本日の物件
こんにちは、餅つき名人です。
本日レビューするのは「パークシティ小岩ザタワー」です。ちょうど先日に第1期の抽選が終了し、本気の相談は全て片付いたことからレビューを公開いたします。
前作であるアトラスタワー五反田のレビューで30,000文字の大半を五反田グルメの紹介、つまり自己満足120%のマスターベーションに費やしたところ、当然の結果として無反響という結果となりました。これは完全な自業自得です。
今回はその反省を込めて15,000文字程度という前作の半分となるコンパクトサイズでお届けします。当ブログの特徴として、コンパクトサイズのレビューは総じて出来が良い、という傾向がありますので大いに期待してください。
それでは、しばらくの間よろしくお付き合いください。
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評価
チェック1:東京・品川・新宿まで30分程度→合格(補欠)
※ 当項目はどれだけ便利な駅なのかという最寄駅の駅力を判定します。
最寄り駅となるJR総武線各駅停車(黄色車両)の小岩駅から東京駅まで21分、品川駅まで32分、新宿駅まで33分、合計86分です。郊外の駅としては標準的な結果ですが、業界標準である錦糸町と比較すると物足りなさは否めません。
(今回対象)小岩駅 東京駅まで21分、品川駅まで32分、新宿駅まで33分、合計86分
(業界標準)錦糸町駅 東京駅まで9分、品川駅まで19分、新宿駅まで20分、合計48分
(過去最高)神田駅 東京駅まで2分、品川駅まで16分、新宿駅まで12分、合計30分
合計が90分を下回っていることから、おまけで合格とはしますが、小岩駅は乗り換えが必須の不便な駅であることは明確な欠点です。地下鉄がないことも地味ですが大きな欠点です。
通勤・帰宅ラッシュは必ず体験すること
悪名高い総武線各駅停車(黄色車両)の通勤ラッシュは必ず事前に体感する必要があります。通勤ラッシュと同じくらい苦痛な帰宅ラッシュも体感しておく必要があります。
錦糸町に住んでいた時は総武線各駅停車に乗車するのが嫌で、出来るだけ総武快速線を使用していたくらい通勤と帰宅のラッシュは強烈です。金曜の夜の終電は阿鼻叫喚の地獄絵図でしかありません。
総武線各駅停車を利用している人は「意外と大したことはない」などと寝ぼけたことを言いますが鵜呑みにしてはいけません。
彼らはラッシュの時に心を無にするという特殊能力を身につけた武士(もののふ)であり、その領域に達するまでに膨大な苦行を経ているのです。我々一般人がその苦行をあえて経験する必要はありません。
チェック2:食べログの店舗数400件以上→合格
※ 当項目は飲食店の数で駅力を測定し、売却時の客付きを判定します。
小岩駅で検索したところ578件の結果になりました。もちろん合格ではありますが、検索結果に並ぶ店のジャンルを見れば総武線各駅停車の駅がどのようなエリアであるかよく分かります。
品川区に隣接する港区のパンの耳である白金台の検索結果と比較してみても、小岩エリアの特殊性が一目瞭然です。小岩駅はラーメン屋・居酒屋がほとんどですが、白金台駅にはラーメン屋・居酒屋は一切登場しません。
白金台駅から少し歩くだけで目黒駅があるので決してラーメン屋や居酒屋の選択肢がないわけではありません。ラーメン屋や居酒屋よりも高く評価されるお店があるかどうか、という話です。
糖質・脂質・塩分の塊であるラーメンや得体の知れない安酒しか外食の選択肢がない小岩エリアは多様性、つまり豊かさが決定的に欠けているのです。この食べログの検索結果から読み取れる隠しメッセージに目を凝らす必要があります。
本来であればここからマンションの評価よりも人気となった飲食店レビューを展開するのですが、前回のアトラスタワー五反田のレビューでやりすぎてしまいました。また、小岩の街についてはプラウドタワー小岩ファーストのレビューで徹底的に調査しています。そのため今回の飲食店レビューは2店だけになります。
きよ吉(居酒屋)
きよ吉は清く正しい小岩の居酒屋です。血圧が190を超えたと自慢する爺さんと太陽が自転していることを熱く語る爺さんの噛み合わない会話を聞きながら爺さんたちが吐き出すタバコの煙と一緒に飲む酒は、白金台では絶対に味わえない味です。
エビスビールが公式飲料である恵比寿ガーデンプレイスに週に1回以上訪れることもあり、エビスビールのコンディションには一家言ある私ですが、きよ吉で供されるエビスビールは私がいつも飲んでいるエビスビールとは全く別物でした。
早々に赤星に切り替えましたが、この赤星がエビスビールと同額なのですからこの店で飲むビールは最初から赤星にすべきです。
天豆と白エビのかき揚げ、マグロのハラミの串揚げ、980円でこのボリュームの刺身、を赤星や安酒の熱燗と一緒に流し込めば頭と体が小岩モードにギアチェンジできます。
炭火焼肉 大林家(焼肉屋)
小岩モードにギアチェンジした体には焼き肉が欠かせません。きよ吉から新小岩方面に線路沿いを歩いて、線路をくぐった先にポツンと存在する炭火焼肉 大林家にお邪魔します。現地調査でこんなところまで足を伸ばすのは私だけでしょう。
ドス黒いドリップ液が溢れ出てくる自称和牛をありがたく、美味しく、いただくのが小岩の夜の流儀です。普段食べている錦糸町の焼き肉とは似て非なるものですが、これこそが小岩と錦糸町の違いでもあります。無知な輩は錦糸町も新小岩も小岩も同列に扱いますが総武線は各駅で文化圏がガラリと変わるのです。
なお、1.5倍の法則とは小岩の特殊性を言い当てたムーアの法則と同時期に提唱された法則です。1.5倍の法則通りに都心の1.5倍の分厚さにカットされたドリップが止まらない肉を鼻をつまんで梅干しサワーと一緒に流し込む苦行は小岩に住む武士(もののふ)になるための通過儀礼です。
居酒屋と焼肉を楽しんでも1万円でお釣りが来てしまう支払いを経験してしまうと、小岩に建設される当物件「パークシティ小岩ザタワー」の価格に期待を持つのは当然ですが、優しい顔をしてアナルファックを強要する巨人の坂本勇人と同じくらい三井不動産は甘くはありません。
昼飲みが許されるかどうかで街の性質が分かる
昼間から酒を飲んでいる人に対する評価がその街の評価であることに気づいている人はほとんどいません。平日の昼間から酒を飲んでいる人は恵比寿だと「働かなくていい人(成功者)」扱いされますが、小岩だと「働かない人(無職)」扱いされるのはそのためです。
「いいご身分ね」という言葉の意味が違うのです。マンション探しをしている人は検討している街で平日の昼飲みをしてみてください。他人からの視線がその街の性質であり、平日の昼飲みがポジティブに捉えられる街に住むべきなのは言うまでもありません。
チェック3:駅から徒歩5分以内→合格
※ 当項目は資産価値の土台となる駅距離を判定します。
最寄駅であるJR総武線各駅停車「小岩駅」から徒歩3分の立地は合格ではありますが、タワーマンションゆえに駅から近いという感覚にはならないでしょう。この感覚は新御茶ノ水駅に無理やり直結しているワテラスに住めばお分かりいただけます。
部屋からホームまで10分以上要するワテラスよりも、部屋からホームまで4分のパークホームズ千代田淡路町の方が駅から近いと感じるのは不思議な現象ではありません。駅近とはマンション内での移動が少ない低層マンションだけが名乗ることができる特別なものなのです。
当物件は物理的な駅からの距離に比例した利便性を実感できないことは事前に覚悟しておく必要があります。ペデストリアンデッキで駅直結しても実際の所要時間が長ければ、ありがたさは薄れてしまうのです。
チェック4:安定した地盤であること→落第
※ 当項目は地盤の強度を測定し、自宅が非常時の避難場所になり得るか判定します。
もちろん当項目は落第です。あの剛腕で鳴らしたドナルド・トランプ氏であっても当項目を合格にはできないでしょう。東京の東側を居住エリアとして選ぶ行為は安全な大地という不動産の根本を諦めたことに他なりません。
このような項目を評価基準に設置しているように、当ブログとしては安易に地盤に妥協することは慎むべきだとお伝えします。家は家族を守る防空壕(シェルター)だからです。家族が家の中にいれば物理的にも精神的にも安心できることが条件です。
防空壕(シェルター)がどれだけ広くて快適であっても、その防空壕(シェルター)が地下ではなく地上に設置されていたとしたら、その存在価値が半減してしまうことは誰でも分かるはずです。
カステラのような地盤の上に建設される免震のタワーマンションはそのような中途半端な存在です。小岩のタワーマンションで熟睡するには、飲酒運転の車の助手席で熟睡するくらいの胆力が必要になります。
中古マンションを探す人たちの中で、地盤を重視する人たちにとって小岩をはじめとした東京の東側は検討すらされない現実は直視しなければなりません。
何が言いたいのかというと売却時に地盤を重視する富裕層からは相手にされず、その結果として価格が伸びないということです。
チェック5:残債割れにならないこと→落第(補欠の末)
※ 当項目は残債割れのリスクを判定します。
下がり天井を回避する
当物件は多くの部屋に高さ2,100mmの下がり天井が配置されています。この高さは185cmの私がジャンプすると頭が天井にぶつかるくらい強烈な低さです。
特に出入り口のすぐ上が下がり天井となっている間取り、4〜5畳の狭い部屋で下がり天井がある間取りは絶対に選んではいけません。
売却時の内見者が部屋に入る瞬間に手を伸ばして天井に触れて「これは・・・」という苦笑いを浮かべる光景が目に浮かびます。
また、天井高は最上階である30階のひとつ下の29階だけ50mm高いため、当物件で部屋を選ぶのであれば29階が第一候補になります。
線路の音も回避する
そして、線路の音の影響も考慮しなければなりません。線路脇のマンションに住んだ経験から線路の音は慣れるものであることを知っていますが、それは二重サッシであることが条件です。
しかし、当物件は南向きの角部屋のリビング以外はシングルサッシなのです。遮音性能が高い等級を採用していたとしても二重サッシには敵いません。競合物件であるプラウドタワー小岩フロントは二重サッシが積極的に採用されているだけに残念です。
線路の音を極力回避するとなると北向きの部屋になりますが、北向きの部屋の足元には蔵前通りが横たわっています。日照が得られない上に街道沿いの部屋に住む意味を見出すことは私には不可能です。
眺望自体には魅力がない
白金ザスカイのように高速道路が足元に横たわっていても東京タワーが望めるのであれば北向きでも中古市場で評価されますが、当物件の眺望ではそれを期待するのは無理があります。
そうです、当物件は眺望の抜けを魅力の一つにしていますが、眺望自体には魅力がないことに注意が必要です。
ただ単に遠くまで見渡すことができるレベルで眺望がよいと名乗るのは図々しいことです。秋田や山形の戸建ての方が六本木のマンションよりも居住面積が広いと自慢している田舎者と同じです。
80m2を超える広い部屋は貴重
ほぼ千葉県である小岩の広い部屋にどれだけの価値があるかは分かりませんが、総じてタワーマンションで80m2以上の部屋は大変希少です。試しにSUUMOで検索するとよく分かります。
東京の23区東部の築15年以下のタワーマンションで70m2〜80m2の部屋は87件に対し、80m2以上の部屋はたった22件しかありません。SUUMOの物件数には重複登録がありますが、部屋の広さでその確率は変わりませんのでこの件数の差が希少性の証拠になります。
しかし、線路から距離が取れている東向きか西向きの部屋で、2,100mmの下がり天井の影響が少ない29階の80m2の部屋は存在しません。人気が偏り過ぎて第1期での売り出しを急遽取りやめた83Eは主審室の出入り口の天井高が2,100mmであり検討の対象外です。
上手に妥協する
つまり何かしらの妥協が必要になります。妥協するポイントは人それぞれですが、我が家の優先事項は方角です。南向きのタワーマンション高層階に住んだ経験を踏まえても南向きに勝る方角はないと考えています。
ただし、庇があること、中住戸であることが条件です。直射日光の影響を回避でき、冬暖かく夏は涼しい効果が期待できるからです。自分で窓掃除ができないダイレクトウインドウに興味はありません。
候補の部屋
当物件で南向きの中住戸は1タイプしかありませんので自動で決定します。レビュー対象の間取りは82Sタイプ「南向き・3LDK・29階・82.50m2(24.95坪)・11,980万円(坪単価480万円)」となります。
ただし、自費で二重サッシにすること、メニュープランで間取りを2LDKに変更しリビングを22.1畳に拡大します。南向きの広いリビングで過ごす家族団欒の時間に勝る幸せはありません。キャバ嬢と旅行に行くことよりも遥かに幸せな時間です。
なお、この82Sタイプは第1期で無抽選どころか申し込みが1件もない部屋が続出するほどに不人気でしたが、当ブログに相談をくれた読者の方の何人かはこの82Sタイプの高層階を一本釣りすることができました。上手に妥協した読者は無抽選という結果で報われたのです。
試算結果
入居時 :購入11,980万円、売却11,980万円(坪単価480万円)、収支±0万円
5年後:残債10,514万円、売却10,330万円(坪単価414万円)、収支▲184万円
10年後:残債8,973万円、売却8,680万円(坪単価347万円)、収支▲293万円
周辺相場はアルファグランデ小岩スカイファースト(駅徒歩3分/築9年/26階南向き/86.22m2)が10,400万円(坪単価398万円)でSUUMOに掲載されています。また、オークプレイス小岩(駅徒歩2分/築5年/11階北東角部屋/71m2)が7,280万円(坪単価338万円)で掲載されています。
アルファグランデ小岩スカイファーストの売出価格は明らかに当物件の82Sタイプの部屋を意識した欲張りな値付けであり、この価格で成約することはありません。広さや階数の違いや売り出し価格は10〜5%ほど割高であることを補正し、10年後を逆算すると上記の結果になりました。
人によって評価の分かれる結果です。当ブログの将来価値の判定はどこよりも厳しいので、その厳しさを持ってもこの程度の残債割れで済むなら安心と解釈する読者もいるはずです。
私個人としても「南向き・3LDK・29階・82.50m2(24.95坪)」の部屋が築10年で8,680万円で売りに出たら真剣に検討します。この価格が下限と考えていいでしょう。この残債割れするかしないかというピンポイントの完璧な価格設定は三井不動産のプロフェッショナルな仕事です。
残債割れという結果になりましたので当項目は落第ですが、下限で判定しての結果であり、残債割れの金額が限定的であることはポジティブに解釈することもできます。実際に相談をくれた読者の1人はこの結果をポジティブに解釈して購入に踏み切っています。
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チェック6:家賃よりも安いこと→落第(書類選考の時点で)
※ 当項目は賃貸との優劣を判定します。
プラウドタワー小岩ファースト(駅徒歩1分/21階西/築3年/71.25m2/3LDK)が月額24.0万円という信じられない価格でSUUMOに掲載されていました。定期借家契約を疑いましたが普通借家契約です。
一般人にとっては一流デベロッパー(当ブログでは三流)である野村不動産が分譲した、駅徒歩1分のほぼ新築に等しいマンションの家族向け70m2の部屋の家賃が月額24万円であることに戦慄するばかりです。これは小岩の賃貸相場の弱さを裏付けるデータでもあります。
あまりに家賃が安過ぎるので他の物件を調べたところ住友不動産が分譲した免震マンションであるクリスタルマークス(駅徒歩3分/14階西/築10年/70.95m2/3LDK)は月額24.5万円でした。小岩では1m2あたり3,500円程度が相場であるのがわかります。
さて、これだけ家賃が安いのであれば誰もが賃貸を選ぶのは当然です。購入する意味が全くないからです。1m2あたりで2,000円も賃貸の方が安く、さらに賃貸の部屋は駅徒歩1分の大手デベロッパーが分譲したタワーマンションであり、設備仕様で当物件に劣るものでもありません。
よって当項目は明確に落第です。書類選考時点での落第です。なにしろ、レビュー対象の部屋において、購入が賃貸に勝つには残債に対して1,668万円のプラスにならなければなりません。つまり、10年後にレビュー対象の部屋が10,641万円で売却する必要があるのです。
この結果に疑念を抱く人は、築10年の小岩のマンションに1億円を出す物好きが世の中にどれだけいるか、周囲の人にヒアリングしてみてください。また、自分自身がその物好きになれるのか自問自答してみてください。答えは自ずと出てくることでしょう。
もし答えがYESなのであればいますぐアルファグランデ小岩スカイファースト(駅徒歩3分/築9年/26階南向き/86.22m2)10,400万円(坪単価398万円)を購入してください。言うだけなら誰でもできます。有言実行して初めてその主張に価値が生まれるのです。
購入の場合
支払額 33.8 万円(金利1.0%)
管理費修繕費 4.9 万円(仮)
固定資産税 1.5 万円(仮)
諸経費 5.0 万円(往復)
専有部修繕費 1.0 万円
ローン控除 ▲1.7 万円
10年後の価値 2.4 万円(残債割れで追加支払い)
=====================================
合 計 46.9 万円(10年平均)1m2あたりで5,684円
賃貸の場合(同じ広さに補正しています)
家賃 27.8 万円(管理共益費込み)
諸経費 2.8 万円(敷礼金・更新料・保険料等)
=====================================
合 計 30.6 万円(10年平均)1m2あたりで3,709円
月額47万円払うなら
なお、都内にある目黒駅の同程度のマンションを調べてみるとブリリアタワーズ目黒(駅徒歩3分/26階南東/築7年/73.45m2/3LDK)が月額50.0万円であり、1m2あたり6,800円程度の相場です。本当の都内と比較すると小岩がいかに家賃が安いエリアであるかお分かりいただけるでしょう。
そして、月額50万円程度の家賃を払う資力があるのであれば、月額47万円で小岩駅徒歩3分の82.5m2の部屋(ほぼ千葉)と月額50万円で目黒駅徒歩3分の73.45m2の部屋(本当の都内)のどちらに魅力を感じるかという話でもあります。
多少狭くても目黒(本当の都内)を選ぶ人がほとんどではないでしょうか。
>> マンションを購入しないという選択もあります。
>> 金利は固定金利の方が安心でしたが今は変動金利一択です
>> 手付金は満額払ってはいけません。
チェック7:目立つこと→落第
※ 当項目は売却時に指名買いが発生するかを判定します。
マンションを購入する場合、公開した売却ノウハウで指摘しているように「実需・投資・相続」の3つの用途を満たすエリアを選ぶことが肝心です。その上でさらに指名買いがされるような突き抜けた魅力が必要です。
小岩というエリア内であれば、当物件はエリアNo. 1なので突き抜けた魅力はあります。実需においては一定の需要があることは間違いありません。現に当物件と販売開始されたプラウドタワー小岩フロントと当物件を比較して、当物件を第一希望としている読者は複数います。
しかし、投資と相続においては問題があります。前述のように賃料の低さは投資家の需要に応えることはできません。
また、賃料が低く、残債割れリスクがあるようなエリアでは相続対策の意味をなさないため、相続対策の需要に応えることはできません。ゆえに当項目は落第となります。当物件は建物と立地こそ立派ですが、立地の基盤であるエリアとなる小岩の価値がいまいちなのです。
チェック8:カップボードが標準装備または柱が食い込んでいないこと→合格
※ 当項目は建物の設計の贅沢さとデベロッパーのヤル気を判定します。
デベロッパーのやる気を測るシグナルが専有部と共用部の設備仕様です。キッチンのカップボードは一つの目安になります。まともなマンションであればカップボードは標準装備になっているものです。
最高級マンションである三田ガーデンヒルズは29m2の1ROOMにもカップボードが標準で装備されています。カップボードはデベロッパーから購入者への手土産のようなものであり、最低限の礼儀です。
当物件は合格です。カップボードセレクトという無償オプションでの対応ではありますが実質的な標準装備と判断します。なお、この不思議な対応の理由はマンションギャラリーで教えてくれます。再開発ならではの苦労話を聞くことができます。
次は柱の食い込みのチェックです。タワーマンションが主流となった昨今において柱は大なり小なり食い込みます。タワーマンションを評価する際は柱の食い込みの影響を最小限にするよう配慮されているかに重点を置いてチェックする必要があります。
当物件はタワーマンションにしては多くの間取りで綺麗に柱が外出しされています。しかし、すでに指摘したように強烈な下がり天井の影響は見過ごすことができません。下がり天井もまた柱の食い込みの一種だからです。下がり天井が気になる人にとっては当項目は落第になります。
なお、評価対象の82Sタイプの間取りに限れば、29階でメニュープランで2LDKに変更することで下がり天井の影響はほぼ皆無にできます。言い換えれば当物件を購入するのであれば是が非でも29階にする必要があるのです。
チェック9:洗面所の入り口が廊下にあること→合格
※ 当項目は建物の設計の贅沢さとデベロッパーのヤル気を判定します。
当項目は合格です。間取り図を見れば60m2以上の間取りであれば問題ありません。一方で60m2以下の間取りは手抜きをしています。
狭い部屋と広い部屋で間取りに格差をつけるのは、当物件が高級マンションとして設計されていないことの証明でもあります。エリアNo.1のマンションですら高級マンションではないという事実は、小岩は実質的には千葉県である、という三井不動産の冷徹な評価です。
>> 間取りについてはこちらをご覧ください。
チェック10:家族の思い→落第(妻の反対で)
※ 当項目は評価者の個人的価値観を満たすかを判定します。
総武線応援団の団長として当物件を購入することは使命だと考えていましたので、妻も引き連れて買う気満々でマンションギャラリーに訪問しました。
マンション自体には妻も納得してくれたのですが、現地において妻が拒絶反応を示すイベントがいくつも発生したことで当項目は落第となってしまいました。
虫人間
妻が拒絶反応を示した原因は小岩の人口の何割かを占める虫人間です。虫人間とは人間の姿をし、人間の言葉を話すけれど、人間とは違う行動原理で行動する、人間以外の存在です。
どの町にでも生息していますが、出現率はドラゴンクエストで大量の経験値が稼げるレアモンスターであるメタルスライム程度の確率しかありません。つまり滅多に遭遇することはありません。
しかし、小岩での虫人間の出現率は普通のスライム程度の確率に跳ね上がります。これからたった1日で遭遇した虫人間のエピソードを3つご紹介しましょう。
1匹目:薬中ゾンビカップル
我が家は車を保有できないほどに貧しいため移動は電車やタクシーを活用します。もちろん当物件のマンションギャラリーにも電車を使用して訪問しました。
小岩駅で下車した後、ベビーカーがあるためエレベーター待ちをしました。エレベーターが到着したので乗り込もうとしたところ、横から男女2人が割り込んできたのです。
すでにエレベーターは別のベビーカーが搭乗しており、この男女2人のせいで私たち家族はエレベーターに乗ることができませんでした。
割り込んできた男女2人のうち、女性は阿佐ヶ谷姉妹を不潔にした風貌、男性はアインシュタインの稲田から知性を除いたような風貌です。一言で言えば「麻薬中毒者っぽいゾンビのような風貌」です。
総武線愛好家としては「虫人間ゲットだぜ!」と舌なめずりをする場面ですが、虫人間に耐性のない妻はあまりの出来事に呆然としていました。なんとか絞り出した一言は「何が起きたの?」です。確かに目黒駅周辺でこのレベルの虫人間には遭遇することはありません。
2匹目:横断歩道独占男
続いてはマンションギャラリーの訪問後のエピソードになります。子供のおやつであるバナナを忘れたので妻が道路向こうのコンビニでバナナを買って私と子供のところに向かってくる最中に次なる虫人間が登場しました。
妻が横断歩道を渡っていると、妻の行手を遮るように横断歩道の真上に車(白のアルファード)が停車したのです。そして、その車からはドライバーの家族と思しき妻と子供が悠々と悪びれもせずに降りてきます。
アルファードの運転手は寺島進から成功の匂いを消してシンナー中毒にしたような風貌です。その妻と子供の風貌も強烈です。2024年に辰吉丈一郎ヘアーの子供を見ることができるのは日本全国でも小岩だけでしょう。
家族を無事に送り出した充実感から、シンナー中毒の寺島進は車の窓から出した右手のタバコをうまそうに吸ったあと、吸い殻を道に投げ捨て、ルパン三世のOPのように颯爽と去って行きました。
そして、横断歩道の真ん中でバナナを手にして呆然と突っ立っている妻はもはや何も言葉を発することができませんでした。
3組目:逆恨みババアと暴力的な伊達みきお
そんな茫然自失の妻をさらなる悲劇が襲います。小岩駅の改札を通り、ホームに行くためのエレベーターに乗ろうとしたところ、またもや割り込んでくる虫人間がいたのです。今回の虫人間はだらしない草笛光子のような老婆です。
ブチ切れた妻が「ええ加減にしいや!!」と関西弁で一喝したところ、だらしない草笛光子は渋々の表情を隠さないままエレベーターから降りたのです。
しかし、話はここでは終わりません。虫人間は人間とは違う行動原理で行動する人間以外の存在です。なんとこのだらしない草笛光子はエレベーターのドアが閉まりかけたところでボタンを押してきたのです。
もちろん閉まりかけたエレベーターのドアは再度開きます。そしてわざとらしく「あら、ごめんなさい」と煽ってくるのです。
さらに、このやり取りが何度も繰り返されます。エレベーターのドアが閉まりかけると、だらしない草笛光子はボタンを押してきます。もはやシャイニングのジャックニコルソンです。
ブログで披露する小岩エピソードが充実するので「虫人間ゲットだぜ!いいぞ草笛光子、もっとやってくれ!!」と歓喜に打ち震えていたのですが、エレベーターに同乗していた笑顔のないサンドイッチマンの伊達みきお(エレベーターに乗る必要がないくらい元気。お前が降りれば全てが丸く収まる)の「殺すぞ、ババァ」の一言でだらしない草笛光子の攻撃は終わってしまったのです。
正味で数分のタイムロスでしたが、この一件で乗れるはずの電車に乗ることができませんでした。都心方面に消えていく電車の後ろ姿を眺めながら、ベビーカーのハンドルを握りしめた妻が呟きます。「絶対に無理!絶対に無理!!」と。
想像してみてください。なんてドラマティックな光景でしょう。エモいという言葉はこの時の妻のためにあるのだと確信しました。そして、我が家が小岩に住む可能性は未来永劫においてゼロとなったのです。
小岩は外国
昨今の退屈な邦画よりもドラマチックなイベントのオンパレードに、私の興奮度合いはフリーで入店したのにNo. 1キャバ嬢がやってきた時くらい最高潮でした。
虫人間に遭遇することは総武線沿線の街の住人にとっては日常茶飯事です。むしろ、総武線沿線の街が今住んでいる街と同じだと思い込んでいる方が問題なのです。
以前に麹町にお住まいの読者が同じ千代田区だからという理由で神田の新築マンションを購入されましたが、麹町と神田のあまりの違いに「今すぐ麹町に帰りたい。。。」とノイローゼになりかけたことがありました。(その後、神田から番町にお引越しされました)
当物件の評判を聞きつけて小岩に住み替えを検討している相談者の方たちもこの勘違いをしているケースが散見されます。今住んでいる周辺環境はそのままに、今よりも月々の支払額が安く、部屋の広さや利便性が向上したマンションに住めると無邪気に思い込んでいるのです。
しかし、この無邪気で楽観的な考えは日本国内の治安と同じ感覚で海外旅行に行くほどに危険です。当ブログの小岩と新小岩のマンションレビューで読者の方から寄せられたコメントのとおり、
当物件ご自慢の屋上公園も虫人間たちによって大いに荒らさられることになります。ある日突然、空中ブランコの周りに立ち入り禁止のテープが張り巡らされることでしょう。
ポイ捨てされたタバコの吸い殻や酎ハイの空き缶もまた屋上公園のオブジェの一つになります。そして、屋上公園は村上隆のアート作品のようになるのです。
小岩は明確に特殊な街です。その小岩に常識を当てはめて判断することは間違いなのです。小岩は国内ではなく外国なのだと認識を改めてください。
>> 小岩と新小岩の虫人間エピソードもご覧ください
結果
結果は50点となりました。同レベルの設備使用でなおかつ月々の支払額が購入よりも安い賃貸という選択肢がある中であえて50点のマンションを購入する理由を私は見つけることができません。
残債割れの判定を甘くすることで60点まで得点を伸ばすことはできますが、それでも購入が賃貸に勝つことはなく、小岩に住居を構えるのであれば常識的に考えて賃貸一択です。そもそもの話になりますが、月々50万円程度の支出が平気なレベルの収入や資産があるのであれば、わざわざ小岩に住む理由はありません。
一例として品川区No. 1マンションである、ブリリアタワーズ目黒(駅徒歩3分/26階南東/築7年/73.45m2/3LDK)を提示したように、月々50万円程度を住居費に費やせるのであれば都内という選択肢が視野に入ってくるのです。
総評
テナント誘致に三井不動産は無関係
予算の都合で当物件を検討することになった方が現地調査の際にまず最初に訪問すべき場所はマンションギャラリーではなくシャポー小岩です。
ぜひシャポー小岩で深呼吸してみてください。心が晴れやかになるなら小岩に馴染む体質だと判断してOKです。
小岩駅直結の商業施設であるシャポー小岩のテナントは小岩そのものであり、施設全体にうっすらと漂っている安い業務用の油の匂いこそが小岩の匂いだからです。家族全員が同じ感想であれば完璧です。
当物件の商業施設はそんなシャポー小岩と同レベルだと事前にハードルを下げておく必要があります。当物件は商業施設を足もとに有することが特徴の一つですが、その商業施設のテナント選びに三井不動産がほぼノータッチだからです。
テナントは地権者、つまり素人が自分たちが勝手に別々に選ぶのです。ららぽーとなどの三井不動産が手掛ける商業施設のような統一感は期待できず、郊外によくある不便でチグハグで退屈な商業施設になる可能性があります。
はっきり言って当物件の商業施設の充実度に期待できません。
再開発で小岩が生まれ変わるという言説に対する違和感
読者から「再開発で小岩は別の街に生まれ変わると聞きました。将来性に期待してよいのでしょうか」と無思慮で無神経な質問が届きます。しかし、この「再開発で小岩が生まれ変わる」という言説に違和感を感じるのは私だけではないはずです。
自分自身の頭で考えることができる人であれば「将来便利な街より、いま便利な街の方が100倍よい」という結論を1秒で導き出せます。そもそもの話ですが小岩の再開発は利便性を向上させるものではありません。
総武快速線が停車するわけでもなく、地下鉄の新駅ができるわけでもなく、すでに買い物する環境は整っている小岩が、駅前にタワーマンションが林立するだけで何が変わるのでしょうか。
穴場の街と言われ続ける街は交通利便性も生活利便性も向上しないからという現実を無視してはいけません。
小岩に対して敬意が足りない
また「再開発で小岩が生まれ変わる」という言説は小岩が黒から白に変わるという意味であり、現在の小岩は黒であると言っているのです。小岩に対して敬意が足りない大変失礼な話です。
再開発で小岩が生まれ変わると主張する人間は極彩色をまとっていたギリシャ彫刻を真っ白に漂白したイギリス人くらい愚かな存在です。
彼らはこの耳障りの良いキャッチーなフレーズを、人々の耳目を集めるがため、つまり承認欲求を満たすために使用しているに過ぎず、本人は小岩にまったく興味はないのです。
街に対する解像度が低く、紋切り型のコピペのような表現しかできない、そんな人間の主張を頼りにする不勉強さを恥じなくてはなりません。
味わい深いのが小岩
キャバクラという何の価値も生まない無意味な施設を愛する私にとって、何でも白黒はっきりつけたがる昨今の風潮は息苦しいものがあります。
世の中には右でも左でも真ん中でもない位置があるのです。黒でも数百種類の黒があるのに黒は1つしかないと考えている人が多過ぎます。
確かに小岩で飲むエビスビールは恵比寿で飲むエビスビールと味が違います。しかし、その味が不味いわけではありません。もちろん美味しいとも違います。味わい深いという表現が適切です。不味い・美味しいとは異なる味のビールが小岩にはあるのです。
私は小岩で酒を飲むのが大好きです。小岩は祖母の家に遊びに行った時のような何とも言えない安らぎがあるからです。
祖母の作る手料理は微妙な味のものもあります。この微妙な味の手料理は駄目な料理なのでしょうか。祖母の手料理を不味い・美味しいで評価することに意義はあるのでしょうか。
そこがいいんじゃない!
小岩の存在を飲食店に例えるのであれば「やよい軒」ほど最適な飲食店は他にありません。500円以下の朝食で1日分のカロリー2,000kcalを摂取できることで有名なのがやよい軒です。
そのため、客層の大半が虫人間です。特に音を立てて咀嚼するクチャラー様の比率が驚くほど高いことで有名です。狭いカウンター席の両隣でクチャラー様の二重奏を聴きながらの食事は不愉快を絵に描いたような光景です。
しかし、真のやよい軒ファンはクチャラーが奏でる「クチャクチャ」「ネチャニチャ」という音がある方がむしろ食欲が湧いてくるのです。美味しそうに飯を頬張るクチャラーを観察して、自分自身も音を立てて咀嚼してみる遊び心すら生まれてきます。
現代の一休宗純こと、みうらじゅん氏が言う「そこがいいんじゃない!」の精神と言えばほとんどの方は合点してくれることでしょう。
相手を尊重し敬意を忘れず、欠点や不完全さに美を見出す日本的な美意識でもある、この高度な仏教的悟りこそが小岩に住むうえで最も大切なノウハウです。
よく欠点のある街に移住する人が自分自身に言い聞かせるように、自分自身の判断を正当化するように、「住めば都」と言います。
しかし、「住めば都」とは街に順応するための努力をした人がたどり着ける悟りの境地であり、何も考えず、何の努力もせず、怠惰にその街に住むだけでは決して辿り付くことはありません。
新築マンションはデベロッパー様の完全掌握下
さて、皆さんもすでにお気づきだと思いますが、三井不動産は東京近郊で予算ごとに顧客を分散させる壮大な作戦(網)を展開しています。予算ごとに顧客をそれぞれの自社物件にはめ込んでいるのです。
具体的に書くと、中野(坪700万円台) →豊海(坪600万円台) →小岩(坪400万円台) →市川(坪300万円台)→海浜幕張(坪200万円台)の順です。
そうです、当物件(小岩)は中野や豊海を買えない人の受け皿なのです。中野や豊海が高くて買えない人が当物件の価格を見たら「安い!!これなら買える!!」と錯覚することを三井不動産は見越して価格設定をしています。
しかし、当物件が小岩の周辺相場からかけ離れているのはすでにチェック7・8で触れているとおりであり、決して適正価格ではありません。中野や豊海と比較することが根本的に間違いなのです。
「おかめ納豆 国産丸大豆納豆」が百貨店だと161円だから、139円なら安いと勘違いするのと同じことです。近所のいなげやなら100円以下で購入することができるのです。
三井不動産が当物件を庶民向けに提供する気など毛頭ないことは一目瞭然です。当物件の販売計画が中野や豊海が完売した後も続くことを想定されているのは偶然ではありません。
三井不動産自身が長期戦を前提にしているという事実は当物件が即日完売しないくらい高値であることを三井不動産自身が認めているようなものなのです。
不動産バブルのピークここに極まれり
バブルとは俗的な表現であり正確に表現するなら価格上昇局面となります。パークタワー勝どきのレビューで以下の発言をしていることを覚えている方はいるでしょうか。
坪単価200万円が周辺相場の東京23区の末端である小岩・新小岩エリアで坪単価400万円の新築マンションが誕生したらまさにバブルのハイライトとして相応しい出来事だからです。
>> 不動産価格のピークは小岩の価格でわかるのです
そうです、その時がまさにやってきたのです。特殊な部屋を除けば、ドル円が200円に到達するような極端な円安にならなければ、小岩・新小岩のマンションを坪単価500万円で買うような人間は世界中を探してもどこにもいません。中古であれば尚更です。
そして、すでに小岩で坪単価400万円に到達してしまった以上、人生最後の棲家と決めている大本命である新小岩の三井のタワーマンションは坪単価500万円台になることは間違いないでしょう。
マンション価格は横ばいの時代へ
中途採用者の書類を見ていると、このキャリアでこんな年収を希望しているのか、と驚くことが最近は多々あります。新卒に毛が生えたような、補助的な仕事しかしていない人間が驚くほど高い年収を要求してくるのです。
そして、キャリアと職責に見合った現実的な年収を提示すると、その希望年収で他社が採用することが続いています。そうでもしないと中途採用者は採用できないのです。
コロナ禍を経て4年間で私の会社員としての年収が2割ほど上昇したように、多くの会社員の給料は2割以上も上昇しています。今後4年間でさらに年収が2割上昇するとは思えませんが、人材が枯渇しているこの状況において年収が2割下がることもありません。
マンションの需要を支える会社員の給料が下がらないのであれば、デベロッパーが価格をコントロールできる新築マンションの価格が下がることはありません。
そして、マンション価格の上限となる新築マンションの価格が下がらないのであれば、自ずと中古マンションの価格も下がらないことになります。
当物件を購入する人は真の勝ち組である
マンション市場全体の価格が上昇も下落もせず、横ばいとなるのであれば、耐久消費財の側面を持つマンションは築年数に連動して価格が下がることになります。そのシミュレーション結果はチェック7で示したとおり、残債割れです。
また、チェック8では当物件と同等の分譲マンションの賃貸部屋の方が月々の支払額が安く済むという結果になったように、経済合理性で当物件を選ぶ理由はありません。さらに、当物件を購入した場合の月額47万円は、小岩よりも利便性の高い都内の賃貸相場でもあります。
しかし、経済合理性では決して選ぶべきではないマンションをあえて購入するという行為は資産価値ばかりを重視する昨今のトレンドに背を向けた反逆的で尊い行為であり、多額の寄付が成功者の証であるように、経済合理性に劣る当物件を購入することは人生の真の勝ち組でしか実行できない行為です。
飲食店を不味い・美味しいの二元論でしか語れない人間、マンションを値上がりするかどうかでしか判断できない人間の言うことなど気にする必要はありません。選び放題の新築オプションを楽しんで、当物件に引っ越した暁には小岩の街を思いっきり楽しんでください。
もちろん、虫人間に遭遇したら大きな声で合言葉「虫人間ゲットだぜ!」を叫ぶことを忘れないでください。汚い居酒屋の中からサムアップをしている暴飲暴食を重ねた玉木宏がいたらそれは私です。
終わりに
お疲れ様でした。前作のプラウドタワー小岩ファーストよりも随分とすっきりしたレビューになったと思います。小岩という街は大変に懐の深い、味わい深い街であり、1日程度の現地調査ではその深みを知ることは決してできません。
当物件を検討されている方は何度も現地調査を繰り返して小岩の本質を掴み取ったうえで決断してください。今回のレビューでお伝えしたノウハウがその決断の一助になれたならこれ以上の幸せはありません。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。他の記事もぜひ読んでみてくださいね!!
>> 不動産のプロに頼るメリットはたくさんあります
>> 反対に相談してはいけないプロもいます
いつも拝見しています。
再開発しても、そこに集まってくるひとがすぐ変わるわけではないですから。
小岩が徐々に変わっていくのか、それともタワマン以外は虫人間の巣窟のままなのか、どうなっていくかは興味あります。
さて、パークシティ中野の記事化ご予定はございますでしょうか???
こちらも三井の大規模再開発な上、総武線沿線という共通点があります。
ぜひ餅つき名人先生にぶった斬って欲しいです。
リクエストをありがとうございます。小岩はタワマン住民と虫人間と共存する楽園であってほしいと願っています。別の方がコメントしてくれたように、壮大な実験が当物件です。小岩の未来が再開発の未来を決めるのでこれからも小岩通いは定期的に続けていくつもりです。
さて、パークシティ中野ですが完全に出遅れてしまいました。独身時代であればキャバクラレビューが充実したのでしょうが、妻帯者となってしまった今となってはキャバクラに行くのは命懸けです(笑)どのような形でご期待に添えることができるか考えてみます。
これからも当ブログをよろしくお願いいたします!!
今回も抱腹絶倒でした。
私は総武線住民ですので、総武線応援団です。
新小岩ですが
うなぎの和友の大ファンです。小岩に新しく住む方にオススメしたい。まさに1.5倍の法則、いやそれ以上お腹いっぱい鰻重を楽しめる店です。小岩に住む価値のひとつになりうると信じます!
楽しいブログありがとうございます。次回作も楽しみです。
いつもコメントをありがとうございます。神がかかった内容になりましたが、これは小岩の魔力が書かせたものです。他のエリアではこれだけのレビューを書くことはできません。結局のところろ当ブログも小岩に踊らされているだけなのです。
新小岩では別の行きつけの鰻屋がありますので、うなぎの和友は未訪問です。パークタワー新小岩のレビューの現地調査の際にはぜひ訪問して感想を書きたいと思います。引き続き当ブログをよろしくお願いいたします!!
生まれも育ちも葛飾区民ですが、虫人間の下りは大変興味深いものです。
なにせ公立小、中学校に行くともれなくクラスの1割は虫人間の子供だからです。
もし小岩への移住を考えているのであれば、教育のレベルが下がることは必ず留意するべき事項です。
私立に進学するのであれば影響は減りますが、それでも近所の子供の教育レベルが低いことは子供に悪影響を与えます。
実際、大学への進学率は足立、葛飾、江戸川がぶっちぎりで悪いです。
なので小さいお子様がいるご家庭は特に注意が必要です。
また、物価も低く意識も低いため、私のような他人を見下すのが好きな人間には丁度良いですが、東京の西側に住んでいるオシャレな人々には到底お勧めできません。
小岩で1億も払うならいくら駅から遠くても荒川、できれば隅田川より西側に住むべきです。
シティテラス新小岩のレビューで葛飾区の虫人間たちを紹介していますので大いに賛同できるご意見です。巷では不勉強な輩が立石の再開発で浮かれていますが葛飾区の本性を暴くレビューを予定していますのでぜひまた遊びにいらしてくださいね!!
虫人間のくだり, 爆笑しました!
私も昔マンション(江戸川区ではありません)を見に行った際に立ち寄ったスーパーで
「トイレで飲酒するな」という張り紙を妻が見て「絶対に無理」と宣言したのをふと思い出し,
懐かしいな, と思わずコメントしてしまいました.
スカイデュオの記事も楽しみにしています!
爆笑していただけて何より嬉しいです。みなさん似たような経験をされているようで、このレビューを公開してから続々と各地の虫人間エピソードが寄せられています。スカイデュオのエリアである晴海で虫人間に遭遇する確率は低いとは思いますが、隠れ虫人間は相当にいるはずなのでその辺りをレポートできればと考えています。スカイデュオのレビューは涼しくなってからの公開になりますがご期待ください!!