本日の物件
明けましておめでとうございます。餅つき名人です。本日レビューする物件は「SHINTO CITY(シントシティ)」です。先行してモデルルームに行かれた読者の方から「あまりの安っぽさに幻滅しました」とのご連絡をいただくほどの徹底したコストダウンが図られたマンションです。
しかし一方で、世帯年収1000万円の普通の家庭でも検討できる魅力的な価格が検討者の心を揺さぶります。当ブログに寄せられる「価格相応だと思って我慢すべきなのでしょうか」という読者の声は当物件の検討者の代表的な悩みのようです。
はたして当物件は迷える庶民にとっての正義の味方、つまりヒーローなのか、それとも庶民を食い物にする悪の軍団なのか、レビューを通して明らかにしてみたいと思います。
お断り
当レビューは「夜遊びが大好きな40代バツイチのサラリーマンである私が買いたいか」という偏った上に素人の個人的主観が評価基準です。マンションに求める条件は十人十色であり、私の評価基準が皆さんの評価基準と異なって当然です。
たとえ当レビューの結果が悪くても、ご自身の評価基準で合格であれば迷わずご購入ください。他人が推奨する株を購入して金持ちになった人間がいないのと同じです。他人が言うことを気にするのは自分の判断に自信がないことの裏返しなのです。
阪神タイガースのファンはどんなに弱くても応援し続けます。10戦して1勝9敗でもその1勝を喜ぶのです。マンションも同じです。たった一つの長所が自分と家族にとって価値のあるものであればそれでいいはずです。当ブログの素人レビューを全面的に信じてしまう方がいるのであらかじめお断りしておきます。
>> レビューで使う評価軸はこちらをご覧ください。
>> モデルルームに行く前にこちらをお読みください。
得点
チェック1:東京・品川・新宿まで30分程度→落第
※ 当項目はどれだけ便利な駅なのかという駅力を判定します。
最寄り駅のさいたま新都心駅から東京駅まで34分、品川駅まで44分、新宿駅まで35分ですので落第です。ただひたすらに電車に揺られる郊外生活に耐性があるのであれば我慢できる範囲でもあります。
つまり通勤に1時間もかけているような人にとっては十分に魅力的な交通利便性だということです。もちろんマンションの資産価値維持に欠かせないパワーカップルには見向きもされない交通利便性ですから誤解はしないでください。
チェック2:食べログの店舗数400件以上→落第
※ 当項目は飲食店の数で駅力を測定し、売却時の客付きを判定します。
さいたま新都心駅で検索したところ252件の結果でしたので落第です。前回レビューした豊洲駅も215件という結果であり、新興の街らしい結果とも言えます。
参考までにお隣にある浦和駅だと飲食店の数は744件でした。このさいたま新都心駅と浦和駅の飲食店の数の差を、今後の伸びシロ、と捉えるか、越えられない壁、と捉えるかで当物件に対する評価は変わってきます。個人的には後者だと思いますが明るい未来を夢見るのも自由です。
ちなみに最近ハマって飲み歩いている千駄木駅を調べてみたところ618件でした。千代田線の小さな駅ですらこの飲食店の数です。山手線の内側を買っておけば間違いないという通説は意外に真理なのかもしれません。
個人的にも千駄木に新築のタワーマンションが建設されるならぜひ買いたいところです。ただ文京区ですから近隣住民の反対でタワーマンションが建設されるようなことはないでしょう。
チェック3:駅から徒歩5分以内→合格
※ 当項目は資産価値の土台となる駅距離を判定します。
当物件から最寄りのさいたま新都心駅まで徒歩5分なので合格です。実際に改札から当物件のエントランス付近まで歩いてみたところ、表記通り5分で到着しました。
さらに好意的に感じたのは道中の快適さです。信号こそありますが歩道が確保された平坦で一直線の道中は快適そのものでした。体感的には徒歩5分以下に感じたほどです。子供がいる家庭にとってはこの安全で快適な道はより魅力に感じることでしょう。
ただ、当物件は1,000戸を超える大規模物件です。部屋によっては玄関から改札までの所要時間に大きな差が出ることは注意しなければなりません。
売却時に見学に来た検討者が「エントランスから結構かかるわね」とネガティブなイメージを抱くことになりますし、何より日々の生活が不便です。徒歩5分というデータで浮かれることなく、敷地内の動線も考えて部屋を選ぶ必要があります。
チェック4:安定した地盤であること→合格
※ 当項目は地盤の強度を測定し、自宅が非常時の避難場所になり得るか判定します。
当物件の地盤はローム台地なので合格です。内陸に位置する埼玉県に住む価値は地盤しかありませんから当項目が落第では意味がありません。地盤の悪さを許容できるのならわざわざ埼玉県に住む必要はないとも言えます。
ただ当物件に関しては地盤よりも気にしなければならない問題が土地にありますので簡単に当項目を合格にしていいのか悩ましいのが本音です。
チェック5:残債割れにならないこと→合格
※ 当項目は残債割れのリスクを判定します。
試算結果
購入時 :価格5,700万円(72m2・坪単価260万円)
5年後 :残債4,986万円、売却4,980万円(坪単価230万円)、収支▲6万円
10年後:残債4,240万円、売却4,430万円(坪単価205万円)、収支+190万円
対象の部屋はA棟の最上階です。周辺相場はウィルローズさいたま新都心(駅徒歩7分/築5年/13階/71m2)が4,980万円ですから試算の精度に大きなずれはないでしょう。
結果を見ると購入しても良いとの結論を下すには心もとない差ではあります。ただ、当物件は近隣マンションよりも駅近な上に築浅になりますから中古市場での優位性は間違いなくあります。
条件のいい部屋であればこのくらいの結果になると強気に判断して合格とします。なお着手したにも関わらずレビューを完成させないでいたら、参考にとブックマークしてた中古マンションが続々と成約していました。さいたま新都心駅周辺の中古需要は相当にあるようです。
残債割れリスクが高い可能性(2019.4.10追記)
試算の根拠として使用したウィルローズさいたま新都心(駅徒歩7分/築5年/13階/71m2)が4,680万円にまで値下げしてもまだ売れていません。当物件の残債割れリスクは想定よりも高いかもしれません。
私の周辺の不動産のプロたちに意見を聞いてみると、さいたま新都心周辺の資産価値について想像以上に厳しい見立てをしていたのも気になります。「SINTO CITYを購入するのであれば大宮駅周辺の中古マンションを買うべき」がプロたちの総意なのです。
当物件を検討されている方は残債割れのリスクについて必ずプロに確認してください。場合によっては10年後に残債割れの可能性があります。
>> 中古マンションにも目を向けて欲しいです。
>> 無理のない予算を知りたい方はこちらをどうぞ。
チェック6:家賃よりも安いこと→合格
※ 当項目は賃貸との優劣を判定します。
比較対象はこれまたウィルローズさいたま新都心(駅徒歩7分/築5年/8階/71m2)です。駅距離と築年数を考慮すれば購入が有利である、つまり合格と結論づけてよいでしょう。
ただ、賃貸用の投資物件として成り立つほど際立つ資産性でもありません。住宅ローン控除がなくなり、管理業者への手数料が加えられると賃貸で利益を出すことは不可能です。当物件はあくまで自己居住用のマンションなのです。
ちなみに賃貸でもブックマークしていたプラウド大宮(駅徒歩5分/築5年70m2)の家賃22万円の部屋が早々に成約して消えていきました。シティタワーさいたま新都心をはじめその他の分譲賃貸も続々と消えており、さいたま新都心駅周辺は賃貸需要も悪くないと判断できます。
購入の場合
支払額 15.7 万円(10年固定0.85%)
管理費修繕費 2.3 万円(仮)
固定資産税 1.2 万円(仮)
諸経費 3.8 万円(往復)
専有部修繕費 1.0 万円
ローン控除 ▲3.3 万円
10年後の価値▲1.6 万円(お金が戻ってきます)
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合 計 19.1 万円(10年平均)
賃貸の場合
家賃 19.5 万円
諸経費 2.0 万円(敷礼金・更新料・保険料等)
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合 計 21.5 万円(10年平均)
>> マンションを購入しないという選択もあります。
>> 金利は固定金利の方が安心です。
>> 手付金は満額払ってはいけません。
チェック7:目立つこと→合格
※ 当項目は売却時に指名買いが発生するかを判定します。
当物件はパチンコ屋とエンプラス、しまむらの本社ビルという微妙すぎる建物に囲まれており一抹の不安が頭をよぎります。マンションは周辺環境も含めての存在であり単体だけ切り取ったパンフレットのイメージで判断すると失敗するからです。
ただ、第三街区も含めた1,400戸強の圧倒的な規模は隣のパチンコ屋を犬小屋にするだけのパワーがあります。また、エンプラス、しまむら本社も新築であることを考えればそれほどネガティブになる必要はないでしょう。よって合格とします。
チェック8:柱が室内に食い込んでいないこと→落第
※ 当項目は建物の設計の贅沢さとデベロッパーのヤル気を判定します。
当物件は坪単価200万円台の一般家庭向けマンションです。そのようなマンションで柱が食い込んでいない部屋を期待するのは、吉野家の牛丼の肉に今半の牛肉が使われることを期待するようなものです。
ましてや当物件は購入検討者のお財布事情から逆算して建設された2018年を代表するコストダウンマンションです。食い込んだ柱を殴るなり蹴るなり落書きするなりして苛立つ気持ちを抑えるしかありません。もちろん落第です。
なおベッド派の人はこの柱の食い込みを甘くみてはいけません。以前に読者の方から「柱の食い込みがあったため、手持ちのセミダブルのベッド2台が寝室に収まらず、総額40万円も追加出費をしてキングサイズのベッドに買い換えました・・・」という報告をいただいたことがあります。
柱の食い込みは親知らずのようにチクチクと住民の生活快適性をいやらしく刺激する憎らしい欠点なのです。
チェック9:洗面所の入り口が廊下にあること→合格
※ 当項目は建物の設計の贅沢さとデベロッパーのヤル気を判定します。
ある程度の広さを確保できていることもありますが、デベロッパーの良心が垣間見える間取りです。主幹事である東京建物は住友不動産のように悪魔に魂の全てを売り渡すことはしなかったようです。
もちろん魂の半分は悪魔に売り渡していますので手放しで褒めることはできません。あくまで(悪魔だけに)最後の良心の話です。しかし個人的にはこのデベロッパーの良心はとても大切なものだと感じます。
当物件はあらゆるコストダウンが施されていますが、それでも最低限の分譲マンションとしての品格を備えているのはこのデベロッパーの良心に他なりません。
>> 間取りについてはこちらをご覧ください。
チェック10:家族の思い→落第
※ 当項目は評価者の個人的価値観を満たすかを判定します。
毎回同じセリフになりますが、毎晩のように夜中まで飲んでタクシーで帰宅するバツイチの40代独身男性が住むマンションではありません。当項目は個人的価値観100%で判断する項目ですので落第とします。
反対に限りある予算にも関わらず、交通利便性、資産性、広さ、眺望、日照など、ありとあらゆるものを求めるわがままなファミリー層にとっては十分な魅力があるマンションでもあります。
結果
結果は60点となりました。交通利便性に妥協でき、子供連れのファミリー層であれば80点になるポテンシャルもありますので十分に魅力のあるマンションと言えるでしょう。
読者の方から「想像以上の安っぽさに驚きました。でもそれ以外は気に入っているのです。どうしたらいいでしょうか・・・。」という相談が寄せられるのも納得がいきます。
総評
マンションギャラリーの魔法
マンションギャラリーに行ってみてまず驚いたのが出迎えてくれた女性スタッフの美しさです。前日に飲んでいた歌舞伎町のお店よりも当物件のマンションギャラリーで飲みたいと思ったほどですから相当なものです。
もちろんこれには理由があります。当物件のマンションギャラリーは自然光をたっぷりと取り入れるように設計されており、晴れた日の受付の光はあらゆる女性を美人に見せる効果を持っていたからなのです。
そしてマンションギャラリーと当物件の建設地がほぼ同じであることはとても大きな意味を持ちます。この日照条件が物件の日照条件になるからです。
眩しいほどの日照
モデルルームの部屋の景色は拡大された風景写真であることが常ですが、当物件のモデルルームに用意された3部屋は全て窓から見えるそのままの景色を使っています。
窓から注がれるその眩しいばかりの日照は日当たりを最優先する方にとってはこれだけでもう決断してしまうほどの破壊力を持っています。
私は仮住まいで都心の繁華街にあるワンルームマンションに住んでいますがこの日照にはグッとくるものがありました。これで眺望が良いのであれば郊外でも悪くないと思ったほどです。
なおよりリアルな眺望と日照を確認したい方は当物件の隣にあるボロいパチンコ屋の屋上が駐車場となっていますので、そこから日照と眺望を確認するのがオススメです。
安っぽさは許容範囲(普通の部屋は)
前述の通り何人かの読者の方から「とても分譲マンションとは思えません・・・」との報告をいただきました。そのため期待値ゼロで見学したことが功を奏したのでしょう、最初の2部屋のモデルルームを見学した後の感想は「意外に悪くない」でした。
もちろんツッコミどころは山のようにあります。現実を見ろとばかりに玄関前に置かれたエアコンの室外機には度肝を抜かれました。共用部である廊下に室外機が設置されるのは安物マンションの証ですから、デベロッパー自らがそれを認めたことになるからです。
その他にもソフトクローズ機能のない引き戸、梁だらけの寝室、シャチホコのような便器、床に打ち込まれたウオールドアのストッパー、など数えだしたら両手と両足の指だけでは足りないほどコストダウンされた箇所が見つかります。
それでも都心の繁華街にある築数十年のワンルームマンションで仮住まいをしている私にとっては十分に立派な部屋に見えました。窓からたっぷりと注がれてくる日光があれば全てを許す気にもなります。
結局のところ当物件のコストダウンを許容できるかどうかは、今住んでいる家のグレードよりも上か下かという点に尽きるのです。現在、社宅やアパートに暮らしていて、当物件が初めての分譲マンションだというのであれば当物件の安っぽさを過剰に気にすることはありません。
私はウイスキーに関してはちょっとしたこだわりがありますが、ワインに関してはメルシャンの安ワインを出されても何の文句もありません。ワイン自体が美味しいと感じられないのでどうでもいいからです。同じようにマンションに設備仕様に興味がない方であれば全く問題ないのです。
4LDKの部屋の安っぽさ
ただ、マンションギャラリーには3つのモデルルームが用意されていますが最後に見学する4LDKの部屋は必見です。
営業マン(今回は男性)は「この部屋は1,000万円近くのオプションが使われているので参考になりませんよ(笑)」などと自慢していましたが、「1,000万円を使ってこの程度ですか・・・」と愕然とするほどのハリボテ感はデベロッパーが自ら営業妨害をしているようなものです。
使い勝手の悪そうな間取り変更やインテリアコーディネーターのセンスも問題なのでしょうが、都心の高級物件のモデルルームと比較すると目を覆うばかりの安っぽさなのです。
この4LDKのモデルルームを見たら当物件を検討対象から外す人もいるのではないでしょうか。当物件の最高峰の部屋ですらこの程度であればもはや救いようがないからです。13勝のガルシア(阪神に移籍)の次点がたった6勝の松坂大輔だった今年の中日ドラゴンズの投手陣のようなものです。
買うなら普通の部屋で十分
以上のように4LDKのモデルルームは明らかな失策だと感じましたが、実は一番人気とのことです。世間の人と私の感覚がずれているのがよくわかります。
そんなズレてる感性を持った私にとっては70m2の普通の部屋の方が品質と価格のバランスが取れていると感じました。4LDKの部屋の価格(7,000万円台)を支払えるのであれば他の選択肢が出てくるからです。
さらなるコストダウン時代
立地はいいけど、安っぽい。でも予算的にはこれが精一杯。そんなマンションにも優良マンションはあります。マンションの価値は立地がほぼ全てだからです。次に重要なのは規模でしょうか。
そして、当ブログのレビューでこの条件に該当したマンションは2016年のザ・ガーデンズ東京王子です。
だいぶ前のレビューなので評価軸が今と異なっていますし、少々割高との判定を下していますが、最終的な見立て「これから市場に出てくるマンションの多くは当物件と同じように長谷工施工の低仕様な割に価格は高い」は外していませんでした。
そして当物件もまた同じことが言えます。今後発売される坪単価200万円台の庶民向け新築マンションは当物件以下の品質だということです。
原子炉跡地であること
色々とケチはつけつつも当物件は買ってもいいマンションになるだけの魅力があることを述べてきましたが、この原子炉跡地について触れないわけにはいきません。ただ、私は専門家ではありませんので当ブログで細かく述べることはしません。
私を担当したモデルルームの営業マンはこの話題について一言さらっと触れるだけだったことだけをここに記します。要するに丁寧に説明したくない事項であるということです。
そんな営業マンにこの話題を振っても「厳重に管理されていますから大丈夫です」のような曖昧な回答しか返ってきません。やはり自分自身で調べるしかありません。
直接的な放射能の影響もそうですが劣化ウランを管理している三菱マテリアル社の体質についても調べる必要があります。「隣人は静かに笑う」というタイトルの映画がありましたが、「隣の企業は静かに笑う」では困るのです。
公害や福島第一原発事故に関する書籍は営利企業が信じるに値する存在なのかを学べる格好の教材です。原子炉の建設から撤去に至る三菱マテリアルの対応についても調べなければなりません。
あえて何も調べない
究極的には三菱マテリアルの社員がどれだけさいたま新都心に住んでいるかまで調べることができたら完璧でしょう。中の人の選択が真実だからです。
しかし、科学的に納得できるだけのデータを集めて、さらに正確なジャッジを下せる人がどれだけいるのでしょうか。少なくとも私には無理です。
結局「よく分からないものには手を出さない」という至極まっとうな結論になるだけですから、あえて何も調べないのも立派な選択です。臆病者に女神は微笑まないのです。もちろん無知にかかる税金もまた真なりです。
部屋選びは妥協しない
しっかり調べたうえでの結論だとしても、何も調べなかったうえでの結論だとしても、この土地に住むという選択をしたのなら次の選択が必要です。
何度か述べているように当物件を購入するのであれば日照と眺望が確保される部屋、つまり条件のいい部屋を選ぶ必要があります。交通利便性がイマイチな立地のマンションにおいて居住性まで妥協しては意味がないからです。
また「中古検討者のほとんどは日照、眺望、収納、広さしか見ていない」という私のマンション売却の経験則も根拠の一つです。
営業マンに気をつけろ
もちろん他の人も同じようなことを考えているのは言うまでもありません。条件のいい部屋は抽選になることもあるでしょう。
当物件はすでに要望書を受け付けており、年明け早々に登録が開始されます。このレビューを読んで当物件を検討する人はいないとは思いますが、もし欲しい部屋に要望書が入っていても無視して登録すべきです。
理由は簡単です。当物件は大規模マンションですから妥協さえすればどこかしらの部屋は買うことができるからです。次期以降で売り出される条件のいい部屋もありますから焦る必要は全くありません。
決して巧妙に誘導を仕掛けてくる営業マンの口車に乗ってはいけません。彼らは売り手の代理人であって、買い手(つまりあなた)の代理人ではないのです。マンションギャラリーは真剣勝負の商談の場なのです。勘違いしないようご注意ください。
(追記)決して無理はしない
当レビューを公開したところ「世帯年収1000万円以下でも条件のいい部屋を選んだ方がいいでしょうか?」とのご質問をいただきました。私からの回答は「世帯年収1000万円以下なら新築マンション自体を購入してはいけない」です。たとえ当物件の目玉住戸だったとしても、です。
マンション購入ノウハウのカテゴリで公開している記事をご覧いただきご自身の世帯年収・年齢・家族構成・自家用車の有無を元に冷静に判定していただきたいのです。当物件は自走式の駐車場が売りのマンションであり、多くの方が自家用車を保有しているはずですから世帯年収は+100万円が必要となります。
上記の記事の判定表を見れば、子供が2人いて、自家用車を保有していたら、25歳という若さであっても、世帯年収1000万円以上ないと当物件の一番安い部屋すら買ってはいけないことが分かります。
30歳なら世帯年収1200万円以上、35歳なら世帯年収1300万円以上が必要です。それでも5000万円以下の部屋ならOKなレベルです。とてもではありませんが条件の良い部屋なんて買ってはいけません。
決して自分たちの適正予算の試算を甘く見積もってはいけません。絶対にマンションギャラリーの詐欺師(営業やファイナンシャルプランナー)の言うことを鵜呑みにしてはいけないのです。
(追記)24時間ゴミ捨て不可について
最近「当物件は24時間ゴミ捨て不可であることが契約直前に発覚してショックを受けています。日々の生活への支障もそうですが、資産価値への影響も気なります。契約するか迷っているのですがどうしたらよいでしょうか?」とのご質問を複数いただいています。
私からの回答は「価格と立地のバランスが取れていれば資産価値には影響はない。ただし、売却時に買主に対して丁寧なフォローは必要。」です。
生活利便性の点
順を追って説明します。まず日々の生活の利便性についての影響ですが、これはもう個人の生活スタイル次第なので「その人次第」としか言いようがありません。個人的には24時間のゴミ捨てを要求するような生活スタイルをしていることが恥ずかしいと感じるので、別に24時間ゴミ捨て不可でも全く問題ありません。
反対に共働きで子供がいるようなごく一般的な家庭であれば24時間ゴミ捨ては重要な問題なのかもしれません。戸建てに住んでる子育て家庭はやれていることがマンション住まいだと出来ない理由はないので単なるワガママでしかありませんが、そこもまたその人次第です。
資産価値の点
次に資産価値の点ですが、24時間ゴミ捨て不可であっても大した影響はありません。資産価値は「立地・広さ・日照・眺望」と「価格」のバランスで決まるからです。
よって、残債割れしない程度の価格で売りに出せば問題ありません。もちろん10年後に買値で売れるなどとは思わないことです。当物件は軽自動車のような耐久消費財のマンションです。フェラーリなどの超高級車とは違います。最近は郊外の長谷工マンションで資産性を期待する人がいますが勘違いしてはいけません。
なお、売却時の見学者はほぼ確実に「このマンションは24時間ゴミ捨て可能ですか?」と質問してきます。普通のマンションであれば「YES」と返答すれば済みますが、当物件の場合は丁寧なフォローが必要です。
この辺りは売却時の営業マンに相談して対応してください。できる営業マンであれば抜かりなく対策を伝授してくれます。反対に対策を伝授できない営業マンであれば仲介を依頼してはいけません。
単なるマリッジブルー(取り越し苦労)
ゴミ捨て問題についてもっともらしく書きましたが結局のところこの問題について動揺している人は単に契約前のマリッジブルーに陥っているだけです。当ブログのコメントを見ればわかるようにマンションを契約すると急に不安になるものです。
偉そうにこんなブログを書いている私ですら不安になっているのです。そんな不安定な状況にこのゴミ捨て問題が発覚して過剰に動揺してしまっただけです。実際に住めば指定の時間にゴミを出す生活に順応していくものです。
もちろん本件についてのデベロッパーの対応はいただけないものがありますが、当ブログで再三指摘しているように不動産の営業マンは詐欺師ですから仕方がありません。私たちは詐欺師から人生最大の買い物をするのですから相応の武装をして臨まなければならないのです。
>> こちらの記事の最後に不安について吐露しています。
買うべきか買わないべきか
ゴミ捨て問題で当物件の契約を止めるかどうかを決めるのは個人の自由ですから私がどうこう言うものではありません。個人的にはゴミ捨て問題よりも劣化ウランの存在の方がはるかに大きな問題です。
もしこのゴミ捨て問題で当物件の購入を迷っている人がいるのなら当物件の代替になるマンションがあるかどうかを判断基準にするといいでしょう。代替となるマンションがあるのであればそちらに変更した方が賢明です。ケチをつけたマンションに住み続けるのは想像以上に苦痛を感じるものだからです。
もちろんそんなマンションがあればの話です。あなたがキャンセルした部屋は他の人が喜んで購入してくれますから心配無用です。遠慮なくキャンセルをしましょう。そして10年後にあなたはこう嘆くことでしょう「あの時、SHINTO CITYを買っておけば・・・」と。
文句を言うのはお門違い
毎度のごとく脱線してしまったのでまとめに入ります。冒頭で当物件はヒーローか悪の軍団のどちらだ、と問いましたがヒーローであることは間違いないでしょう。
ただ世知辛い世の中になってしまったので、ヒーローもコストダウンを余儀なくされただけです。例えるなら仮面ライダーがガソリン代を節約するためにママチャリで登場したようなものです。
きちんと怪人を倒してくれるのですからママチャリで登場しようが問題ないはずです。それなのに「なんかカッコ悪い・・・」などと文句を言うのはお門違いではないでしょうか。ゴミ捨て24時間不可に動揺している様子などまさにその典型的な例です。
仮面ライダーが着用しているブーツはメルカリで買ったやつだとか、グローブはブックオフで買ったやつだとか細かいことを言うのではなく、平和になったことを素直に感謝しなければなりません。
ヒーローに完璧を求める気持ちは理解できますが、ヒーローも資金繰りで苦労しているのです。そんなにヒーローの格好にこだわるのであれば出すものを出すべきなのです。当レビューを書いていると、身の程をわきまえる、己を知る、こんな言葉が頭に浮かんできます。
いただいた質問に対する回答
まとめようとして更に迷走するのは当ブログの持ち味ですが、1万字超となりさすがに収集がつかないので本当にまとめに入ります。
読者の方からいただいた「想像以上の安っぽさに驚きました。でもそれ以外は気に入っているのです。どうしたらいいでしょうか・・・。」という相談に対する私からの回答をもってレビューを終わりにしたいと思います。
パークコート渋谷 ザ タワーやTHE COURT 神宮外苑を買えない自分を責めなさい。
餅つき名人迷言集より
終わりに
マンションギャラリー訪問からちんたらと1ヶ月以上もかけていたら2019年になってしまいました。本当は2018年を締めくくるレビューになるはずだったのです。
ただ、個人的な事情もあり2019年の前半はほぼブログの更新はできない見通しなのでこれはこれで良かったのかもしれません。この年末年始の休みでなんとかマンション購入奮闘記の売却編を書き上げたいところですが田中芳樹先生に負けない遅筆ですから無理でしょう。
さて、この素人レビューがマンションを探している方にとって参考になったのならこれ以上の喜びはありません。もちろんマンション選びに正解はありませんので冒頭でも述べたように最終的にはご自身の判断を大切にしてください。
ただ、当物件の購入を決意されたとしても、一度は不動産コンサルタントに相談してみてください。見落としている事実があるかもしれませんし、何も見落としがなければ安心して契約できると思うのです。多くの読者の方が不動産コンサルタントに相談して納得のいくマンションを購入されている事実を目の当たりにして、改めて強くそう思います。
当ブログをご覧いただいている全ての方にとって2019年が素晴らしい年になることを願っています。本年もよろしくお願いいたします!!
人生初めてのマンション購入を目指し、2ヶ月程前から情報収集を始めた者です。ネットの情報を読み漁る中で貴サイトを見つけ、楽しく拝見させて頂いております。
さいたま新都心での物件探しに関するご相談になりますが、我が家でも今更ですがシントシティの購入を検討しております。一方で、こちらの記事にあるとおり今後の地価下落を気にしております。
同じ予算感で浦和駅・大宮駅の中古マンション購入を目指して物件探しを頑張るか、”憧れの新築マンション”ということでシントシティを購入するか、なかなか踏ん切りがつかない状況です。
当記事で紹介されているウィルロールさいたま新都心の物件価格が4480万円まで下がっている(まだ成約していない)ことを踏まえると、やはりさいたま新都心での物件購入はもう少し様子を見た方がよさそうでしょうか。バツイチ男さんの個人的な見解をお聞かせ頂けると幸いです。(大宮、浦和を例に挙げたのは私が気になっているためです)
んなこと知らんがな貧乏人!と辛辣なコメントで構いませんので優柔不断で稼ぎの悪い私に叱咤激励をお願い致します。
ウィルローズさいたま新都心はまだ売れ残っているのを確認できたのは福音です。埼玉県民が地元愛で持ち上げてはいますが現実はこんなものです。1億円以上のマンションが飛び交うように売買されている本当の都心とはものが違うのです。地方にある〜銀座が中央区銀座とは全くの別物であることと同じです。
さてSHINTO CITYですが、ごましお様とご家族が気に入っているのであれば買って良いと思います。マンション購入の正解は人それぞれです。「憧れの新築」とおっしゃっているので新築であることはごましお様にとって大切な要素のはずです。私も新築マンションを購入しましたが満足感は間違いなく高いです。そして買値より値上がりすると2度美味しい思いができます。
新築にせよ中古にせよ様子を見るのは時間の無駄です。しばらくマンション価格は下がらないからです。状況を察するに自分自身で決定することができそうになさそうなので、ここは第三者であるプロに相談してみてください。プロの冷徹な思考はきっとごましお様の役に立つはずです。ご家族で納得のいく決断ができるのを祈ってます^^
餅つき名人さま
さっそくご返信を頂きありがとうございます。マンション購入に向けて背中を押して頂けてとてもありがたいです。さっそく不動産コンサルタントさんへの相談を申し込んでみました。
※貴サイトの「不動産コンサルタントは頼りになるか?」の記事も参考にさせて頂きました。
納得のいく決断ができるよう、自分なりに勉強・情報収集を頑張りたいと思います。
今後とも、ブログの更新を楽しみにしています!