです。この事実は不動産を購入するという行為は資産運用をする行為と同じであることを証明しています。不動産を購入することは株や債券を買うことと同じリスクを抱える行為なのです。

不動産の購入は株やFXより劣った金融商品

不動産を購入することが株や債券を買う行為と同じであり、価格の上下も連動しているのであれば、手数料が優劣を決める要因となります。

何度か述べているように不動産を購入すると物件価格の10%程度の諸経費がかかります。これでは買った瞬間に不動産の価値が10%下落するようなものです。正直に言って手数料10%の金融商品はぼったくりと言われてもしかたがないほど悪質な商品です。損をしないためには10%以上の値上がりが必要になるからです。

対して株式やFXの手数料は0.1%以下です。5,000万円の不動産を購入するのであればレバレッジをかけて株や外貨を5,000万円分購入したほうが勝てる確率が高いのです。

さらに不動産は全体の傾向として年2%程度で価格が下落していく金融商品ですから、どちらが賢い選択かは小学生でも分かるでしょう。不動産は金融商品として見た場合、魅力がないどころか買ってはいけない金融商品なのです。

購入すると残債割れのリスクがある

ここで「不動産には売却価値があるから諸経費の不利を加味しても購入のほうが得ではないか?」という意見がありますが、実際には売却価値は住宅ローンの精算で消えてしまうことがほとんどです。金利が含まれている住宅ローンの残債は想像以上に残っているからです。

それでも住宅ローンの残債がゼロになるのであれば成功の部類になります。場合によっては住宅ローンが精算できない残債割れになることもしばしばあるからです。

往々にして不動産を購入したがっている人は住宅ローンの残債の存在が頭から抜けています。5,000万円の不動産を購入して、0.65%でフルローンを組んだ場合、10年後の残債は3,700万円程度です。

「第3回:価格」の試算結果のとおり購入と賃貸の毎月の支払額はほぼ同額であり、ローンと家賃は相殺されます。賃貸に諸経費はかかりませんが、購入の場合は諸経費がかかります。この場合は購入時400万円・売却時200万円の諸経費600万円を加えた4,300万円以上で売却できてはじめてその不動産を賃貸した場合と同じ結果になります。

5,000万円の不動産が10年後に4,300万円で売却できるのであれば成功の部類に入ります。不動産は全体の傾向として年2%程度で価格が下落していく金融商品ですので優良物件と言っていいでしょう。それでも賃貸と並んだに過ぎません。反対に残債割れになった場合は悲惨というほかありません。

反対に賃貸を選択した場合、引っ越す際に不動産を売却する必要はなく、もちろん残債割れのリスクなんてありません。私は残債割れのリスクがないことが賃貸を選ぶ最大の理由だと思います。

賃貸物件は分譲物件よりもグレードが劣るという嘘

これは不動産を購入することを正当化する人がよく言うセリフです。しかしSUUMOを見てみると分譲マンションの賃貸がかなりの数で賃貸に出ていることが分かります。

たしかにタワーマンションの最上階・南東角部屋が賃貸に出ることはほとんどありません。しかしタワーマンションの普通の部屋であれば普通に賃貸に出ています。タワーマンションでなければその数はさらに増えます。

SUUMOで人気の街(豊洲、武蔵小杉など)を検索してみれば一目瞭然です。購入と賃貸で住居のグレードに優劣は発生しないのです。そして月々の支払いもほぼ同額になります。

だから「分譲マンションに一度住むと賃貸物件のグレードに満足できなくなる」「アパートや賃貸に住むと子供が学校でいじめられる」「賃貸では親族に申し訳が立たない」などというカルト教団の教えに耳を貸す必要はないのです。

35年後の不動産に市場価値は期待できない

「ローンを払い終えた不動産には最低限の売却価値があるはず。だから購入のほうが有利だ。」という主張もあるでしょう。しかしローンを払い終えた築35年の物件を誰がいくらで購入してくれるのでしょうか。

私であれば青山や赤坂など都心以外の地域で築35年の物件を購入する気にはなれません。ましてやマンションならなおさらです。HOME’Sなどで検索してみると分かりますが近郊・郊外の築35年の物件にはほとんど売却価値がないのです。

仮に5,000万円の不動産を購入すると仮定した場合、購入時の諸経費400万円を年利3%のインデックスで運用した賃貸の人と同じ金銭状態にするには、35年後の売却額が2,000万円以上も必要です。しかしリフォームなど追加投資なしに35年後に2,000万円以上で売却できる物件はほとんどないのが実情です。

その物件を気に入っていて一生住むのであれば築35年以上の物件に住み続けることになります。その場合、売るに売れない廃墟のような物件に住むという悲しい未来のために35年も住宅ローンを支払うことになるのです。

もし建て替える場合、一戸建てもマンションも2,000万円程度で建物を建て替えることができますが35年後に気軽に2,000万円を出せる経済状況にあるとは到底思えません。しかも今度は住宅ローンは使えないのです。

つまり建て替えした場合は虎の子の生活資金が減り、建て替えができなければ買い手がつかない廃墟同然の物件に住み続けるというどちらにしても嬉しくない状況になるのです。しかし賃貸であれば引っ越せばそこそこの築年数の物件に住むことができますし、予算に合わせて物件が選べます。家族構成や転職などによる引っ越しも自由自在です。

よく定年後も家賃を払うのは難しいという人がいますが、人口減少が確実な日本で賃料が上がるわけがなく、契約拒否されることを想像するのは難しいでしょう。下手をすると郊外であれば家賃がタダ同然になる可能性もあります。

賃貸を選ぶことは自由を選ぶことだと私は考えます。自由であることは賃貸を選択する最大のメリットなのに、世間ではこのメリットが過小評価され過ぎだと感じます。購入が資産への投資であるならば、家賃は資産ではなく自由を確保するための保険なのです。

不動産を購入して金銭面で得することはない

ここまでの記事をご覧いただくと分かるように購入と賃貸に優劣はほぼありません。あとは諸経費の運用成績以上に不動産価格が値上がりするかどうかだけです。

値上がりしなくても値下がりしなければいいのでは?という指摘があると思います。不動産は実体のある資産である以上、土地以外は経年劣化が避けられません。新車がもれなく買取価格が購入価格を下回るようにです。

各種統計を見ると不動産は経年に応じて価値が下がる運命(年2%程度)にあります。ですから不動産の価値が下がらないということは不動産市場全体が値上がりするしかないのです。新築価格が上がるから中古価格が下がらないのです。

繰り返しになりますが価格が上がらないと損をする構造は株式などの金融商品を購入することと同じです。多くの人が否定をしますが不動産を買うということは手数料を払って株式を買うことと全く同じなのです。

さらに不動産価格が値上がりする世界経済の状況ならば株価も同じように上昇します。不動産価格は株価と連動するからです。今回のアベノミクス相場を逃した人のように持たざるリスクを回避するためには不動産を所有するか他の金融商品を所有するかのどちらかを選ぶしかないのです。

そうすると購入も賃貸も結局は何かしらの金融商品を買うことになるのです。その金融商品が不動産なのか他の金融商品なのかの違いだけです。

そしてもし世界経済が想定通り成長し続けるのであれば、複利効果があるため諸費用分を1年目から投資できる賃貸のほうが有利になるのです。不動産を購入する方が賃貸よりも有利になるには諸費用の複利分以上に不動産価格が上昇する必要がありますが、複利で増えていく諸経費分に匹敵するのにどれだけ不動産市場が値上がりしなければいけないのでしょう。

この問題を解決するには諸経費の対物件価格に対する比率を下げるしかありません。4,000万円の物件に400万円の諸経費を払うのではなく、1億円の物件に600万円の諸経費を払うのです。そうすれば6%値上がりした時点で後者は諸経費を回収できます。なお前者は諸経費すら回収できません。

もうお分かりだと思います。つまり青山や赤坂など都心の億円単位の不動産を購入することが不動産を購入する場合の最も正しい選択なのです。方々のブログや記事で高くても都心の不動産を購入するしかないと言われているのはこういう根拠があるからです。新築価格の値上がりの可能性がある立地でなおかつ億円単位の物件だけが購入してよい不動産なのです。

ただこのやり方には致命的な欠点があります1億円の住宅ローンを組める人は限られるからです。どんなに正しい選択だったとしても実行できないのであれば選択肢がないことと同じです。

こうして実際には不動産購入を考えている多くの世帯が大きく損をするか、小さく損をするかの2択を迫られているのです。一般家庭が不動産を購入するということは負ける確率が高いゲームに参加することと同じです。

何も好き好んで負ける確率の高いゲームに参加する必要はありません。購入にかかる諸経費をインデックスファンドに投資して、住みたい街の住みたい家を賃貸すればいいのです。不動産市況や金利の変動を気にする必要はありません。損をしない不動産を求めて四苦八苦する必要もありません。節約できる時間の価値は計り知れないはずです。

富裕層ではない大多数の人にとっては不動産を借りることは不動産を購入するより価格下落時のリスクが低く、なおかつ複利効果から金銭的に見返りが大きいのです。リスクが少なくリターンが大きい選択肢があるなら迷わず選ぶべきです。

インデックスファンドの下落を心配される方がいるかもしれませんが、もしインデックスファンドが暴落したなら不動産も暴落しているので安心してください。株が下がるご時世なら不動産を買った人も借りた人も仲良く損をするのです。

むしろ賃貸の方が傷は浅いです。住宅ローンはレバレッジをかけることと同じですから不動産価格が下落している状況で売却の必要に迫られた場合は傷どころではなく人生の致命傷になりかねません。不動産を購入しなくても幸せな人生は歩めるはずです。

本日の終わりに

賃貸よりも購入すべきといえる物件は存在します。しかし現実は一般家庭が該当の物件を購入できる可能性はゼロに等しいのです。都心以外の近郊・郊外の分譲されている物件は残債割れのリスクが多分に含まれており、多くの一般家庭にとって賃貸が最良の選択だと思います。

インデックスファンドが全ての人にとって最良の選択であることと同じように不動産は賃貸することが最良の選択なのです。

勇敢にも近郊・郊外で不動産を購入するというのであれば掘り出し物の物件を見つける必要があります。その難易度は砂金を取るレベルです。はっきり言ってしまうと掘り出し物の物件はSUUMOやHOME’Sには掲載されません。人知れず発生し人知れず消えていきます。

よく自分の購入した物件がいかにお買い得で掘り出し物だったかを自慢する人がいますが詳しく確認すると危ない物件を購入している場合がほとんどです。

図らずも私も2015年に中古マンションをフルローンで購入しましたが「購入代金+リフォーム代+諸経費」以上の値上がりはしていません。せいぜい残債割れが回避できる程度です。リフォーム代の分だけ損しているのです。

また購入と売却を繰り返し差益を享受している不動産すごろくの成功者の存在にも心を惑わされてはいけません。差益が生じるということは相手方は損をしているのです。自分が損する側に回る可能性もあるという事実に目を向けることです。

どの世界にも成功者は一定の割合で存在します。イチローが成功したから自分もMLBで成功できると夢見ることが許されるのは子供だけです。これから不動産探しをはじめる方は「一般人が不動産取引で得することはほとんどない」という現実に目を向けるべきです。自分だけは特別だと思わないことです。

もし不動産を所有することが幸せな人生を送る条件であるならば、モデルルームや街の不動産屋に行く前に病院に行ってください。必要なのは不動産購入のノウハウではなく医師の診察と治療です。

再三再四の繰り返しになりますが、もう一度だけ不動産を購入しないで賃貸で過ごすという選択肢を真剣に検討してみて欲しいと思います。不動産を購入するということはリスクの高い行為であり合理的な行為とは程遠い行為なのです。

序文のとおり世間では不動産は購入すべきとの主張が多数派を占めており肩身が狭いのですが、私のこの震える小さな声が誰かの耳に届けば幸いです。

それでは今日はここまで。最後までお読みいただき本当にありがとうございました!!

36件のコメント

賃貸と購入の検索から辿り着きました。
現状賃貸派ですごしてきましたが、4人家族になると賃貸があんまりなくどうしたものかと思っておりました。
ただこの記事をみて、北関東で損得で悩んでるのは間違いだと思いましたので多少割高でも賃貸でいく後押しをしていただきました。ありがとうございます。
(家賃15万で買うと建売4000万程度の地域です)

嬉しいコメントをありがとうございます。頂いたコメントがこの記事が伝えたかった内容を簡潔に網羅してくれていて、かなり昔の記事ですがこうして今も誰かの役に立っていることに感激しています。おっしゃる通りで「少子化が止まらず人口減少が止まらない北関東で自宅の損得で悩むのは間違い」なのです。

マンション買いたい病をわずらってしまった人やマンションを購入してしまった人は自己弁護からこの記事を苦い薬として遠ざけますが、購入にも賃貸にも中立な人にとってはこの記事は新鮮な気づきを与えてくれます。それを瞬時に理解して体現してくれたコメントに感謝を申し上げます。当ブログには「賃貸でもいい」と納得できるだけの記事がたくさんありますのでぜひ他の記事も読んでみてください!!

今まで賃貸はで、一人法人の役員で借上社宅として都心で30万の賃貸を法人で借りて、8割を損金にしていましたが、今後しばらくは続くであろうインフレで中古マンションを買うことを検討し始めました。
子供の教育レベルの高い幕張ベイタウンの築15年前後の6000万前後で検討していますが、
賃貸は20年6000万円の掛け捨ての支払いが確定しているのに対して、
同レベルのローン支払いである程度残債を減らして売却したとすれば、
20年後に多少は回収できるかなと見込んでいます。
もちろん節税効果などはほとんどなくなるので、
支払い総額の予測は難しいなと思っています。
賃貸 vs 中古マンション購入は2023年現在どのようにお考えでしょうか?

購入と賃貸に対する見解は現在も変わりません。当ブログの趣旨に賛同して賃貸を選び購入に費やす予定だった資金を株式に投資された読者に恨まれたことは一度もありません。日本のマンションの1部屋という個別性の筆頭のような商品に資金を投じるのと全世界の株式市場に資金を投じるのではリスクリターンのバランスが違うのです。

このようなブログを書いている義務感からマンションを4回購入していますが、マンションが儲かるのはレバレッジをかけているからであり、レバレッジを抜きにすれば株式の方がはるかに安全で確率の高い投資先だと実感しています。レバレッジを含めて投資効率を語るような人間の言い分に耳を貸す必要ありません。

8割損金計上と20年後の幕張ベイタウンの資産価値のどちらに賭けるのかという問題であれば答えは簡単です。確率が高い方に賭けるのが勝負事の正しいアプローチだからです。見通せる確率が高い見通しはどちらでしょうか?見通せない方の選択肢に賭けるようなギャンブルはすべきではありません。

教育環境を重視するのであれば幕張ベイタウンと同じ郊外タウンでもある番町や麹町がお勧めです。便利で牧歌的な生活が営めます。20年後の資産価値も幕張ベイタウンよりは予測しやすいです。この返信が少しでもお役に立てたなら幸いです。

はじめてコメントさせて頂きます。
わたし、基本姿勢に関しては名人さんが書かれている内容とまったく同じでして、この20年、賃貸で過ごしてきました。途中、離婚を一度経験しましたが、賃貸で本当によかったと思いました(笑)。

ところが人間、終わりが見えると変化する部分もあるようで、いまがマンションをフルローンで買う最後の機会かも、と気づくと、ギャンブル好きの血がうずいてきました。

50歳、年収は2000万円くらいあるので、おそらく8000万円くらいであれば借り入れはできそうです。ネット系なら35年でも組めるみたいです(驚)。

いま持ってる株を売り、頭金をむりにつくってまで不動産を買う気はありません。ただ、ある程度気に入った新しい(けれど小さな)部屋に損せずに住めるなら悪くない、とは思います。

8000万くらいの都心というと必然的に湾岸になるのですが、この歳で埋立地にオールイン、どうお感じになるでしょうか。この歳まで健康に生きられましたし背負うものもほとんどないので、もし地震や災害で突然アウトになっても仕方ないか、という割り切りはあります。

ちなみに億り人ではありません。食うに困ってるわけじゃありませんが、なんかこう賭けたい部分もあるのだと思います。信用取引よりは不動産のほうが、と。株買うために8000万は貸してくれないですし。

固定で組めばそんなに酷いことにはならないんじゃないかという気もしますし、そもそもこの歳からフルローン組ませるってことはがんサバイバーで勝ちなわけですし、死んだらサヨウナラ、30代の人が(ローンのために)いろいろ犠牲にするよりむしろフラットなディールになるかもしれないと。

名人さんはパーソナルヒストリーも似たところがあるようにお見受けしましたので、是非お考えをお聞きできればと思いました。何卒よろしくお願いします。

離婚すると賃貸の良さを痛感しますよね。企業と同じで固定資産は突発イベントの時に足枷になります。柔軟な人生設計には住居は賃貸一択なのです。

さて、50歳独身でフルローンを使ってマンション購入は大賛成です。明らかに有利な取引です。ただ、含み益に我慢できずに途中で売ることになることになるので、また違うマンションを買うことになります(笑)

その対象として湾岸エリアは最適です。私は総武線愛好家なので湾岸エリアに住むことはありませんが、10年、20年と人気の街であり続けることは間違いないです。湾岸エリアはディズニーランドと同じです。どんな災害があってもその価値を失うことはありません。湾岸エリアはもう確固たるブランドを築いたのです。

あとはマンション選びです。ダメなマンションを選ぶと人気の湾岸エリアでもそれほど美味しい思いをすることはできません。将来も価値が保たれるマンションをお選びください。マンション探しは驚きと興奮の連続でとても楽しいクイズです。最適解を目指して頑張ってください。当ブログは芝浦太郎様のお役に立てるコンテンツが盛り沢山なのでぜひ隅から隅まで読んでみてください!!

はじめまして。現在.新築マンションの購入か、会社補助が5万円ある築20年の分譲賃貸マンションに住み続けるか迷っている者です。新築マンションは、駅前1分で資産価値は下がりにくそうなのですが、管理費、修繕積み立て金が10年間で470万円かかり、11年目には修繕積み立て一時金が100万徴収されるランニングコストの高いマンションです。ただ、不動産コンサルタントの試算結果では、10年後の売却価格が、購入価格とほぼ同等とのことで、ランニングコストが高くても10年で売れば、賃貸コストより安くなり少し迷っています。築20年に住みながら、気長に探すか、コロナも含めたリスクをとって購入するか、餅つき名人さんなら、どの様に考えられますか?また、餅つき名人さんが相談された不動産コンサルタントを教えて頂けれると助かります。お忙しいところ、助言いただきたく、宜しくお願いします

コメントありがとうございます。個人的には家賃補助が5万円も出るなら賃貸一択です。築20年が不満であれば、築浅に引っ越せば問題は解消します。私は都心の新築マンションに住んでいますが同じマンションの別の部屋が私が支払っている金額+5万円程度の家賃で賃貸で出ています。同じマンションの同じ間取りに同額で住めるなら賃貸の方がいいのは当記事に書いてある通りです。

なお、複数のコンサルタントの意見を参考にして自分なりの結論を出すにはある程度の知識や経験が必要です。すでに相談されているコンサルタントの助言を正解として動くことをお勧めします。ご提示された情報を見る限り、判断に必要な情報はもうお手元に揃っているように感じます。まずは自分なりの結論を出してみてください。そしてその結論を家族と議論してください。とし様とご家族がマンションに何を期待しているのかがはっきりしていれば、十分に納得のいく結論に至ります。

また、10年後も購入価格と同額で売れる新築マンションは基本的に存在しません。あるとしたらマンション市場全体が上昇した時だけです。新築マンションで10年後も同じ価格で取引されるような価格設定をしたら担当者は無能なのですぐにクビです。収益の最大化を図れない無能な担当者が所属するような組織が建てるマンションがまともなマンションであるわけがありません。

くれぐれも自分都合で物事を考えないようご注意ください。冷静になるには家族と会話することです。頑張ってください!!

お忙しいところ、助言ありがとうございました。御指摘のとおり、10年後、価格が下がらないのは、相場全体が、上がったときだけです。コロナの影響があるなかで、相場は上がりそうにないですね。家族とも、もう少し相場します。

ありがとうございました。

4年前の記事ですが、今も色あせず、とても面白く拝見させていただきました。
書かれてる通り、世間で声の大きいのは「売買利害関係者」(最近だと湾岸系ブログや不動産紐付きメディアなど)」であり(下手すりゃ政府もそっち側でローンを煽ったりしますからね…)それでも「合理的に見れば賃貸だ」と冷や水wアドバイスをいただけるこのブログはとても貴重だと思います。
いろいろな思い込みが覆され(特に賃貸は仕様が悪いから、老後に持ちマンションがあれば安心、賃貸は捨て金で20万超/月ランニングは高い(諸費用税金いれればマンションも一緒なのに)…はちょっと信じこまされてましたね。怖い怖い。)

このブログのおかげで賃貸派に大きく傾きました。
その上でもし機会があればアドバイスをいただきたいと思うのですが

昔の私は残念ながらこのブログに出会ってませんでしたので、新築マンション既購入者なのですが、某23区でほぼ千葉県(餅つきさん批評の物件では無いですがw)のやや駅遠ですが財閥系で、幸い2013年の底値でリーズナブルに入手でき今も住んでいます。

今後、子どもの進学に合わせて都内の利便性の高い場所に移り住むことを夢見てますが、その際には賃貸を、と思っています(もうよい年ですし、今からフルローンしたらほぼ平均寿命ですしw)
が、その際に、今の物件を「賃貸」で貸すべきか、さくっと売却しちゃうかを検討しています。
賃貸に出せれば相場を見ても現住宅費(ローン/修繕/管理)の合計よりも高くなり、そのお金を次の賃貸と多少相殺できるし、物件資産はそのまま残るし…と皮算用していましたが、餅つきさん理論で言うと、下手に20年とか30年たった郊外物件は負債とも感じ取れたので、高値で売れる時に売っちゃう方がよいのでしょうか?

そのあたり、持ち物件がある際のその物件の処遇について、なにかお考えがあればアドバイスいただけると嬉しいです。

では、引き続き、ブログ楽しみにしています。
…ただ、こんなに賃貸推しなのに(賃貸ブログではなく)新築物件中心のブログなのはなぜなのでしょうか?w他の記事に記載があるかもなのでいろいろ読んでみます。

こんな昔の記事を丁寧にお読みいただきありがとうございます。賃貸派なのに新築マンションのレビューを書いている理由は「客寄せ」のためです。マンション購入奮闘記のどこかで書いた通り、当ブログの当初の目的は「離婚の愚痴を世間に撒き散らす」ことでした。そんなブログを世間様が読んでくれるわけがないので、検索などで流入が見込める新築マンションレビューを始めたのです。

しかし、いつの間にか客寄せ目的の方が人気が出てしまい、書きたくもないのに世間からシャーロックホームズを求められ続けるコナンドイルの気持ちを追体験しています(笑)

さて、所有物件を貸すか売るかですが基本的には売る方がよいです。立地と広さが良ければ貸すという選択肢もありますが、拝見した限りでは売った方がよさそうです。また貸すとさまざまな費用がかかるので結局はほとんど手残りにならないことになることもあります。また空室リスクも見逃せないデメリットです。スムログでふじふじ太さんがピッタリの記事を書いているのでそちらもご覧ください。

なお、心底納得したいのであればプロの意見を聞くといいでしょう。貸すか売るかで迷ってプロに相談した結果、貸すことを選択した読者もいます。ぜひ積極的に相談してみてくださいね^^

さっそくの返信ありがとうございます。
確かに以前「賃貸」時には、使用は人のモノだからと粗くなるしw 経年劣化による専有部の配管修理などいろいろと(逆の立場なら)出費が多そうだったことを思い出しました。そして、仰る通り、うわさに聞く「空室リスク」も見逃せないです。
自分の物件は欲目で素晴らしい物件に見えてしまいますがw 「ほぼ千葉県」「立地がすべて」餅つきさんの評価軸に照らし合わせ、冷静に考えたいと思います。

また、ふじふじ太さんの記事、ですね。ありがとうございます、読んでみますね。
持ち物件を賃貸するかどうかは、餅つきさんのブログなどをみて感じるに、感情的なモノを除けば、残債・修繕想定・所有コスト・相場/賃貸ニーズなどで一定計算できるような気もするので、いろいろと掘って見たいと思います。

不動産はゴリラやオオカミなど厄介な魑魅魍魎が巣くうところではありますが、奥が深く、人生を
豊かにも破滅にも導くこともあり。面白いですね>餅つきさんの話は違ったレベルで奥深く興味深いですがw

客寄せパンダ的に「耳目を集めるフロー情報(新築記事)」を書く、とはとても面白い発想です。
まるで新築マンションで被った多くの被害を、新築マンションを利用することで負債精算させてるようなw
あちらの記事もとても楽しみにしています。

ご指摘の通り不動産は宝石以上の魔力があります。その魔力に取り憑かれてしまった哀れなブログ書きがここにいます(笑)近日中に記事が公開できると思いますのでまた遊びにいらしてくださいね^^

はじめまして。
30代後半にして、不動産購入について初めて考えはじめた者です。非常にわかりやすく参考になる記事でした。一つ質問させて下さい。
1. その物件が35年のフルローンを払い終えた後も住み続けたいと思える物件である。 
2. その物件の資産価値が35年後にゼロになっていない。

この2つの条件を満たす物件(都心が強いでしょうか)であれば、購入のメリット(家賃と比較して割安にできるかもしれない、自分に何かあっても家族が住むところに困らない、老後住むところの心配をしなくて良い)があるのかなと考えていたのですが、いかがでしょうか?
ご意見頂戴したいと存じます。

コメントありがとうございます。ご希望の条件を満たす物件があるのであれば購入したほうが良いのは間違いありません。もちろん35年後の資産価値は第三者のプロに判定してもらうことが前提になります。手心を加えるので決して自分で判定してはいけません。

個人的には35年以上住み続けるのでれば戸建て一択です。土地の価値はゼロにはならないからです。耐久消費財としての住居としてならなおさら戸建てしかありません。もしマンションで35年後の資産価値を期待しているのなら認識を改めたほうがいいです。検討されている街の築35年のマンションを見てみれば私が言いたいことが分かるかと思います。そのマンションを買うかどうかを周りの人に聞いてみるといいでしょう。

好き好んで修繕費が跳ね上がったオンボロのマンションに住みたい人などこの世にはいません。35年後の修繕費がいくらになるのかぜひ調べてみて下さい。タワーマンションなんて信じられない金額になります。そんな跳ね上がった修繕費でも住みたいと思われるには、都心かつ管理が行き届いているいわゆるヴィンテージマンションだけです。

そして厄介なのが、現在の新築でヴィンテージマンションになるポテンシャルのあるマンションはほぼ皆無な現実です。中古ならビンテージマンションを買えますが築35年ではなく経過年数+築35年の超オンボロマンションになるのです。誰がそんなマンションを買うのでしょうか。建て替えができなければヴィンテージマンションですら最後は廃墟になるだけです。

また、老後に住む場所の不安を不動産購入の理由にするのは間違っていますし、自分に何かあった時に家族に家を残せると考えているのも間違いです。老後に住む場所は老後のライフスタイルで決めるものであり、30代で選んだ場所が終の住処ではないはずです。若い頃に買った家を売って引っ越している高齢者が大勢いるのはご存知のはずです。さらに彼らは35年も同じ場所に住んでいないのです。同じ場所にしかも古びていく家に一生住むことを前提に物事を考えるのは固定観念に縛れているのではないでしょうか。

また自分に何かあった時のために生命保険が存在するはずです。不動産を購入しなくても万が一に備えられるのに、なぜ不動産を購入することを保険にするのでしょうか。住宅ローンには保険分の費用が上乗せされていることを忘れないでください。資産価値が大幅に変動するギャンブル要素のある不動産を保険だと認識しているとしたら危険なことです。保険金は価値が大きく変動しない現金でもらうべきであり、遺族が望むのであればその保険金で家を買えばいいだけです。逆に保険金で家を買ったほうが新築が買えます。築20年のオンボロ我が家を残されるより新築に住めるほうが遺族は喜ぶはずです。不動産を購入しなくても遺族は不動産を手にできます。不動産を購入することが遺族に家を残す唯一の手段ではないのです。

不動産を購入する理由はただ一つしかありません。それは「同レベルの部屋の家賃より安く住めるかどうか」だけです。その判定のために当ブログで様々な試算方法を公開していますし、実際の新築マンションでその使い方を事例として公開していますのでぜひ参考にしてみて下さいね。

早速の御返信ありがとうございます。
家賃より割安になるかどうか、この観点に集中して再考してみたいと思います。
ちなみに話は大きく変わるのですが、自分で居住するのではなく、家賃収入による資産運用としての不動産購入についてはいかがでしょうか?
個人的には空室リスクもあるでしょうし、インデックス投資の方が手堅いイメージがあるのですが。

家賃収入を目的とした不動産購入については自分自身で調べてみて下さい。自分で調べて考えることで住居としての不動産購入に対しても気づきが多々あるはずです。投資目的でも自己居住目的でも不動産を購入することの是非は同じであることに気づくかと思います。この記事にもそのヒントは記載していますし、過去のコメントでも不動産投資については見解の述べていますのでぜひ当ブログを隅々までお読みいただければ幸いです^^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です