中古マンションのススメ

はじめに

読者からの質問

読者の方から「新築マンションは高過ぎます。でも中古は絶対に嫌です。どうしたらいいでしょうか?」というお問い合わせをいただきます。

中古はよく分からない

そして「中古は絶対に嫌だ」という理由を聞いてみるとこんな答えが返ってきます。()のコメントは私の心の声です。

  • 室内の設備が古い (新築の設備も安物ですよ?)
  • 他人の生活臭がする (ハウスクリーニングしたことあります?)
  • 永住できるか不安 (マンションに永住って正気ですか?)
  • 仲介手数料がもったいない (新築の一括修繕積立金等の費用は無視ですか?)
  • リフォーム代がもったいない (オプションなしで新築に住む気ですか?)
  • 中古は騙されている気がする (新築の営業マンも相当なの知ってます?)
  • 新築の方が住民と仲良くなれる気がする (素性も知らない人間と?)
  • 同世代の家族が多い方が何かと安心 (中古マンションには老人しかいないとでも?)
  • 新築の方が気持ちがいい (日本は信仰の自由が認められています)

要するに中古マンションに対する理解が足りないのです。ジャワカレーくらいの辛口で突っ込むなら「無知であることを棚に上げて感情論で中古を嫌っているだけ」なのです。もっと言えば新築と中古のメリット・デメリットを理解した上で新築がいいと主張しているわけではなく、単に中古はよくわからないから新築の方がいい(はず)、と主張しているだけなのです。

中古の良さをご紹介します

というわけでこれまで連絡をいただいた都度お伝えしていた中古マンションの良さを記事にすることで、少しでも中古マンションへの偏見を払拭していただきたいと思います。それでは、しばらくの間よろしくお付き合いください。

不動産を選ぶ大前提

不動産を選ぶことは街を選ぶこと

新築にこだわる方は新築マンションを探して東西南北を奔走します。つまりマンションに合わせて自分たちの住む場所を決めるのです。これを本末転倒といいます。

本来であれば「学区よし」「交通利便性よし」「資産価値よし」「地位よし」の街を見つけ、そこに住むために賃貸か購入で悩むのです。そして購入することが経済的に心情的に合理的であれば、戸建かマンションかで悩み、最後に新築か中古で悩むはずなのです。

しかし、読者の方とやりとりをしていると、街を選ぶという本質を忘れて「予算内の新築マンションがある街を探す」という本末転倒な行為をしていることが多いように感じます。確かに現状の新築マンション市況は予算に限りがある一般家庭にとっては厳しい状況ですが、新築にこだわっている以上そこに同情の余地はありません。もう一度、不動産を選ぶことは街を選ぶことである、という大前提を思い出して欲しいのです。

不動産の価値は立地が全て

不動産を選ぶことは街を選ぶこと、と述べましたが、まだもう1つ重要な前提があります。「不動産の価値は立地が全て」です。あまりに言い古された言葉ではありますが、これもまたもう一度その意味を再認識して欲しいと思っています。

どんな新築マンションでも引き渡しを受けた瞬間から中古マンション扱いになります。ましてや子連れ世帯が1年以上使用したら立派な汚い中古マンションです。買い手はリフォーム前提でシビアに値踏みしてきます。新築で買ったから大丈夫などという自分勝手な願望は捨てなければなりません。

ところが例外として築30年でも飛ぶように売れていくマンションがあります。それらの中古マンションを購入する人は何に価値を見出しているのでしょうか。それこそが立地です。特例はありますが買い手は一般的に前述の「学区よし」「交通利便性よし」「資産価値よし」「地位よし」の街の「立地よし」のマンションが欲しいのです。これらの項目は必須5項目と定義しておきましょう。

新築にこだわる理由は何ひとつない

ここで重要なのが必須5項目は別に新築マンションだけの特権ではないということです。中古マンションでもこの必須5項目は満たされるのです。生まれたばかりの子供の写真を人に見せびらかす人間がいますが、見せられた人にとってはその子供は特別な存在ではありません。単なる子供でしかなく、どちらかといえばどうでもいい存在です。

新築マンションも同じです。新築であることだけでは他の人にとっては何の価値もありません。新築に選択肢を限定するのは単なる自己満足に過ぎないのです。もちろん不動産の購入にとって自己満足も重要な要素であることを否定はしません。しかし自己満足から新築マンションに限定してマンション探しをしているのであれば「資産価値」という他人が決める評価を気にする行為は矛盾していることになります。

そして新築マンション限定でマンションを探している方のほとんどが資産価値を気にしているのです。個性を主張しているのに友達の評価を気にする思春期の子供のように滑稽です。

中古を選べない時点で失敗する確率は高まる

以上のように新築と中古で得られる価値に何ら違いがないにもかかわらず、新築に固執してマンション探しをしているのは非合理的な行為としか言いようがありません。合理的な判断ができない人が買うべき価値あるマンションを見分けることができるのでしょうか。ほぼ不可能だと私は思います。

言い換えれば、中古マンションを選択肢にできないことは、まともなマンションを選ぶ審美眼が備わっていないことなのです。個人的な感情に支配され、客観的な冷静さを欠いた状態でマンション選ぶことはコインの裏表に全財産を賭けるのと同じくらい危険な行為だと思います。

中古マンションのメリット(本題)

その1:資産価値が安定している

相変わらずの脱線ぶり失礼しました。そろそろ本題に戻ります。

「資産価値が安定している」これこそが中古マンションを選ぶ最大の理由です。もちろん適正価格で購入することは大前提です。リノベーション物件を業者から購入したり、投資目的で高値追求の売主から購入するのはご法度です。買うべきは売却せざるを得ない事情がある人が売主である中古マンションです。

実際に私も1軒目のマンションは築20年弱の中古マンションを購入し3年後に売却したわけですが、結果的に 残債リフォーム代往復の仲介手数料売却価格 になったのです。売却までに紆余曲折こそありましたが、住宅ローン控除を加味すると家賃相場の70%で住めたことになりますので文句はありません。そしてその資産価値の安定度に「資産価値を気にするなら中古マンション一択」との思いを強くしたのです。

何よりも購入後たった3年で売却したにもかかわらず全く残債割れをしなかったことは特筆すべき事項です。新築マンションのレビューをしていると5年目までの残債割れリスクが高いことは明白であり、購入時・売却時の諸経費を加味すれば、新築マンション購入後の3年目に売却するのは自殺行為でしかありません。

もちろん市況が後押ししたことは否定しません。しかし中古マンションであれば私のような事例が可能なのです。市場が決めた価格で購入したら市場が決めた価格で売却できる、よく考えれば当たり前の事実なのです。

自分が購入する新築マンションだけは大丈夫だと思いこめる図々しさをお持ちの方には馬の耳に念仏でしょうが、良識ある読者の皆様には当項目の「資産価値が安定している」という点だけで中古マンションを強くおすすめします。

その2:実物が確認できる

当たり前ですが新築マンションを購入するときは実物が確認できません。そうすると内覧時に「何これ!?こんなはずでは・・・」とずっと描いていた自分勝手で好意的なイメージとのギャップに驚くことがあります。

特に肌で感じる部屋の雰囲気の違いは深刻です。マンションは物質である以上、質感が存在し、その質感が肌に合わない場合があるのです。何となく嫌な感じ、のようなものです。読者の方からも「部屋の実物を見たら引き渡しを受ける気になれません。どうしたらよいでしょうか?」という相談がたまに届きます。

新築マンションは実物をイメージして購入を決定するわけですが、その際に自分が購入するマンションなのだから素晴らしいものに決まっている、という好意的なバイアスがかかることが原因です。私自身も竣工後に見学したらモデルルームから連想していたイメージとのギャップ(安っぽさ)に「これは同じマンションなのか!?」と驚いた経験があります。

しかし、ありのままの部屋を確認できる中古マンションであればこのようなリスクは大きく軽減されます。確かに気づかない点はありますが少なくともイメージと大きくかけ離れるようなことは発生しません

特に眺望と日照についてはモデルルームのシミュレーションでは不十分です。実物でしっかり確認しないと毎日ため息をつくことになりかねません。実物を見てから購入する、こんな当たり前の行為ができるのが中古マンションの良さなのです。

その3:共用設備に余裕がある

駐輪場に余裕がある

新築マンションは子育世帯が多い傾向にあります。そうすると確実に駐輪場の奪い合いが発生します。引き渡し時に割り当てられた1部屋1〜2台の駐輪場では子供の自転車を置くことはできません。さらに割り当てられたスペースに子供乗せの電動自転車が置けるとは限りません。平置きの駐輪場はそれだけ貴重だということです。

子育世帯は子育てを売りにすると簡単に落とせる存在です。デベロッパーもその辺は心得たもので、やたらと子育てに適したマンションであることを売りにします。しかし実際には子育て世帯の全てに必要なだけの駐輪場を確保できないのです。そして共用部である廊下に子供用自転車が放置されるのです。

しかし築15年を過ぎた中古マンションであれば駐車場や駐輪場に余裕が出てきます。すでに子育てが落ち着いた世帯が出て来るからです。実際に私が住んでいた築20年弱のマンションは子供用の自転車は全て駐輪場に止めることができていましたし、子供乗せ電動自転車は優先的に平置きが使えるような運用に変更されていました。

駐車場も余裕がある

駐車場もかなりの余裕がありました。駅近のマンションであれば子育てが終了すれば車も不要になるのは当然です。新築マンションで確実に駐車場を確保するにはプレミアム住戸を購入するしかありませんが、中古マンションであれば普通の部屋でも駐車場が簡単に確保できるのです。場合によっては1部屋で3台分を借りるのも不可能ではありません。

確かに全ての中古マンションで駐輪場・駐車場に空きがある訳ではありません。ただ駐輪場・駐車場に空きがあるマンションを選べるという点は新築に対する絶対的なアドバンテージではないでしょうか。

他の共用施設も余裕がある

また宅配ボックス、ゲストルーム、キッズルーム、シアタールーム、エレベーターなどの共用施設も中古マンションだと余裕が出てきます。各世帯の年代がばらけていることがその要因です。宅配ボックスやエレベーターは別としても新築時に入居した人たちはもう派手な共用施設に飽きたということも要因でしょう。

特に日中は不在になる共働き世帯にとって宅配ボックスが常に満室で使えないことは大きなデメリットなはずです。しかし中古マンションであれば日中に在宅しているシニア世帯も多いため宅配ボックスに余裕が生まれるのです。エレベーターも同じです。朝の通勤通学時のエレベーター待ちもそれほどひどくないのです

以上のように自分が必要としているときにきちんと共用施設が使えることは中古マンションの大きなメリットです。

その4:建物の品質が安定している

「新築マンションの方が品質が高い」と信じている方がいますが、実際には新築マンションの建物の品質は玉石金剛なのです。

実際にパークシティLaLa横浜のように新築マンションには一定の割合で欠陥マンションが含まれています。しかし築10年以上の中古マンションであれば欠陥が見つかる確率はグッと下がります。ちなみにパークシティLaLa横浜の欠陥は大規模修繕前の築8年目に発覚しています。

私がよく行く銀座のスナックで聞いた杭打ちのオペレーターの話をここで披露しましょう。「杭打ちが正しくされているかなんて杭打ちを実際に行ったオペレーター以外、誰にもわからんよ。パークシティLaLa横浜の件なんて氷山の一角でしかないって。みんな何も起きなかったらそれでいいと思っているんだからチェックだって形式にすぎないのさ。」真夏にぴったりの背筋が寒くなるような話ですね。

その話を横耳で聞いていた不動産会社の社長が言いました。「建物の重大な欠陥は大規模修繕までにあぶり出されるから築15年程度の大規模修繕後のマンションを買った方がいいよ。」

私が「でも大規模修繕後だと修繕費が値上がりしてるしお得感がないなぁ」などと呟くと「たかだか数千円割高の修繕費と、パークシティLaLa横浜みたいなトラブルに巻き込まれるのと、どっちがいいんだい?馬鹿も休み休み言わないとね。新築マンションをありがたがるなんて素人さんだけだよ。」と手厳しい返答がありました。

別に私は新築マンションが欠陥品だと言っているのではありません。建物の品質が確保されている可能性が高いのは大規模修繕後の中古マンションだというだけです。もちろん確率論でしかありませんから、中古マンションでも建物の品質に問題があることもあります。ただより確率が高い選択肢があるのであればそちらを選ぶべきではないかと思うのです。

その5:共同生活のルールが整っている

管理組合が機能している

マンション生活で最も面倒臭いのが管理組合の活動です。しかも新築マンションの管理組合はやることが盛りだくさんであり、役員になると大切な休日や夜の時間が台無しになります。しかし中古マンションであればすでにその辺りの面倒な一連の対応は完了済みであり、平穏な管理組合にスッと溶け込むように参加できるのです。

すでに述べましたが特に大規模修繕が終わった後の中古マンションはオススメです。大規模修繕ではベランダに見知らぬ作業員が1ヶ月くらい出入りすることになりますが、それを嫌がる女性は大変に多いです。しかし大規模修繕が完了していれば今後15年程度はプライバシーが守られた平穏な日々が送れます。さらに大規模修繕が終わった後だと管理組合の運営状況も落ち着いているので面倒な活動に巻き込まれる必要もありません。

外国人との共生も解消済み

また昨今のマンション生活において外国人の問題を避けることはできません。新築マンションの管理組合が外国人の住民の対応で苦慮した話は方々で耳にします。「住民の比率は外国人の方が多いのだから、管理組合は外国語で運営すべきだ」と提案された、などという笑えない笑い話があるくらい、もう外国人との共生は切り離せない問題なのです。ちなみにこの話は海沿いの某財閥系タワーマンションの総会で発生したとかしないとか。

しかし築年数が経過した中古マンションであれば外国人の住人との落とし所はついているのが大抵です。そこに到るまでの日本人と外国人、双方の苦労は相当なものだったでしょうが、反対に言えば中古マンションを購入すればそのような苦労をしないで済むということです。

そのほかの問題も多くが解消済み

マンションは共同住宅であり、共同生活の場なのです。人種や価値観が違う老若男女がコンクリートの箱の中でともに暮らすのですから、そこには多くのルールが必要となります。しかし新築の入居時で自分たちのマンションに適したルールが整備されていることはないのです。実際に住んで、実際に発生した問題を一つずつ解決していくしかありません。

反対に中古マンションであれば築年数分だけ諸々の問題に対して改善がなされているのです。中古マンションの築年数をマイナスに捉えている方に私は声を大にしてお伝えしたいのです。ウイスキーのように年代が経つほどに磨かれていく部分がマンションにもあるということを。その磨かれていく部分こそが「管理」なのです

管理を買えるのは中古マンションだけ

美味しいウイスキーができるには10年以上の歳月が必要であるように、マンションの管理が成熟するのには10年程度の歳月が必要なのです。歳月を経て成熟した管理は新築時には絶対に出せない味であり、中古マンションはこの成熟した管理を確認した上で購入できるのです。

おまけにウイスキーは年数が経つほどに価格が高くなりますが、中古マンションは年数が経つほどに安くなるのですから、中古マンションを選択肢に入れないのは勿体無いとしか言いようがありません。マンションは管理を買え、とは言い古された言葉ですが、その意味が持つ価値は未来永劫変わることはないのです。

中古マンションのデメリット

ここまでひたすらに中古マンションの良さをお伝えしてきました。しかし、もちろん中古マンションにも明確なデメリットがあります。ここではそのデメリットを3つ指摘しておきます。

その1:数が多すぎて選べない

マンションを探し始めた人がまず圧倒されるのが中古マンションの膨大な数です。試しにSUUMOで検索してみます。いまだに通う錦糸町駅から徒歩10分圏内を条件に検索すると、中古マンションは128件、新築マンションは3件がヒットしました。

このズラリと並んだ中古マンションの数を見たら知識も経験もない人であればどれを選んだらよいのかパニックになってしまうことが容易に予想されます。反対に新築マンションはたった3件です。ほぼ完売状態の2件を除けば選べるのは1件だけです。

ならば新築でいいや、そして話を聞いてみようとこの1件のモデルルームに足を運び、手練れの営業マンに言いくるめられてそのまま契約してしまうのです。中古も検討した上で新築を選ぶのではなく、選びやすいから新築にした、という新築マンションの購入者は少なくないはずです。

安易に新築を選択する当人の知識不足を指摘するのは簡単ですが、初めてマンションを購入する方に知識や経験を要求するのもまた酷な話です。選びやすさで新築を選ぶことは仕方のないところであり、中古マンションの数の多さは初めてマンションを購入する方にとって高いハードルとなっていることは間違いありません。

その2:選べても即断即決が求められる

欲しかった中古マンションが買えなかったとの連絡が読者の方から届くことがあります。買えなかった要因は様々ですが即断即決できなかったことが敗因であることが多いように感じます。値引き交渉をしている間に定価で買われてしまったなんて話も届いています。

こんなブログを書いていると知り合いから中古マンションの内見に同行させられることがありますが、見学者の優柔不断さにイライラすることが多いです。あそこが気に入らない、ここがイマイチなどと素人評論をしながらちんたら見学しているうちに次の見学者が来て室内をざっと見回した後に「定価で買います」と宣言した場面に出くわしたこともあります。

同行を依頼していた知り合いは慌てて「私も買います」と言いましたが、その経緯から最初の購入検討者が優先され購入できませんでした。そして数ヶ月後に出てきた同じようなタイプの部屋がさらに値上がりしているのを見てお決まりのセリフを言うのです。「なんであの時に決断しなかったのだろう・・・。

買うなら中古マンションをお勧めしている私でもこの即断即決が求められる点については明確に中古マンションのデメリットだと思います。反論の余地はありません。即断即決をするには相応の知識や経験が必要であり、初めてマンションを購入する方にとってはこれまた高いハードルとなっていることは間違いありません。

その3:味方のはずの仲介業者が頼りにならない

相応の知識と経験が求められるのに、知識も経験もない検討者が頼りにするのは仲介業者です。しかしこの仲介業者が頼りになりません。頼りにならないどころか胡散臭い場合も多々あります。

読者の方から「中古マンションを見学したら来週末に契約することになってしまいました。どうしたらいいでしょうか。」という相談があったように仲介業者は強引に契約に持ち込もうとします。背中を押されるにしても、ホーム上から線路に向かって背中を押されるのは勘弁して欲しいところです。

ただ仕方がない面もあります。中古マンションの仲介業者は成約することで初めて報酬がもらえます。反対に成約しなければそれまでの苦労が水の泡に消えてしまうのです。努力に報酬が払われない仲介業者が、高額の買い物で不安いっぱいのワガママな購入者を相手にするのは同情の余地があります。

ましてや上述の知人のように素人評論を繰り返すばかりの優柔不断な購入者ならなおさらです。言いくるめてさっさと契約させてしまおうと仲介業者が考えるのも当然とも言えます。

中古マンションのデメリットの解決策

中古だけのデメリットは1つだけ

以上のように中古マンションのデメリットを3つ挙げましたが、よく吟味してみると気づくことがあります。

まず仲介業者が頼りにならないという問題は新築マンションでも同様です。新築マンションの営業マンの胡散臭さは当ブログでも指摘している通りであり、中古マンション特有のデメリットではありません

モデルルーム

また一見すると膨大な数に見える中古マンションも「駅距離・広さ・築年数・予算」で絞り込めば対象がそれほど多くないのです。錦糸町駅の徒歩10分圏内で検索すると128件もヒットしましたが、60m2以上、築年数20年以下の条件を加えるだけで22件にまで絞り込め、さらに常識的な予算である7000万円以下も加えれば対象は12件にまで絞り込めます。

つまり新築マンションよりも大きく劣るデメリットは「即断即決が求められる」の1点だけだということです。

即断即決はできる

確かにマンション探しを始めた方がこの即断即決をいきなりやるのは無理です。しかし方法はあります。即断即決を手助けしてくれるものとは、当ブログで公開している自分自身の価値観を明確にした評価基準であり、頼りになる不動産コンサルタントなのです。

不動産コンサルタント

自分自身の評価基準と不動産コンサルタントの見立てがあれば、中古マンションを見学する前に買いかどうかはほとんど分かります。事前に買いかどうかが分かっていれば即断即決は可能になるのです。

もしこの準備が整っていない状態でマンション探しをするとしたらそれはとても危険な行為です。真冬に準備運動もせず寒中水泳をするようなものです。

中古選びも新築選びも基準は一緒

そしてお気付きの方もいるかもしれませんが、この評価基準と不動産コンサルタントという武器はそのまま新築マンション選びの武器になるのです。結局のところマンション選びに新築と中古に大きな違いはないということです。

なので「中古マンションの選び方がよくわからない」と言っている人は「新築マンションの選び方を分かっていない」ということを自ら暴露していることになります。

冒頭で述べた中古マンションを選択肢にできないことは、まともなマンションを選ぶ審美眼が備わっていないことという私の主張はまさに今回の記事の一連の考察を経た結論なのです。

それでも新築マンションにこだわる方へ

まず中古マンションを買おう

お疲れ様でした。ここまで1万字を費やして中古マンションのメリットをお伝えしてきましたが、それでもやはり新築マンションがいいと言う人はいるでしょう。相談を寄せられた読者の方の中にも頑なに新築にこだわる方がいます。

そんな読者の方に私はいつもこうお伝えしています。「まずは中古マンションを購入してみるのはどうですか。中古マンションで生活しつつ、理想の新築マンションが見つかったら住み替えるのです。」と。

人生で一番高い買い物のせいか、マンションを探されている方はたった1回で100点満点のマンションを購入したいと思う傾向がかなり強いです。しかし実際に中古マンション購入→3年居住後に売却→新築マンション購入の一連の経験をしてみると、最初に中古マンションを購入するのは知識と経験を蓄積するのに最適なやり方であり、100点満点のマンションへの近道だと思えるのです。

もし中古マンションに住んでみて、気に入ったらそのまま住み続ければいいだけです。住みたい街に家賃よりも安く満足して住めるのなら文句はないはずです。もし気に入らなければ売ればいいのです。資産価値がある中古マンションであれば売却してもそれほど痛手にはならないはずです。

理想を追い求めていると時間だけを浪費する

また100点満点のマンションは滅多に現れません。理想のマンションという青い鳥を探し求め疲れ果ててしまう読者からどれだけの相談が届いたことでしょう。その有様は先日に飲み会を開いた際に居合わせた理想の相手を求め続けてるうちにアラフォーになってしまった婚活普通女子と同じです。

理想の相手を求めすぎて正常な判断力を失った彼女は目の前にいる地味な男性(実は隠れハイスペック)には目もくれず、飲み会は夜の相手を探す場所と豪語する遊び人の男性(複数の彼女あり)を選ぶのです。

しかし一方では抜け目のないアラサー可愛い女子は前者の隠れハイスペック男子を一本釣りしていくのです。そして遊ばれて時間を無駄にしたアラフォー普通女子はこう言うのです。「私の運命の人はどこにいるのかしら」と。

上記は女性の例えでしたが男性でも同じような話は多々見聞きします。私にその傾向があるのも否定しません。前の嫁さんは観月ありさとアンジェリーナジョリーを足して2で割ったような外見でしたから。そしてマンション選びも同じことです。もしもマンションを買いたいのであれば手頃だけれど資産価値が保たれる中古マンションを最初に買うべきです。理想の新築マンションが今後現れる保証なんてどこにもないのですから。

次に新築マンションを買おう

現実的な判断をして中古マンションを購入することでマンション選びのコツを身につけ、中古マンションで実際に生活してみると、新築マンションに求めるものが明確になります。そうすると70m2・3LDKにこだわるようなことはしなくなり、自分が本当に求めているものが明確になります。

実際に私は錦糸町の中古マンションを購入し居住する過程で新築マンションに求めるポイントを明確にしてきました。その成果が当ブログであり、先日に購入した都心の新築マンションです。

まだ都心の新築マンションは建設中ですし成果と呼べるだけの結果になるかは分かりませんが、自分の理想に近い新築マンションを購入できたとの満足感はあります。中古マンションを購入した経験がなければこれだけの納得感は得られなかったと断言できます。

終わりに

マンション購入は何回でもできる

私の経験談ではありますが、新築マンションにこだわる方は最初には中古マンションを購入したうえで新築マンションを探すというハイブリッドな選択肢もあることをこの記事の最後にお伝えしたいと思います。

新築だけを希望している方は「家は人生で1回きりの高い買い物」という思い込みをしている場合がほとんどです。この思い込みを前提とするならば中古マンションを買いたくないという気持ちになるのも無理はありません。

しかし現実的には「家は何度でも買い替えるもの」でもあるのです。特にマンションに限定するのであれば「買い替えるのが当然」です。私自身も次に住む都心マンションに一生住むつもりはありません。最終的には温泉地に近い田舎で清家清の「私の家」のような平屋の戸建に住むつもりです。

マンション探しで疲れた心が安らぐ魔法の言葉

中古マンションも捨てたものじゃない」「マンションは何度でも買い替えるもの

もし新築マンション選びで疲弊されている方がいたらこの2つの言葉を口にしてみてください。きっと楽になると思います。そしてマンション選びの際には常に頭の片隅に置いてみてください。冷静になれるご利益もあるはずです。

それでは、今日はここまで。最後までお読みいただき本当にありがとうございました。次回は絶対損しない中古マンションの選び方について書いてみたいと思います。ご期待ください。

おまけ:中古マンションに対するQ&A

ここからはおまけです。ここまで一方的に私が感じる中古マンションのメリットについて記載してきましたが、中古マンションに対する不安は人それぞれです。私の意見がどれだけ立派だったとしても各自の不安が払拭されなければ中古マンションに好意的にはなれないでしょう。

そこでここでは皆さんからいただいた不安を解消していきたいと思います。反対に不安を助長してしまったら申し訳ありません。随時追加していきますので質問があればコメント欄よりご連絡ください。

室内の設備が古くて気になります

対象の部屋のm2数に10万円を乗じた金額(70m2×10万円=700万円)を出せばあなたが買おうとしている長谷工の新築マンションの室内設備と同等になります。売値+リフォーム代が新築と同額もしくは安ければあとは立地の問題です。立地が良い方をご購入ください

他人の生活臭が気になります

ハウスクリーニングをしたことはありますか?ハウスクリーニング後に床にワックスをかければ新築マンションと同じ匂いになりますので心配無用です。それに自分たちの匂いも相当なものであることを忘れてはいけません。1ヶ月も住めばあなたの臭い匂いが染み付いた部屋です。

中古だと永住できるか不安です

築36年のマンションに住んでいたことがありますが、新築時から住んでいる人は多くはありませんでした。子育てが終わると皆さん第二の人生に向けてマンションを手放すのです。それに新築時から住んだとしてもあなたが亡くなる頃には築50年を過ぎたマンションに成り下がっているのです。

あなたが嫌悪している中古マンション(築50年)を他の人なら買ってくれると考えているとしたら図々しいにも程があります。売れないマンションを家族や親族に託す行為がどれだけ自分勝手な行為なのかを認識しなくてはなりません。

マンションに永住すると考えることは罪でしかありません。マンションはライフスタイルに合わせて住み替えるものです。言い換えればババ抜きなのです。その本質を認識できないのであれば、あなたの葬儀の後の家族会議はあなたへの怨嗟の声で満ち溢れることでしょう。あなたの遺影に唾を吐きかけられるかもしれません。

もし永住が最優先事項なのであれば都心まで電車で20分圏内の駅を最寄にした戸建てをお勧めします。あなたの葬儀の後の家族会議は穏やかなものになるでしょう。いざとなれば売却して山分けすればいいだけだからです。財産分与の比率で揉めないよう家族一同と仲良くしてください。

中古は仲介手数料がもったいないです

新築マンションでは修繕積立金の一時金を徴収されます。その額は70万円程度です。しかし中古マンションでは不要です。中古の売値が新築の売値より仲介手数料分から70万円を引いた金額だけ安ければ問題ないはずです。あなたは中古マンションを否定したいがために仲介手数料をダシに使っているだけです。仲介手数料は中古マンションのデメリットではありません。

中古はリフォーム代がもったいないです

新築マンションを購入しても浮かれて超割高なオプションをつけることになるのです。中古を購入して適正価格で一部リフォームするのと金額的に大差ありません。それにリフォーム代金分だけ中古が安ければ中古でいいじゃありませんか。あなたは中古マンションを否定したいがためにリフォーム代をダシに使っているだけです。

中古の営業マンは胡散臭いです

これは同意です。不動産の営業マンの胡散臭さの秘密は何なのでしょう。特にあの笑顔ときたらもう、キモいだけです。ただ新築の営業マンも同類です。売るという一点突破に特化している分だけ新築の営業マンの方が性質が悪い場合もあります。新築でも中古でもマンションを購入する以上は彼らと上手に付き合うしかありません。不動産コンサルタントの支援を受けるのはマンション選びの絶対条件ですから、物件の価値評価など根幹に関わる部分は不動産コンサルタントの意見に従ってください。営業マンは事務代行者として接すればいいのです。

新築の方が住民と仲良くなれる気がします

新築だと相手が好意的であるとする理由が知りたいです。中古はすでにコミュニティが出来上がっており、問題を起こすのは新参者(つまりあなた)がほとんどです。相手を気にするのではなく自分を見つめる必要があります。コミュニティに溶け込めるかどうかは新築か中古は無関係です。あなたのコミュニケーション能力が問われているだけなのです。

同世代の家族が多い方が何かと安心

中古マンションに対する偏見が酷過ぎます。中古マンションには老人しか住んでいないとでもいうのでしょうか。もう一度繰り返します。コミュニティに溶け込めるかどうかは新築か中古は無関係です。あなたのコミュニケーション能力が問われているだけなのです。

新築の方が気持ちがいいです

日本は信仰の自由が認められていますからご自由にどうぞ。その代わり3年後に売却することになって残債割れの事実を目の当たりにしても初志貫徹で頑張ってください。棄教したらダメですよ。

中古だと住宅ローンの審査が通りません

住宅ローンの審査に落ちるのは銀行があなたの財務状態にイエローカードを出していることと同じです。そのような財務状態で不動産を購入するのは危険です。新築か中古かで悩む以前の問題です。今すぐ不動産探しをSTOPしてください。

住宅ローン控除は新築の方が大きいです

新築と中古の住宅ローンの差額分(200〜300万円)だけ中古が安ければ問題ない話です。確かに住宅ローン控除は新築の方が倍額以上の大きさですが、新築マンションが住宅ローン控除分以上に割高であったら意味がありません。そして新築マンションの価格は売主であるデベロッパーに決定権があることを忘れてはいけません。

ここでパークタワー晴海で実際に目にした事例をお伝えします。54m2の部屋はギリギリ長期優良住宅の認定基準を満たさないらしく住宅ローン控除は通常の400万円だと説明されました。しかし結局、長期優良住宅として認定されることになり住宅ローン控除は500万円となったのです。

そこで三井不動産レジデンシャルが何をしたかお分かりでしょうか。そうです価格を50〜100万円ほど上乗せしてきたのです。冷静に考えれば営利企業がみすみす利益を放棄する理由がありません。住宅ローン控除は購入者の利益ではなくデベロッパーの利益なのです。それを新築のメリットだと言うのであればお人好しもいいところです。

そして、このことは新築マンションの価格には住宅ローン控除が織り込まれていること、つまり価格が市場価格よりも割高であることを示唆しています。新築を購入して10年以内に売却をすると残債割れをしてしまうことが多いのはそのためです。市場価格を無視してデベロッパーの都合だけで決められた価格なのですから当然と言えば当然です。

対して中古マンションの価格は周辺の事例から算出された市場価格であり住宅ローン控除は無関係です。お得という観点から捉えれば購入後すぐに売却しても損しづらい市場価格に200万円の住宅ローン控除がある中古マンションの方がお得だとさえ言えるのではないでしょうか。

住宅ローン控除は新築のメリットではありません。住宅ローン控除は中古でこそ初めて輝くメリットなのです。

新築の方が設備保証が手厚いです

共用部

設備保証は占有部と共用部に別れますのでまずは共用部について述べます。

共用部の設備保証については「その4:建物の品質が安定している」で述べたように新築のメリットどころかデメリットでしかありません。新築マンションの共用部のほとんどが引き渡し時には何らかの問題を抱えておりそれを解決するのに膨大な時間がかかるからです。保証されることと、保証を受ける手間は別問題です。

新築を購入すれば保証適用に付随するドタバタに巻き込まれるのに対し、中古を購入すればこのドタバタには巻き込まれません。すでに共用部の設備保証の対応が済んだ建物を購入できることは中古を購入する明確なメリットです。要は中古マンションはすでに共用部の設備保証を受けた品質バッチリなマンションだということです。もちろんそれができる優秀な管理組合であることが前提です。

占有部

メーカー保証は新築のメリットなのか?

占有部の保証については保証責任者が誰であるかをはっきりさせておく必要があります。最大手の三井不動産が提供しているLOOPおうちサポートの保証内容紹介ページを見るとよくわかります。

1〜2年目まではメーカー保証で、3年目以降は有償でのみデベロッパーが保証するのです。野村不動産も同様に有償で3年目以降も保証するサービスを提供しています。有償で保証されることはメリットでも何でもありません。当然の権利ですから3年目以降の保証については今回の議論から除外します。

そうすると新築マンションは1〜2年目であれば設備保証が無償でついてくる、ということが論点として絞り込めます。すでに結論はおわかりでしょう。2年間の保証はデベロッパーである売主が保証してるのではなく、単なるメーカー保証です。よくデベロッパーが保証してくれるから新築の方が安心という人がいますが、それは単なる勘違いです。保証はメーカーが行っているのです。

そしてメーカー保証はその保証分だけ最初から設備の販売価格に含まれています。社会人であれば誰でも分かる構図です。要するに新築マンションの割高な価格に保証料が含まれているということです。

住宅ローン控除の項目でも触れていますが、市場価格から乖離したデベロッパー都合の割高な価格でマンションを購入しておきながら、発生確率の低い1〜2年間の設備保証に執着することがどれだけ論理的なことなのか少し頭を冷やして考えた方がいいと思います。新品に交換してもらった以上の金額を払っていたら無意味だということです。

中古マンションにも保証はある

そもそもの話ですが、中古マンションには全く設備保証が存在しないとの前提で話が進んでいますがそんなことはありません。中古マンションも直接的もしくは間接的に占有部の設備を保証する方法があるのです。

その1

実は中古マンションも大手の仲介業者であれば1年間の設備保証を無料で提供しています。このことはあまり知られていない事実なので触れておきます。その保証内容は新品に丸ごと交換とまではいきませんが修理代の足しにはなる保証金額です。製造年月から10年以上経過した設備すら一定額を保証してくれるのです。

マンションの設備は修理をすれば想像以上に長く使えるものです。何でも新品交換を希望するクレーマー気質の方には物足りないかもしれませんが、無料で1年間も設備の修理代が補填されるのであれば悪くない話ではないでしょうか

その2

さらにフルリフォーム分(700〜1,000万円)だけ新築よりも価格が安ければOKという間接的なやり方もあります。要は万が一の時に必要な金額は最初から物件価格から直接引いてもらうということです。しかもフルリフォーム分ですから占有部全てが新品に生まれ変わるのです。メーカー保証よりも魅力的なくらいです。1,000万円かけてフルリフォームした部屋はモデルルーム並みにすごいですよ。

問題はそんなことが可能なのかという点ですが、私が推奨している地区15年以上の中古であれば新築よりも1,000万円近く割安なのがほとんどなので十分に可能です。築浅の中古だと物件価格こそ新築と大差ありませんが、設備はまだまだ使えるので大手が提供している1年間の設備保証で十分に事足ります。

中古マンションにも設備保証はある

おまけの項目にも関わらず1本の記事並みに長々と書いてしまいましたが、要は中古マンションに設備保証がないというのは全くの誤解であり、やり方は違えど新築マンションの設備保証と結果は大差はないのです。この記事をお読みになっているかたは設備保証にこだわることなく価値あるマンションを冷静に選んでいただきたいと切に願います。

20件のコメント

新築と築15年でたった1000万しか差がないのであればどう考えても新築がいいです。
これは日本人のDNAに刻まれている本能です。
3000万違うなら考えてもいいかな?ってレベル。

コメントをありがとうございます。日本が世界から取り残されているのはご指摘のようにたった1,000万円程度で新築を選ぶ愚かなDNAが原因なのは間違いないですよね。1億円以上のマンションが普通レベルのマンションになった昨今において、築15年の中古1億円と新築1億1,000万円だったら新築を選ぶというロジックが私も全く理解できません。

白金タワー(築16年)が白金ザスカイ(新築)と同価格帯で取引されているように、価格は価値を反映するものです。築15年でも新築と同じ価値を保っていることが証明されている方が安心して購入できるものです。だから白金ザスカイ(新築)ではなく白金タワー(築16年)を選ぶ人がいるのです。

もちろん千葉ニュータウンあたりの過疎地に目を移せば、築15年の中古4,000万円と新築5,000万円という1,000万円の差なら新築を選びたくなる気持ちも理解できるのですが、この上げ相場においても15年後に20%も下落することが確定している魅力のないエリアで新築を買うという根本的な間違いを犯していることに気づかなければなりません。新築と築15年の中古の差が3,000万円もあるエリアはもはや消滅可能都市ですので絶対に不動産を買ってはいけません。

結局のところ不動産は都心以外は買う価値がないというのが結論です。郊外に住むのであれば賃貸で十分です。購入するリスクとコストに見合うのは都心の不動産だけなのです。ただ、都心でも居住用であれば賃貸で十分だというのが当ブログの主張です。居住用に不動産を買うのであれば都心しかないという消極的主張であることはご留意ください。

当ブログの趣旨にご賛同いただけてとても嬉しいです。日本人の間違ったDNA情報を書き換えるためにも当ブログは情報を発信し続けていきますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします^^

管理人がオススメするような「資産価値の落ちない立地」のマンションならそもそも新築と中古の価格差が小さいんだからそれこそ中古を買うメリットが無いでしょ。
中古を買うメリットが大きい物件=新築と中古の価格差が大きい物件=資産価値が保たれない雑魚立地なんだから、中古マンションを買うならクソみたいな立地のマンションを買った方が良いってことになってしまう。
もうこの時点で思いっきり矛盾してるんだよなぁ・・・

ご賛同のコメントありがとうございます!!価格は取引が成立したことの結果です。取引が成立するのは売り手と買い手が存在するからです。中古の価格は成約事例の積み上げで決定されます。つまり都心においては中古の価格は新築と価格差がなくても買った人がいるという証明です。

それは「都心においては中古を選ぶ理由が新築との価格差ではない」ことの証明でもあります。実際に買った人がいるのですから当然です。しかも1人だけではなく何人も大勢も。ご認識されているように「中古を買うメリット=新築より安いから」という日本を貧しくさせた時代遅れの考え方は都心にはありません。都心にあるのは「そのマンションにどんな価値があるか」です。

都心でマンションを購入する人はマンションの価値を新築か中古かという金銭面だけで評価するようなことはしないのです。郊外で新築と中古で価格差が発生するのはこの裏返しでもあります。価格しか評価軸がないと中古を選ぶ理由を価格にしか見出せなくなります。衰退の一途をたどる郊外の思考だと都心の不動産を語ることができないのはそのためです。

中古マンションの価値が価格以外にある事例はこの記事に記載していますし、まだまだ中古マンションならではのメリットはあります。中古マンションが持つ多面的な価値を正しく評価できる人がいる、つまり成熟したマーケットがあるということは都心の大きな魅力のひとつです。

中古は新築より劣る、中古を選ぶメリットは安さしかない、という日本でしか通用しないガラパゴスな固定観念こそが日本を貧しい国にした病巣なのは間違いないですが、そもそも当ブログの主張は「住居は賃貸にすべき」です。ビールとワインのどちらを飲むべきかという議論は「お酒なんて飲む必要がない」が正解なのです。

居住用にマンションを購入することを特別視している人たちの目を覚ますために当ブログは引き続き情報を発信していきますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします^^

餅つき名人さま
はじめまして。新築マンションを探し始めて2年ほど、なかなか希望する物件に巡り会えずに悶々としていたところ、餅つき名人さまのブログに出会ったことで大変励まされ、物件探しを中古にシフトするようになり、以来ブログでは楽しみながら勉強させていただいております。
数日前に中古で初めてこれぞという物件を見つけ、すぐに内見をし、いち早く申し込みまでたどり着きましたが、スピードを重視するあまり、今更ながら本当に買って大丈夫なのかと不安になっております。
多くの方がご相談いただいている中、ご連絡させていただくべきか大変悩みましたが、誠に厚かましいお願いで恐縮ですが、第三者のご意見をいただきたくコンサルタントの方をご紹介いただけませんでしょうか。なにとぞよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。買付申込をしてから第三者の意見を聞くのは諸刃の剣ですからオススメできません。対象のマンションを見ていないのでわかりませんが恐らく高値づかみをしているはずです。

悪い評価だった場合の対応策は明確になっているでしょうか。申込を取り消すとなると業者と相当タフなやり取りをすることになります。業者も契約寸前で破談にすることを易々と受け入れるわけがありません。必死に引き止めにかかるでしょう。タフな交渉に耐えうる準備はできているでしょうか。

その覚悟ができているのならコンサルタントの評価を聞く前にまずは申込を取り消してください。そしてもう一度、中古マンションを探してください。その際にはコンサルタントの支援を受けてください。またご家族の意見を聞いてください。ご自身が不安でもご家族が満足しているのならそれが正解です。マリッジブルーに効く薬がないように、マンション購入直前で不安になる症状に効く薬もありません。

築13年の都心駅近マンションを昨年購入し、リフォームして住んでいます。餅つき名人様のブログに出会ったのは購入後のことでしたが、どの記事も鋭い視点とユーモアに満ちており唸らされることばかりで、いつも大変楽しく拝見しております。周囲が新築派ばかりの中、こちらの記事には大いに励まされました。住宅ローン減税は中古でこそ生きるというのは盲点でした!まさに目から鱗です。まっさらなところから暮らしを始める高揚感がないのが中古最大のデメリットかな?とは思いますが、憧れの街に住み、100%自分好みにカスタマイズした便利な生活を送る日々にじんわりとした幸せを感じているところです。これからも更新楽しみにしております。ご多忙とは存じますがお体ご自愛くださいませ。

コメントありがとうございます。新築マンションは高級外車のような富裕層の趣味になってしまった昨今において、その現実を知ってもらうとともにその現実の中でどのような心構えで住まいを探すべきかということを伝えたかったのがこの記事になります。そして、この記事があかね様の支えになったとのことで大変嬉しく思います。

新築のように何年も指折りを数える楽しみがありませんから中古が淡々としたものに感じるのは仕方ないところですよね。それでも、あかね様のようにリフォームをして自分の好みの部屋に住めるのは中古の特権ですし、満足して生活が遅れているとのことなのであかね様の住まい選びは大成功に終わったのだと思います。私も次にマンションを買うとしたら超都心の築30以上のオンボロマンションを好き勝手にリフォームして住んでみたいと思っています。

今年は毎月1本は記事を書きますのでこれからも遊びにいらしてくれたら嬉しいです^^

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